また、ベテラン騎手が、静かに鞭を置きました。
関東所属の唯一現役ダービージョッキー(ダービー過去2回騎乗で連対率100%)でもありました大西直宏騎手が、今日の開催を持って、引退されました。今後は広く後進の指導にあたる予定とのことです。
大ファンの騎手の引退。正直悲しいです。
競馬というものを初めて見たのが、サニーブライアンで逃げ切った日本ダービーでした。ゴール後、2度3度とガッツポーズを上げる姿が、今でも記憶によく残っています。とてもかっこよく見えました。一目ぼれですな。
縁故関係が強い競馬界の中で、なんら繋がりのなかった大西騎手。また、おとなしく寡黙な性格ゆえ、調教師等と密接な関係を作っていきながら、良い乗り馬をまわしてもらうといった「処世術」も上手くできず、勝ち星に伸び悩んでいました。
フリーになってからは地方開催での騎乗ばかりで、イマイチ勝ち星も延びずにいました。一時は、引退して調教師を考えたそうです。
そんなときに、サニースワローの甥にあたるサニーブライアンた出会ったわけです。皐月賞は大外18番。その後のNHKマイルCの枠順抽選で18番が出るよといったら18番が出た。そしてダービーの枠順抽選でも18番が出ると思い自分で抽選を引いたら18番が出たそうで、負ける気がしなかったそうです。その結果、ダービーも見事逃げ切り。大西騎手はこの日を境に一躍脚光を浴びることとなります。
引退式でも、「サニーブライアンと出会ったおかげで、騎手生活が10年延びました」とも言ってましたね。
その後は、コンスタントに勝ち星を上げていきますが、なかなか重賞勝ちに恵まれませんでした。ようやくダービー勝利の3年後2000年に、ルネッサンス@ラジオたんぱ賞で重賞勝ちを果たし、2001年で1勝、2002年で1勝、2003年で2勝の重賞勝ちを果たしました。そして2004年。カルストンライトオ@スプリンターズSで、またしても逃げ馬で、3度目のG1勝利を挙げました。この年はスプリンターズSを含め4勝の重賞勝ちを納めました。
通算成績は6,615戦521勝 2着483回。あまり目立ちはしませんでしたが、コンスタントに勝ち星を挙げてきたところは、素晴らしいと思うし、本当、立派な成績だと思います。
願わくば、もう一度日本ダービーに出走してもらって、もう一度連対してもらって、ダービー連対率100%の記録を伸ばして欲しかったな
本当に、お疲れ様でした。