~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

~『舟を編む』~ ※ネタバレ有

2013-05-10 00:00:58 | 映画【日本】


  『舟を編む』:公式サイト

配偶者

出版社の辞書編集部を舞台に新しい辞書『大渡海』編集に取り組む人々の姿を描く。
2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの同名小説を映画化。

松田龍平とオダギリジョーは足の長さは素晴らしいなと改めて実感しましたよ~。^^

時折、挿入される馬締〔松田龍平〕と水に入る場面を観て、
昔の日本映画『太陽を盗んだ男』の沢田研二を思い出したのは私だけかしら?

西岡〔オダギリジョー〕13年以上経って、
電話越しの子供?に幼児言葉使っているという事は
まだ幼い子供がいるという事だろうから子だくさん?

松田龍平はフォーカーフェイスで真面目な役に合っていたけど、
オダギリジョーが馬締役やってもいけたような気もするのよね。
オダギリジョーは演技上手いからそれなりにこなせているけど、
チャラ男ならばもっと笑顔ふりまく陽気な人のほうがハマったはず。
イケメンではなくても、明るいイメージの俳優やお笑い系とか。

満月の夜に髪の長い女性ってまさしくかぐや姫みたいだったよ。^^
馬締〔松田龍平〕は家具矢〔宮崎あおい〕は子供はいないんだねえ。
2人は夫婦になっても、馬締は家具矢にはかしこまった上品な敬語をつかっているんだけど、
松本〔加藤剛〕が亡くなって「(辞書の完成が)間に合わなかったよ。」
と嘆く場面は傍にいる家具矢に対してタメ口(素の言葉遣い)だったのでじーんときたよ。
家具矢は馬締の事をタケおばあちゃん〔渡辺美佐子〕が呼んでいたように
「みっちゃん」と呼び続けている。
家具矢はタケおばあちゃんの後継者のポジションなのかな?
妻というよりも母親みたいな感じがするの。

あおいちゃんはセクシーさも求められる『きいろいゾウ』の役よりも、
地味ながらも芯が強く母性的な家具矢役のほうが合っていたと思う。

私は時々「私にはどうして言葉があるんだろう?」と考え込む時があるんですよね。
多分、普通の人はこんな事考えないんだろうけどね。
(私には言葉でコミュニケーションとるのが困難な家族がいるから・・・。)
私も馬締のように口下手で人付き合いも苦手なので、ネットには向いていないと思うけど、
折角、言葉を使えるならば何をすべきなのかと考えた時に
自分の好きな事に対しては完全に受け身にならずに
何らかの形で自分の感性を発揮し、自分ならではの言葉を発信していきたいと思った。
(なので、不定期ながらもなんとかツイッターやブログ記事更新は出来ているのかもしれない。)
言葉を使えるのは本当にありがたい事だし、幸せな事なんですよね。

他人の気持ちがわからなくて悩む馬締にタケおばあちゃんが助言してから
一生懸命言葉を使おうとする馬締の姿が微笑ましい。
勿論、家具矢へ恋心を伝えるのも一生懸命。
そして、達筆の長文(量)よりも素直に話す一言(質)のほうが大切だと気づくんだよね。
つまり、言葉は巧みに駆使するのではなく、気持ちを伝える姿勢なのだと。
特に、女性は相手には書くよりも話してほしいと望む生き物?のような気もするので
「みっちゃんの口から聞きたい。」という家具矢には共感出来た。

時の流れによって失われていく言葉もあれば新たに生まれる言葉もある。
そういった中で、言葉の概念は歴史として築かれていく。
そして、人生の中で言葉の本質はすぐ傍にあり生活と密接している。
生活の中で相手を思いやる言葉が何よりも尊い宝物なのだと感じた作品でした。
 


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