~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『素粒子』... ※ネタバレ有

2007-06-11 01:07:01 | 映画【ドイツ】
科学や信仰に関する事は知らない私だけど、
この作品の人間模様(ヒッピーの母、父親の違う兄弟、兄弟がそれぞれ愛した女性)
には引き込まれました。



弟:ミヒャエル〔クリスティアン・ウルメン〕は父方の祖母の元で育ち
勉強熱心なミヒャエルは分子生物学者になる。

兄:ブルーノ〔モーリッツ・ブライブトロイ〕は
育ての父方の祖父、祖母を子供の頃に亡くし、寄宿舎ではいじめられ、
不遇な環境で育った心の傷からくるものなのか性的衝動をコントロール出来なくて情緒が不安定気味。

弟:ミヒャエルが愛した幼馴染のアナベル〔フランカ・ポテンテ〕は病気になり子供が産めなくなる・・・。
祖母の愛情を普通に受けて平穏に育ったミヒャエルは
これからもアナベルを支えていける包容力が備わっている。

だが、思春期に家族の愛情を受ける事が出来なかった兄:ブルーノは
下半身が不自由になったクリスティアーネ〔マルティナ・ゲデック〕を受け止める事が出来なかった。
クリスティアーネはブルーノの心の弱さを理解していたのでしょうね。
  私の傍にいて支えてほしいけど、求めきれない・・・
  ブルーノを見守りたいけど、どうすることも出来ない・・・
クリスティアーネはそういう気持ちが交錯していたのかな?
クライマックス、病院で泣きじゃくるブルーノを見つめる
クリスティアーネの幻影はまるで聖母のような慈愛に満ちていました。

まったりとした空気感と人と人との結びつき(人間愛)につながっていく深遠さ・・・
『サンジャックへの道』を思い起こしました。


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