~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『プティ・カンカン』P’tit Quinquin ※ネタバレ有

2015-02-07 00:44:56 | 映画【フランス】


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二輪

海岸沿いの村に住む少年プティ・カンカン率いる子供達が奇妙な事件を追う様子を描く。
ブリュノ・デュモン監督が撮影場所でオーディションした
一般人をキャスティングして撮ったクライムコメディ作品。

一般人と言っても地元の方達をキャスティングしているので、
演技に関しては素人な人達ではあるんだけど、ぎこちなさはなかった感じ。
ただ、皆表情をあまり変えずにポーカーフェイスなので、
素人臭さが目立たなかっただけかもしれないけどね。
そのポーカーフェイスな中にシュールな滑稽さが
アキ・カウリマスキ映画に近いモノを感じたな。
Wikiによるとデュモンが挙げている好きな監督の中にはカウリマスキは入っていないんだけど、
なぜか私はそんな印象を受けたな。

 ブリュノ・デュモン – Wikipedia

私はデュモン映画は初だったので、
まだデュモンの感性がつかみきれているわけでもないんだけど、
娯楽映画ではないし、哲学や芸術要素も強いけど、
だからといって難解過ぎないのが独特な世界観を醸し出している印象。

そして、子供を子供として撮っていないのも特徴的。
だって、少年と少女が抱きしめあっている姿。

手を重ねあっていたりする仕草や水着とビキニ姿で海辺に座っている姿は列記とした大人の男と女だもの。
体型が子供なだけでね。
そういう子供を精神的な大人の被写体として撮る世界観は
13歳の夏に僕は生まれた』を彷彿させられたりもした。

 『13歳の夏に僕は生まれた』 ※私感+ネタバレ有

牛のお腹からバラバラにされた女性の遺体が・・・の猟奇的な殺人事件は
謎が解明されるわけでもなく、犯人がつかまるわけでもなく、有耶無耶のまま。。。
しかも、最後の最後まで犠牲者が出ているし・・・。
だけど、着地点はありきたりな謎解きではないのでしょうね。
てか、着地点なんてないのがこの作品全てなのでしょうね。
田舎町の摩訶不思議な寓話のようにも感じた作品でした。
 


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