初夢 3 

2006-02-04 23:33:03 | Weblog
長距離ランナーになろう。

では長距離ランナーの精神的資質と物質的な条件は何か?
具体的な対応は如何するか?
あなたはあの恐ろしい死の大海原をどうしても走りたいのか?
ではその大海原へ小さなヨットで旅に出ましょう。

地球の表面をセイリングする。 長距離を乗る。
島にたどり着き、上陸して島の文化を知る。
ヨットで数千メートルの深く広い海を走り、何回も夜を迎え、
何回もご飯を炊いて星を見て、月を見て、朝日の待ち遠しい
ワッチを終えて、島影を発見する。  
島の入り口を見つけて入り江を入り、さんご礁の隙間を抜けて
停泊地を探す。 
免疫・イミグレーション・税関、時には健康チェックを受けて
上陸を許可される島もあれば、初めから自主的にすべてを
探して歩く島もある。  
英語が良く通じる島もあれば、フランス語だけの島もある。
修理や買い物が終わり、気象情報からタイミングの良い時期を
見計らって、静かに島を出て大海原へ向う。
又、夜が来て、朝が来る退屈な安定した海の旅が始まる。
この万象変化の海の中の単純生活が繰り返す長距離。 
安全で退屈で光り輝く、とても小さな帆船の旅。
地球規模の海図を1日2度づつ進む、早いような遅い旅。 
遅いようで10日間も走ると20度も地球を廻ってしまう乗り物。 
気の遠くなるような距離を風を動力として走る小さな乗り物。
もしエンジンで走ったらこんなに小さな舟に積みきれないほどの
燃料を使う。 
エンジンで20度(1200マイル)を走ったら、5倍の大きさの船に
なるし、2000マイル行ける船は10倍以上の大きさが必要になる。
地球規模の旅の出来る一番小さな乗り物・・・
ヨットのすばらしさはとても遠いところへ行ける乗り物。
小さなヨットが大きな海を走り、大きな波や強い風の中を
揺られながら切り進む旅の壮大さと無謀。
大自然の中で意識しないでも体にしみ込む敬謙な自然への愛しみ。 
月や星たちと自分、すべてが自然の一つである一体感の不思議。 
これらは小さなヨットの命をかけた大冒険が、その代償として呉れる
素敵な煌めく贈り物。
長距離ランナーしか貰えない金メダル。

長距離ランナーは、このヨットウイルスに取り付かれた人が、
どうやれば気持ちよく長距離を征服できるかと考えて、
組み立てる構図です。
西洋と日本は歴史が違いますので、どうしてもこれらのお手本
がないのですが、ヨット先進国にはちゃんとバイブルや教科書、
素敵な案内書や経験者が沢山あります。  
ジミー・コーネルのワールドクルージングハンドブックのような
バイブルは日本の本屋に見当たらないし、やっぱりこれは手作りで
長距離ランナーになる覚悟が良いでしょう。


基本条件:渇望
基本条件で一番大切なものは、ヨットで遠くへ行ってみたい
飽くなき欲望です。 
苦難・困難をなんとも思わず越えてしまう強い希望が必要です。
止めることの出来ないたゆみない、しなやかな意思と希望、願望。
      
基本条件:ヨット
出来れば42ft以上の揺れの少ない船が良い。 50ftが最も良い。
モノハルかカタマランか?  僅かの差でカタマランが良い。
雨・シャワーがオーニングでかぶらない構造の船が良い。
メインセイルのトラベラーがオーニングの設計の
邪魔になる船はどうしても完全な日除け・水除けが出来ない。

必要条件:お金と仕事
多少のお金と時間が自由に自分で決められる仕事が必要。 
中々難しい。
出来なければ仕事引退後にやるしかありません。 
70歳でも大丈夫です。

十分条件:家族
生命保険にしっかり入ることで説得できる日頃の環境作り。
これも難しい。

第1 : 信頼
自分のヨットに信頼を置けるまで乗り込む。 
どんな風、波が来てもこけない自信を自分の船に持つことが必要。  
それなりの技能を身に付け、体験を積む。 
但しハードなセイリングはしない。
初心者に取っては、ナイトセイリングを何とも思わなくなった
自分を当たり前にする。
『この船は沈まない。 こけない。 俺が操船していれば』

第2 : 中身を知る
自分のヨットの整備をとことん自分でやる。 
一番はエンジン。二番に電気系統。
故障したらシメタと思って、自分で直すか専門家と一緒に分解する。 
一緒に走っていて、愛着がもてる船になる。

第3 : 設備
徹底的に楽になる設備をする。 
設備で体力消耗が防げるものがあれば採用する。
最終的にはウオーターメーカーを付けて、清水シャワーが出来る
世界を作る。 
できればモーターウインチをつけて、メインセイルアップも
電動でやる。 
もちろんこのウインチが故障したら自分で分解して修理する
くらいの気構えをもつ。
ウインドラス・冷蔵庫は当たり前と考える。 
テンダーの脱着は時間・力の入らない設備を作る。 
軽いテンダーが良い。 動力はガソリンエンジン。
べットは寝やすいクッションにして、長く座るコクピットには
お尻が痛くならないクッションを用意。  
安楽椅子を置くところを見つけよえう。

第4 : 自宅そのもの
船の中を自宅と思って、涼しく快適な環境を作り、
恋人や家族の写真を飾ろう。
風を循環させる扇風機、読書が安心して出来る照明スタンド。 
棚に工夫をして収納力を高める。
陸に着いたら、なるべく陸電にありついてトランスで十分な
充電電源・100V商電を作れる設備を用意する。  

第5 : 体力
十分な体力と筋力を用意して、長持ちする気力をもつ身体を
日常から心掛ける。
尚且つ体力を使わない船にして、操船に頑張ることが無いように
心掛ける。
余った体力でセイリングを楽しむ。

気概と品格: 
走ってるヨットは優雅で美しい。 
乗ってる人はその優雅さに無関係。 
そんなことの無い様に乗ってる我々も優雅になるように
挑戦しなくてはなりません。
それには余裕が必要です。 
体力気力をセイリングに使わないで、楽しさに使う。

頂 上  : 
頂上に立つ人は、そこからの眺めを語らなくてはなりません。 
ここに来るにはこんな道があり、あんな道もあった。
私はこの道を来たけど、別の道が良いかも知れない。
頂上を見た人は、ビジョンを語らなければならない。 
私たちはこんな人生を作ろう。 
私たちはこんな風に生きがいを見つけよう。
ヨット乗りの我々は長距離ランナーを目指したら、
ヨットの良さを語らなければならない。
こんなヨットの旅をしよう。 ヨットはこうなければならない。
人が判っても判らなくても、私たちはヨットを語らなければ
ならない。

私たちはヨットの良さを自分で分かって、それを文章で表現し、
分かってもらう努力をしなければならないと思います。
変人の趣向と思わないで、自信をもってヨットの良さを分かる
言葉で語らなければなりません。

こうやって、世界の長距離ランナーへ一歩一歩近づくことにします。
私の前にも沢山の人が走り、私の後にもこの道を歩く人が
沢山居ます。
長距離ランナーになって一緒に世界に乗り出しましょう。

この2月の終わりから、ブラックジャックのフィジー島での修理・
改造が始まります。
現役で沢山の仕事をしながら長距離ランナーの夢が叶えられるか?
特に日本の環境でまねごとのサンデーセイリングに飽きたらず、
又は繰り返す日常に飽きたらず、何を求めるかを知らず、
自然に心が大海原に向かうとき、それは叶えられます。 
深く考えずに船出をすれば良いのです。 
船の波の後から、私たちの求めるものが付いて来ます。

Original Web Site : Black Jack Hawaii-Enoshima Cruise
http://www.levelmeter.co.jp/blackjack