~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

■『殺人の告白』■ ※ネタバレ有

2013-07-04 22:18:00 | 映画【韓国】


  『殺人の告白』:公式サイト

ジャージャー麺

突然、自らの罪の告白本を出版したイ・ドゥソク〔パク・シフ〕と
ドゥソクを執拗に追う刑事チェ・ヒョング〔チョン・ジェヨン〕、
そして、事件によって愛する人を失った残された者達を描く。

ヒョングのお母さんはラストいなかったと思うけど、いったいどうなったんだろう?

ヒョングとお母さんの場面がほのぼのとしていて好きだったの。^^
だって、いつもは張りつめているヒョングが
お母さんの前では少年のように甘えん坊なところがね。^^
ヒョングはどんなに怒っても冷たさは感じない。
酸いも甘いもかき分けて来た荒々しさの中にも人間味のある
ヒョング役のチョン・ジェヨンの演技が良かった。

韓国映画やドラマ見ていると20・30代になっても親と普通に同居していたりする。
儒教精神による家族意識が強いからか、
イイ歳になっても自立しきれていない人も少なからずいる感じ。
(それに、男性は内心マザコンな人もいるみたいだからね。。。)
だから、ヒョングは刑事という職ではあるけど、ごく普通の人のように感じた。
大人になっても親世代には頭が上がらず、
しかも、恋人の母親ハン・ジス〔キム・ヨンエ〕には
ヒョングが刑事という事で交際を反対されていた為に顔を合わせにくく、
夜遅くなっているのに恋人を家まで送っていけなかった・・・。
あと、“整K”をモチーフしているのも、この国だからこそリアリティがあるんですよね。
そういう意味では、韓国らしい韓国映画のような気もした。

ハン・ジスは娘の遺体が見つかっていなかった事もあり、
遺族の中で一番犯人への憎しみを抱えているけど、
口では叫んでいても実際は復讐しない人のような気はしていた。
悲痛なんだけど、弱々しくはない。
赦すわけでもないだろうけど、寸前で留まり心の中で報復しそうな感じ。
複雑な思いを目に浮かべ、構えるような芯のある演技にもジーンとさせられたよ。

パンフレットはドゥソク役のパク・シフの写真だらけだったんだけど、私は初見でした。
彼は切れ長の目が印象的ではあるんだけど、
表情がにやけているだけで、どこが良いのかサッパリわからなかった・・・。
韓流恒例?のプールでのサービスカットも別に要らない気もしたし。。。
(ファンの方、すいません。m(_ _)m )
とは言え、少し日に焼けた厚そうな顔肌にガッシリした体型のチョン・ジェヨンと
色白で柔らかそうな顔肌に細身の体型のパク・シフ。

個性の対比としては効果的だったと思う。

繰り広げられるカーアクションが凄かった。
往年の日本映画『太陽を盗んだ男』みたいな破天荒?なノリだったな~。

最初から最後まで伏線を張り巡らせながらも緊張感が途切れる事なく、
たたみかけるテンポで勢い良く描ききっている。
二転三転する物語の発想も凄かった作品でした。


P.S.
パンフレットで監督の顔を拝見しましたが、
見た目20代ぐらいの青年でした。
劇映画は初だったそうです。
韓国映画は新人監督でもベテランの演技派を主役に起用できている。
新しい才能へ投資し、育成していくシステムが整っているのでしょうね。


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