~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『砂時計』全24話の感想・・・

2007-06-13 01:53:28 | ドラマ



『砂時計』はとにかく重厚な作品で
CS放映日だった日曜日のお昼に見ると気分が暗くなるので、
毎週録画して夜中に見るようになったけど、それでも気持ちが重くなる・・・。
だから2話ごと見ては少し期間をおいて見ていったから、
結局、見終わるまで半年以上もかかってしまった私。。。

光州事件を題材にした作品で韓国の歴史背景に疎い私は理解しきれなかったのですが、
この作品が描きたかったのは激動の時代の闇の中で葛藤し
生き方を模索していく3人の姿なのかな?
「『砂時計』以降、ヤクザを美化した作品が増えた」
というような意見を見受けたのですが、
私的にはこの作品はヤクザを美化しているようには思えなかったし、
ヤクザが登場する他の韓国映画・韓国ドラマを観ても
ヤクザを美化している作品が主流だとは思わない。
むしろ、裏社会から抜け出して堅気になりたくても
裏社会の体制(義理)や不遇な運命に逆らいきれなくて
もがいている人間を描く作品が多いような気がする。
『砂時計』の主人公は生まれ育った環境ゆえ夢を断たれた。
状況設定は違えど、ヤクザとして生きていくしか術がなかった“やるせない運命”は
映画『男の香り』に通じるものがあると思いました。
(実は『男の香り』はペ・ヨンジュンの映画デビューになる予定だった作品。
彼は『男の香り』の原作小説を5回も熟読していたが、
ドラマ『初恋』〔1996年~1997年〕の撮影後のオフ、
アクション訓練中に大怪我をしてしまい、出演を断念。
その映画はキム・スンウが代役で1998年に完成。)
ヨンジュンさんが『男の香り』に興味を持ち惹かれたのは
ヨンジュンさんが好きなドラマ『砂時計』に通じるモノがあったからなのかな?
と思ったりしました。

『太王四神記』も手がける脚本のソン・ジナは女性とは思えないぐらい骨太な作風ですね。
(まるで、高村薫の小説のような筆力を感じる。)
作品を特徴付けるような際立った台詞はないが、
さりげない台詞(言葉)の中に哀愁がありますね。

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