TRPG関係の備覚録

TPPGプレイ日記

特典映像と恐怖

2010年12月23日 | 日記
 前々回紹介した「クトゥルフ・ホラーショウ」が発売延期で来年になりました。今年、終わったな。
代わりと言っちゃなんですが、「霊障都市捜査ファイル」に心惹かれるものが。殺人犯が怪異化する前に捕まえろ、
というのが良い塩梅です。怪異は一風変わった妨害者程度で、本筋は2時間サスペンス、良いですよね。


 クトゥルフで私がやりたいのは、断崖絶壁に犯人を追いつめ必死の説得。突然海よりダゴンがウェイクアップ。
即、飛んできたミサイルで轟沈。PC達はこの光景が見えているが、犯人は背を向けているため見えてない。なので
SANチェックはPCのみ。全員一時的狂気などで気が逸れると説得失敗。犯人は飛び降りバットエンド。みたいなの。
怪異の扱いはお邪魔キャラくらいが丁度良い。何で出てきた?と聞かれても、怪異だからで説明出来るのが素敵。


 という事で、「霊障都市捜査ファイル」はお手軽に2時間サスペンス+怪異が出来そうなので買うかどうか逡巡中。
買わない要因は置く場所が無いから。本棚整理したのに全然空いてない。溜まったロール&ロールを何とかしないと。
後、方向性が被ったシステムが多いから。ホラーならクトゥフルあるし、サスペンスならサタスペでやれるし。
ていうか微妙にホラーじゃなさそうなシステムです。興味があるが悩む所。私向きなのは間違いなさそう。


 しかし純粋ホラーって難しいですよね。私がハリウッド式ドッキリ吃驚ホラーに慣れ過ぎたせいかもしれませんが。
ネタにした為色々考えましたが、大体コメディホラーに。純粋ホラーの蓄積がほぼない。お化け屋敷の実体験を思い
出しましたが酷い物が。遡るは2年ほど。東京に遊びに行った時、友人のリクエストで評判のお化け屋敷に。


 そこは懐中電灯を持って狭く暗い場所を行く、という形式のお化け屋敷。男三人と、完全に浮いた編成で挑む我々。
隊列は、希望した友人、私、我らがrobert氏。この配置がそもそもの間違いであった。先頭の友人は懐中電灯装備で、
演出に遭遇するたび恐怖で喜びの声を発してご満悦。2番手の私はまずその友人の奇声で驚き、演出を見るころには
懐中電灯の光もずれて、ぱっとしない。さらに追い打ちをかけるはrobert氏。彼はここを既に体験済みであったのだ。


 特に新鮮味のないrobert氏は「ああ、こんなんだったなぁ」とか「ここは○○だった筈」とか淡々と冷静にコメント。
まるでホラー映画見てるのに、ワイプでNHKニュースやっているがごとく。これで怖がれ、というのが無茶な話。
そんな散々な体験ばかりしているので、ホラーには疎いのです。ぶち壊し方なら色々学んだ気もします。


 このオーディオコメンタリー形式は使えそうですね。色々と台無しに出来そうで。シナリオ作成者によるコメントとか。
例えば、アリアンロッドで新人用ダンジョン試験シナリオ等でイケますね。シナリオ中、ダンジョン作成監督が付いてきて
コメントしてくれる訳です。「まさかこんな罠に引っ掛かるとはw」「こんなモンスターにこれほど苦戦するのかw」等々
むかつく感じの奴を。その度にPC達は精神で判定をしていきます。その積み重ねがシナリオ最後の判定に影響。


 無論最後の判定はぶち切れチェック。全員成功すれば、シナリオクリアで普通に終了。しかし一人でも失敗したら、
偶然そこにあった花瓶や灰皿でついつい一撃かましてしまいます。すると当たり所が良くて死んじゃうんだわ監督。
思わずやってしまった犯罪。シナリオ失敗……にはならず第2話に続きます。ここでまさかのキャンペーン派生。


 多少賢い人なら、探索中の事故、という事で届出し何とか済まそうとするかもしれません。しかしこれでは依頼人
一人守りきれない駄目ギルドとして評判は失墜、仕事にあぶれて犯罪者街道一直線です。ではどうするか。
監督に恨みを持った何者かに殺された事にする。つまりはスケープゴートを立てるのです。


 これなら守れなかったという汚点を、依頼外の不測の事態、さらに下手人を自ら捕まえた事でかなり払拭できるはず。
という事で、監督は創作意欲が湧いたのでダンジョンに籠もっていると、製作委員会に報告し時間を稼ぎ、その間に
情報収集で監督に恨みをもつ者をリストアップしていきます。そして一番大事なのは神殿に話を通す事。


 神殿という強力な後ろ盾に話を付けるのは必須とも言えます。リストアップした生贄の中に、神殿にとって消えてもらう
と都合のよい者がいればしめたもの。交換条件で上手く後処理してもらえるようかけあいましょう。これがアリアンロッド
を選んだ理由です。こんな役割が出来る巨大組織は神殿以外あまり無いですからね。


 神殿は、犯罪者予備軍を審査し、マシな方を冒険者に、どうしようもない方をワザと落とし、追い詰め犯罪に走らせ、
それを冒険者に解決させ上前をはねる、という自作自演な素晴らしくドス黒い組織ですよね。エリンディルマジパネェ。
こんな偏見を持つようになったのは何故でしょうか。多分どこぞのGMがやったセッションの影響かと。ヤクザですか。


 話を戻して。生贄を上手く嵌めて、完全犯罪が成立した所でシナリオ終了。かと思いきやマスターシーンが。
古畑任三郎っぽい人がスポットライトに照らされ出てきて、解説。「しかし彼等は一つの失敗を犯しました。それは
……古畑忍三郎でした」といった感じにフェードアウト。つまり解決編として第3話まで続きます。


 解決編ですから真実が白日の下に晒されねばなりません。つまり前回までのPC達はボス。PCは新キャラです。
ショートとはいえキャンペーン最終話が新キャラ。画期的ですよね。スケープゴートの肉親から依頼された新PC達が
旧PC達を追いつめていくシナリオ。PvPだからGMも楽チンです。推理?まあ適当な後付けで。


 最終的には、こんな歪んだシステムの根幹をなすのは神殿だ!打倒神殿キャンペーンに派生するかもしれません。
またこのオチで恐縮ですが、ホラーは何処に消えた?圧倒的な組織の力というのも恐怖と言えば恐怖ですが。
そういうのはごく一部にしか受けないと思います。純粋ホラー力を得るにはどうしたものか。


サタスペ怖い

2010年12月07日 | サタスペ
 「サタスペ・ホラーリプレイ 叫びの家」が大好評(?)発売中です。皆さん買いましょう、寄付として。
という事でやはりホラーが来ているようです。リプレイ中でも言及されていますが、サタスペは思いがけずホラー向き。
PCは肉体的にも精神的にもろめだし、モンスターにゾンビや幽霊自動車や地獄の兵卒やキラートマトとかいますし。
旧版では地獄の館とか二重存在と怪電波とか僵尸とかもっと豊富にいたんですが。リストラされたようで。


 サプリのデッドマン・ウォーキングを入れればまさにホラー。まあデッドマン・ウォーキング単体でプレイできる仕様
なんで単体でやった方がシリアス多分でホラーらしくなるでしょう。けどサタスペの馬鹿馬鹿しさがどうしても欲しい。
ならどうするか。半分で分けよう。という事でPCが6人くらいいれば、人間側3とデッドマン3で肝試し勝負と洒落込もう。
人間側は言葉通りの肝試しですが、デッドマン側は「試してみたら案外美味しい。ご飯に合う」という意味の肝試しかと。


 肝試しと言えば、お化け屋敷。という事でどちらが素敵なお化け屋敷を作れるかが第一勝負。情報収集でより高い
セキュリティレベルでトンデモ、宗教、等のタグを見つけた方が勝利。どんなお化け屋敷になるかは繋げたタグの内容
によって演出してもらいます。ワビサビとかなら演出しやすそうだが、カワイイとか育成とか出てたら大変そう。
壁一面に口元が赤く濡れてるぬいぐるみが飾られていたり、中身が見えないベビーカーとかそういう方向なのだろうか。


 君達はオオサカでちょっとは名の知れた亜侠チームであった。チームの半分が死に至るまでは。
単純なミスか、運のツキか、はては裏切りか。理由はどうあれ失ったモノはもう戻ってこない。その筈であった。
だが奴等は還ってきた。取り戻す事は出来なくても、壊す事は出来る。生者と死者、残るのはどちらか。


 という感じの導入にして、デッドマンは普通じゃ殺せない、奴らが墜ちた地獄に似た場所で殺れば、リンクしてまた
地獄に送り還す事が出来る、という設定にすれば人間側がお化け屋敷を作る理由が出来る。デッドマン側は、情報
収集で勝ったら「俺達が墜ちた地獄はこんな生温いものじゃなかった」とか言って、怨念で塗りつぶし作り変えます。
こうすれば設定が徹頭徹尾まともなデッドマン側がお化け屋敷を作る、というのに違和感が無い筈。


 しかしあれですね、デッドマン側はどうやってもシリアスで格好良い感じになりますよね。卑怯です。
どうしても追われる側の人間は不利です。真面目にやるか、諦めてシチュエーション的にロールプレイが楽な情けない
感じで行くか。まあ私がやりたいのは人間側のほうですね。超情けない台詞言いたい。そして死にたい。


 デッドマンは情報収集ルール無いのを忘れてました。なので人間側が叩きだしたセキリティレベルを基準に
何かの判定をしてもらいますか。情報ハプニングで右往左往したりもしないとは、デッドマンは汚いな。
ちゃんと鼻もげたりしろ、と言いたい所ですが、普通に首がもげる奴とかいそうでインパクトが薄いかと。


 話戻して。という事で人間側は適当な放置された心霊スポットの建物を大改造!劇的ビフォーアフター。
なんということでしょう。元々辛気臭かった廃屋が、匠の手によって陰惨極まる醜悪な建物に。
出来た疑似地獄お化け屋敷にデッドマン側を誘いこむのが第二勝負。使うはケチャップルールです。


 という事で追う側追われる側のデッドヒート。その過程で出来るだけ相手のリソースを削りましょう。
ハンターズムーン的なノリで行きましょう。ガンガン場所を変えたり、道中戯れに一般人を巻き込んだり。
先にバイバイ、というかゴールした方が勝ち。負けた方はペナルティで精神か肉体を削りましょう。デッドマンは執念を。


 第三勝負はもちろん戦闘。ガチンコPvPです。第一勝負で勝った方は、マップにオブジェクトを自由に配置できます。
自分達が作ったお化け屋敷に相応しいオブジェクトを設置しまくりましょう。まあ爆発物だらけになりそうですが。
PvPですからGMは楽チン。たまに肝試しに来た一般人や、邪気に誘われた怪物などでも放り込んで遊びましょう。


 基本的なシナリオ案を出してみました。カンの良い人ならもう気付いていると思いますが、ホラーは何処に消えた?
これじゃ普通のシナリオです。怖がる所が一切ない。頑張ってもオープニングまで。これではコンセプトに反します。
では次の案。ホラーとはすなわち恐怖。日常のちょっとした乖離が徐々に恐怖に繋がるはずです。


 車をパクろうとしていたら偶然警官が登場。臭い飯表行きと思いきや、何故か行動を褒めてくれ、札束まで貰える。
……いやこれは怖いっちゃ怖いですが、また別の意味での怖さですかね。オオサカ中のチンピラが一夜にして爽やか
好青年になっていたら、ゾンビになったりするよりおっかないですが、ホラーじゃないですよね。狂気?


 まあ試しに基本的なシナリオで演出を乖離させてみましょう。「暇だから銀行強盗でもするか」でお馴染みなシナリオ、
BankRushを使用してみます。知人から持ちかけられた銀行強盗計画。特にやることも無いPC達は軽い気持ちで
その計画に乗っかるのであった。慣れたはずの銀行強盗、しかしいつもとどこか違っていた。


 常套手段として閉店直前の夕方に実行。やたらどぎつい夕焼けが目にしみる。目的の銀行に到着。ふと上を見ると
大量の鴉がじっとこちらを見ている。自動ドアが軋みを上げて開く。「いらっしゃいませ」の合唱。しかし銀行員の口元が
動いていなかったような。閉店直前の割にはそこそこの客入り。だが店は静か。無機質な機械の音だけが響く。


 店内を見回し確認。客が死んだ知り合いに似ている気がする。まず警備員から制圧開始。店内に響く悲鳴、悲鳴、
子供の悲鳴。子供はいないはず。いつになくスムーズに制圧完了。人質とした客、行員が笑っているような気がする。
店長を脅し金庫室へ。地下へ続く階段。地下があるという情報は無かった。急で狭い階段。明かりがある割には暗い。


 鍵の掛かっていない金庫。湿った札束。札だけの筈なのにずっしり重いトランク。戻りはエレベーター。一人分余裕が
あるはずなのに鳴り響く重量オーバーブザー。警察が来る事も無く銀行を出る事に成功。入口には墜落したのか鴉が
一羽死んでいる。車に乗り込むもまたもや一人分の重量が。そしてアイテム枠を圧迫する謎の空欄が。


 違和感があったものの銀行強盗は無事成功。打ち上げをして解散。翌日、話を持ちかけてきた知人が急死した事を
知るPC達。知らせを聞いた途端その知人からメールが。そのメールを開けると……真のシナリオの開始である。


 弱点としてオープニングがやたら長い。簡略化するとはいえ普通のシナリオ一本分ですからねぇ。
しかし最初は普通にBankRushをやると告知しておいて、始まったら徐々におかしい描写を増やしていき、実はホラー
だったという流れに持っていけば意表を付けて良いかと思います。ここで言ってしまったらもう意味無いでしょうが。


 この方式ですと、サスペンスホラーに含まれるのでしょうか。中々純粋ホラーというのは難しいものですね。
まあサタスペですし判りやすく、稲川焼淳二先生の「本当に(聞くと話と同じ目に)会う怖い話」を偶然聞いてしまった
PC達が恐怖体験に立ち向かう、というのは如何か。問題は稲川淳二さんの物真似でしょうか。難易度高すぎ。


 ていうか、あのしゃべりが出来ればどんなシナリオもホラーになるのでは。簡単なんだか難しいんだか。