平野貞夫(著)
著者は衆議院事務職から政治家となり、自民党→新生党→新進党→自由党→民主党と渡り歩きながらも、一貫として小沢一郎を側で支え続けた人物。55年体制の崩壊から小泉内閣の成立までの舞台裏を、小沢一郎の側近としての視点から語る。現在は政界を引退。
圧巻は細川内閣から羽田内閣を通じての、社会党や新党さきがけの造反劇をつぶさに叙述しているところ。
社会党は単なる「なんでも反対党」でしかなく、決して「政権準備党」ではなかったが為に、ひょんなことから細川内閣を構成する与党となった時にあわてふためき、党内左右の派閥争いから政権離脱に傾いてしまったとのこと。決して小沢の社会党はずしなど無かったという。
さきがけは猟官主義者の党首武村正義と細川首相との仲違いから連立離脱を決意し、自民党と社会党を結合する接着剤としての役割を成したのであり、非自民党政権による改革などといった理想など持ち合わせていなかったようである。