3月27日(火) JST22時

2007-03-31 23:23:24 | Weblog
位置:北緯6度53分 東経116度51分
クダット・ペヌワサマリーナ

午後3時にクダットに着きましたが、港を間違えてクダット港に入ってしまい、一時間あとに
目的地・ペヌワサマリーナに到着しました。
スル海の無風に3日間悩まされましたが、最後の日は南東のポートアビームに恵まれて
良い走りでクダットに到着しました。
これで今回第3レグのほとんどの航海が終わり、あとは100マイルのクダットーコタキナバル間の
付録のセイリングを残すだけと成りました。 当地クダットで陸揚げをする結果ではコタキナバル行を
次のチャンスにする可能性があります。
今回の第3レグは大変スムーズに完走して、ギャラリーの皆様にはつまらない航海記となってしまいましたが、
何のトラブルも無くて、当人は大変満足の行く、自信作の航海でした。 BJも何の故障もなく、きっと
楽な航海で疲れもなく、よろこんでいると思います。

到着が4時半を過ぎましたので、クリアランスは何もしていません。
あした朝からイミグレーションや税関の検査など、定例の手続きを半日がかりでやる予定です。
このマリーナは外海から中に入ったこじんまりしたマリーナで、先着ヨットが2艇停泊していて、
このマリーナ湾内に相当の高級リゾートホテルと同ゴルフ場、それとペヌワサ船修理工場が並んで
いますので、リゾートのレストランで、航海完成祝賀のビールを飲んだところです。
明日の入国管理が終わると太田君はバスに乗ってコタキナバルへ向い、マニラ経由で日本に帰る
予定です。
私はしばらく残ってBJの陸揚げ手当てや修理をやってから、もう一航海してコタキナバルのステラマリーナ
に行くことになることになる公算が大です。 その場合は誰かクルーを一人頼むつもりです。

無風も含んで、今回はシーズンに恵まれて、快適なセイリングを行うことが出来ました。
グアムーフィリッピンの1200マイルの航海は、圧巻のランニングでした。
スリガオーボンボノンも快適な穏やかな内海の快適なランニングでした。
最後の4日間は初日と最終日以外は無風のスル海で、これもかなかな味なものでした。
初めの航海で、魚のトローリング糸がスクリューに絡まってからは、トローリングに嫌気がさして、
たまに糸を引きましたが、腰が引けてる分、収穫はありませんでした。
大きな鯨が2匹、ボートの横を通り過ぎた他は、イルカも現われませんでした。
夜空は雲が多く、多彩な星たちの競演に感動させられることも少なく、南十字星はぼんやりと
さそり座も迫力なく浮かんでいました。 ギラギラした月もなく、此処アジアはミクロネシアの
海と空には遥かに及ばない、雲の多いくすんだ自然がありました。
その分、フィリッピンとマレーシアの街の生の文化に触れることが出来ました。
ヨットはいつも誰かに助けられて航海をしています。
スリガオでもボンボノンでも、ここクダットでも、何時も人様の好意に助けられて航海を続けています。
新しい港に入るときのモヤイのロープを受け取って貰うそのときから、皆様に支えられます。
航海を続けるだけ、沢山の深い感謝を残して、ヨットの旅を続けます。

今、隣に停泊しているヨットは、ヨーロッパからタイ・プーケット、シンガポール、コタキナバルを経て、
ここクダットに今日到着しました熟年夫婦が乗っています。
違う隣のヨットには、やはり欧州から来た夫婦が停泊しており、バウのモヤイを海岸に取ってくれました。
明日挨拶をすることになります。
ヨット仲間は初めて会っても、旧知のごとく何の惜しみも無く助け合います。
自分たちが沢山のサポートによって旅をしている訳ですから、頼まなくても、加勢が必要なときは
飛び出してきて助けてくれます。 それは我々も一緒で、何かがあれば、親身になって助けます。

明日は旧知のロブ・ローレイがコタキナバルの街から帰ってきます。
この自ら自分のヨットを作り、インスペクターの資格のあるベテランヨット乗りに
10年ぶりに会えるのですが、同時にBJを見てもらって、沢山のサゼッションを受けることになります。
次の航海を続けるために、ロブのプロの眼で、BJを見てもらうのが楽しみです。

3月26日(月) 9:00(JST)

2007-03-28 00:37:51 | Weblog
位置:7°35'N 118°25'E
進路:268°
艇速:3.5kt 機走
天候:晴れ 
風: 北西 3kt
メイン2ポン、 ジブなし
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 無風3日目のスル海です。 順調です。
平均スピード3.3ktを保ちながらバラバク海峡の第1危険域に向かいます。
たいして危険ではないのですが、幅1.5mileの海峡を渡るにあたり
eチャートを信用するかどうかは海域によって違うので目視が必要です。
第2の危険区域はここから15mile先にあり、もっと狭い海峡を進みます。
その後はクダットまで30mileで平坦です。
第1通過はJST7時、第2通過は10時、クダット着はJST16時という計画です。
T95、M95

3月26日(月) JST朝3時

2007-03-26 23:21:24 | Weblog
北緯7度37分 東経118度45分
コース:255度 
風: 北から3ノット
艇速:4.1ノット 機帆走
天候:晴れ

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スル海は無風になったら、徹底して無風です。
北からの微風を受けて機走を続けています。 一日遅らせたので艇速は
極端に落とさざるを得ず、3.3ノット平均で走ってます。
スル海は、プランクトンが多いのか、海の色は余り綺麗ではありません。
又、曇りが多いのですが、晴れていても雲が多いために、星や月は余り冴えていません。
ここはミクロネシアや南太平洋ではなくて、アジアです。
時に夜が曇った場合は、全くの真っ暗闇で、何か霧が出てくるのか視界が悪くなり
漁船の明かりも目視できないことがあります。 レーダーを信用して走ります。
レーダーが無ければ、困ります。

無風のスル海は鏡のごとく静かですから、BJは揺れません。
この2日間揺れないで走っていて、大変なことに気が付きました。
揺れてないと、疲れが数段少なくなります。 ヨットでは何もしてないのですが
疲れるのは、この『ゆれ』であることが分かりました。
とくにこのBJはレース艇の如く早く走りますが、軽い船体なので、波に合わせて
良く揺れます。 グアムースリガオ間は韋駄天の如く走りましたが、良く揺れました。
揺れは慣れて来て、余り体調に影響が無いものと思ってましたが、この揺れは体力消耗の
大きな原因なのかもしれません。 揺れないヨットか、揺れの少ないヨットか、揺れを感じない
機構を作るか、又は、一番簡単な方法ですが、50フィート以上の大きなヨットに乗るのが、
快適なヨットの旅を得る道でしょうか。  

しかし私は、このブラックジャックで旅を続けます。

『BJの独り言』
BJはアメリカ生まれで、ハワイで育ちましたが、今のご主人様に会って、沢山の海を走る経験を得ることが
出来ました。  初めロングの辛さに驚きました。 相当に疲れ、フィジーに着いたころはガックリしたものでしたが、、
手入れ・修理・設備追加・オーバーホウルを繰り返して行くうちに、段々とタフになり、見知らぬ海を走るのが
怖く無くなりました。  新しい初めての海を知ることが楽しくなって来ました。
また、新しい停泊地でアンカリングして廻りを見れば、他のヨットと比べ、百戦練磨によって逞しくなってきた自分
は決して他のヨットと比べて引けを取らない自信が付いて来ました。
ご主人様が嫌だと云わなければ、行きたいところは何処までもトコトンお付き合いする気持です。
しかし、一体何処を目指してるんでしょうね、ご主人様は。  
まさか世界一周なんて大それたことを考えてるんじゃ無いでしょうね。
それならそうと云ってくれりゃ、その気になるんですが。
そんな訳で、大きなヨットを買えないのが大きな理由であるとは一切云えず、BJを大切にして行くのが
渡世の道と云うもので御座いましょう。

3月25日(日) 9:30(JST)

2007-03-25 10:17:28 | Weblog
位置:7°55'N 119°37'E
進路:260°
艇速:4kt 機走
天候:晴れ 
風: 西 微風3kt
メイン2ポン、 ジブなし
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 昨日から無風のスル海で、まるまる1日以上機走しています。
この分だとクダト到着は火曜日になります。
危険区域が2ヶ所あって、ここはどうしても昼間走らなければなりません。
のんびり行きます。
エンジン燃料ホースがごみで詰まって分解掃除に2時間かかりました。
T95、M95

3月24日(土) 9:00(JST)

2007-03-24 09:47:17 | Weblog
位置:8°30'N 121°27'E
進路:260°
艇速:6.0kt 機走
天候:晴れ 
風: 東 そよ風
メイン2ポン、 ジブなし
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 朝5時から風が無くなって、機走をしています。
船はなんの故障も無く快調です。
夜は漁船に6,7艘出会い深い霧のレーダーで船影を
捕らえて注意して走っています。
Tやや風邪気味70、M95
田園の森社長、お元気ですか。
ニーセンとオヨピンファイルをやや多めに愛用しています。
毎回のサポートありがとうございます。
ここスル海には風が吹いても内海のごとく静かです。
朝のうちに難所の海峡に入り、月曜の午後にクダート到着予定です。

3月21日(水) 9:30(JST)

2007-03-21 12:17:44 | Weblog
位置:9°01'N 123°33'E
進路:270°
艇速:6.5kt
天候:曇り 
風: 北 10kt
波: 0.5m、うねり1m
メイン2ポン、 ジブフル
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 ボンボノンまで24mile、極めて順調に帆走してきました。
ややうねりに揺られていますが、きれいな朝日を仰いで走っています。
季節のものでしょうか、この風は非常に安定しています。
今日の夜はボンボノンです。
T100、M100

3月20日(火) 14:00(JST)

2007-03-21 12:17:01 | Weblog
位置:9°47'N 125°18'E
進路:147°
艇速:5.8kt
天候:曇り 
風: 東北東 10kt
波: 0.5m、うねりなし
メイン2ポン、 ジブフル
---------------------------
 JST11時、予定どうり出港しボンボノンに向かっています。
現在、ミンダナオ島スリガオからすでに10mile。
理想的なランニングで爽やかに走っています。
あした午後遅く、目的地に着きたいと願っています。
T90、M90

3月17日(土) 17:00(JST)

2007-03-18 00:05:39 | Weblog
曇りですが風はありません。
明日の朝は8時にレンタカーを返し9時にイミグレが
船まで来て、終わりです。
明日の昼の握り飯の用意まで終わりました。
今日はバウのビルジが動かなくて交換しようとしましたが、
開けてみると電線のつなぎが切れてました。
それを修理してスイッチパネルを新品に交換し終わったら、今
又、中央の室内灯が点きません。  電圧を測るとそこまで
12ボルトが来ていません。 さっきの近所で又断線かもしれません。
そんな調子でエンドレスの修理が続きます。
しかし大したことありません。

3月17日(土) JST朝9時、 スリガオ上陸

2007-03-18 00:01:20 | Weblog
スリガオに到着し、やや荒いアンカリング地に2本アンカーで停泊し、テンダーで上陸、
無事に免疫・イミグレとカスタムを半日掛けて終わりました。
どんな航海でも様々な物語が残るもので、今回は順調でしたがやはり大海を
超えると云う事は大変なパワーが必要でした。
グアムー東京レースと同じだけの距離を韋駄天の如く突っ走った航海でした。

何時もは朝方に島に取り付く作戦ですが、取り付いてから海峡を渡るのに時間が
かかる関係から、今回は初めて未明に取っ付きの島を回りこんで第一海峡を夜明け前に
走りました。   
雨が降る悪天候でしたが、風が落ち、波は無く、静かで鼻を摘まれても判らない
真っ暗な夜を海図を信用して走りましたが、ナビオニクス海図は大変に正しいものでした。
夜が明けてからも、モヤで島影が見えず、シンドバットの航海の映画のような、静かな海が
続きました。  海峡内は海流こそ複雑ですが、大変走りやすくて、このショートカットコースでの
スリガオ入りは大成功でした。  ここはお勧めのコースです。

スリガオはミンダナオの代表的な街だけあって、中々繁盛している雑然とした街で、2輪オートバイの
横と後に荷台を着けた相乗り3輪タクシーが車の半分を占めるくらい走ってます。 このタクシーは、
一区間1人15円くらい。 すべての物価が安く、人々は一様に貧乏で陽気で、皆何故か日本好きです。
しゃっこく小銭を集めるブローカーや遠慮しながら賄賂を取るイミグレ事務所、検疫病院院長など、この
国は陽気で憎めないところがあります。  この島を含めて、住む土地は沢山あります。
貧乏さえ我慢すれば、この国から外にでる必要は無いのですが、何故か世界中に沢山のフィリッピン人が
出稼ぎに出ています。 この国に皆が食べられるだけの仕事が無く、賃金はとても安く、貧乏です。
同じアジアでも、台湾や中国、韓国にない順応で人懐っこく明るいアジアを見ることが出来ます。
「先を走ってる日本の責任は大きい」とヨットに関係の無い感想が云えるのも、余裕の航海だったからでしょう。

スリガオ港に着いてから、30分くらいウロウロしてましたが、適当なアンカリング地点が判らず、やや風と波が
荒い水深30フィートのところにアンカリングして上陸しました。 上陸時にテンダーが波に揺れて水が入ってきて、
何かしっくり来ない初上陸でしたが、通関で大きなスリガオ商港にタクシーで行きましたが、良い港に驚きました。
そして港湾事務所の担当Mr.デビスから、1日170円で静かな波も風も無い桟橋に、横付停泊の許可を
貰いました。   ラッキー!  すべての入国手続きが終わってすぐBJに引き返し、2本の錨を上げて、
暗くならない内に港に横付けしました。   このスリガオ停泊は気持ちの良いものになりそうです。

これからの航海は夢の南太平洋やミクロネシアを廻った日々と違ったものになる予感のする上陸第一目でした。

以上