《北京で蝶々が羽ばたくと、ニューヨークシティで嵐が起きる》
という仮説を聞いたり、見たりしたことはありませんか?
『バタフライ効果』と呼称される仮説です。
最初はほんの小さな動きだったものが、徐々に大きな波紋を生んでいき、最後は大きな効果となって現れる、っていうようなことを謳ったものです。
カオス理論の有名な考え方であり、科学的な要素の強い映画や小説なんかで、たまに出てくる表現なので、見聞きしたことがある人は、幾らかはいらっしゃると思います。
《風が吹けば、桶屋が儲ける》ってのは、流石に聞いたことが多いでしょう。
『バタフライ効果』とは、この《風が吹けば、桶屋が儲ける》なんですな。
『バタフライ効果』とは、つまり、巡り巡って、意外なところに影響が出てくるってことです。
今季、アルビレックス新潟は「少数精鋭」体制を取っています。
これについては、開幕前から不安の声が各所で上がったのはご承知の通り。
果たして、大丈夫なのか、この人数で?という風に。
マルシオと松尾が加わったものの、シーズン途中には、デビ純と慎吾が抜けて、結局、数的にはプラスマイナスゼロ状態。
天皇杯も含めて、まだ今シーズンは終わってない段階で結論付けられませんが、アルビサポの方々は、この「少数精鋭」をどう評価していますでしょうか?
吾輩は〝戦略的に〟見て、失敗だったかなあと感じています。
「失敗」という表現は適当でないかな。
少なくとも、「少数精鋭」というのは、来季以降は行うべきものじゃない、そう考えます。
さてさて、今シーズン開幕前、選手数が少ないことについて、鈴木監督に質問が多数ぶつけられました。
その度、鈴木監督は、“トレーニングや練習試合、サテライトリーグなどで人数が足りないときは、ユースの選手や、JAPANサッカーカレッジなどの選手を呼んで対処する”
“ユースの選手らも、トップチームと共に訓練を積めるので、彼らの為にもなる”みたいな事を語っていたと記憶しています。
吾輩もこれを聞いて、なるほど、ユースやJSCの選手達も、プロに混じって練習出来る機会が増えるわけだから、却って良いのか!と同意したんだけど―――
だけどねえ~
トップチームの「少数精鋭」体制が、まさか、こんな形で、アルビのユースチームに影響を与えてしまうとは
まさに『バタフライ効果』
今日、東京都江東区の東京ガス深川グラウンドで、FC東京U-18アルビレックス新潟ユースの試合が行われました。
サハラカップのグループリーグの一戦で、吾輩、観戦してきましたよ
結果は「1-5」の大敗、完敗
ボール支配率は、吾輩の主観では、東京が65%、新潟が35%といったところ。
目立つのは、東京の選手達ばかりで、新潟で辛うじて及第点だったのは、千葉翔君と高徳君、礼王君くらい
とにかく、ダメダメな内容で、高円宮杯で観たときよりも酷かったですな
あれの第1戦も、かなり悪くて、全日本クラブユース選手権でベスト8に残ったチームとは、とても思えなかったけど、今日はあれ以上に悪かったですわ
そんな試合ではありましたが、アルビユースにも、同情すべき点があったんですよね。
それは大野君と彩翔君、この2人がいなかったから
来季、晴れてJリーガーになる逸材が!、チームの主軸が!メンバーに名を連ねていなかったのです
ベンチにも入ってません
じゃあ、どこに居たかと言えば―埼玉県川越市
そう!サテライトリーグの試合に〝借り出されていた〟って次第。
仮に、大野君らがサテライトじゃなく、サハラカップに出ていたら――ついつい、そんなことを考えてしまいます。
もちろん、加わっていたからといって、100%勝てたとは言いません。
だがしかし、内容的にはもっとマシなものになったいただろうし、「1-5」のスコアになることは無かったのではないか!
知っている人も多いでしょうが、実は、今日みたいな例は、初めてのことじゃありません。
サテライトとサハラカップの日程がかぶり、彩翔君らがサテライトを優先したのは、3回目
高円宮杯の試合があった9月に話を遡ります。
そのとき、ユースの選手達の親御さんらと、いろいろと話をさせてもらいました。
その際、吾輩は或る疑問をぶつけました。
“この前のサハラカップ、どうして川崎に負けたんです?内容が悪かったんですか?”という疑問をね。
9月2日のサハラカップで、川崎ユースに敗れてたんですね。
それで気になって尋ねたら、返って来たのは“彩翔と大野が欠場していたのが響いている”というもの。
大野君は、日本代表に招集されていて欠場、彩翔君はサテライトに〝召集〟されて、飛車角抜き状態だったんですな。
せめて、彩翔君がいたら―という声を聞きました、はい。
そして10月13日のサハラカップ・山形戦。
これにも、件の2人はメンバー入りしていませんでした。
理由は、翌14日のサテライトリーグ大宮戦出場を控えていたから。
一応、勝つには勝ったけど、しょっぱい内容だったとか。
その理由の多くは、例の2人が不在だったからなんだろうな。
そんでもって、今日ですよ!
もしもトップチームの人数がそれなりに揃っていたら、大野君らはサハラカップに参加していた可能性が強い!
そうしたら、アルビユースが勝っていたかもしれない!
まあ、あくまで仮定の話だけど…
でもねえ~新潟ユースが現在のところ、サハラカップのリーグ戦で1勝3敗という結果なのは、そのせいじゃないかと思えて仕方がないんですわ
必然、憎くなるのは、アルビトップチームの「少数精鋭」体制
ヨーロッパや南米では、実力が抜きん出ているサッカー少年は、1つ上のカテゴリーに引き上げれるのが普通です。
たとえば、15歳の少年がいたとします。
普通はU-15で育てられるんだけど、とてつもない才能を有していると判断されれば、上のU-17とか、U-18にランクアップされるんですな
だっけ、メッシなどは、今年のU-20ワールドカップに出場できる資格があったのに、それを〝捨てて〟、コパ・アメリカに参加してんですよね。
で、アルゼンチン国民も、それが当たり前の事だと受け容れています。
翻って日本では、能力が高くても、飛び級させることは稀
ガンバ大阪ジュニアユースの宇佐美君など、U-16日本代表じゃなく、U-18日本代表に組み込んでも遜色ない逸材なのに、U-16のメンバーとして招集されています。
欧州・南米に倣えば、大野君と彩翔君がサハラカップではなく、サテライトで試合をさせることの方が、理に適っています。
来季Jリーガーになるんだから、サテライトでJリーガーに揉まれる事は、長い目で見たら、良いことではあります。
けどね~~~~~~
サハラカップは、アルビユースに所属する高校3年生にとって最後の公式大会。
3年間育ったアルビユースとしては、締め括りの大会なんですよ。
古寺君や千葉君ら同級生、磯本君ら下級生と共に戦える、残り少ないガチンコ勝負なわけです
浪花節で恐縮だけど、大野君と彩翔君、彼らにはサハラカップ全試合に帯同してもらいたかった
幸い、今後、サテライトとサハラカップの日程が重なることはない!
まあ、尤も大野君は、U-18代表として拘束されるんで、サハラカップ出場は不可能になっちまったんだけどさ
それとは別に、純粋にサハラカップにはベストメンバーで臨み、本大会出場に向けた万全の体勢を取って欲しかったよ。
そりゃ、攻守の主軸の2人がいる=サハラカップ本大会出場決定、ということにならない。
敗退の可能性はあるわけだ。
けど、2人がいることで、出場への道は大きく開けてくるよね。
本大会に行くことで、そこでしか味わえない経験も出来るわけだから、球団側にはそういう配慮を取って欲しかったよ。
その時感じたことを。。。
最近U-20くらいのチームに出ている選手達を「うちの子」たちと呼び,親のような気持ちで応援するサポが増えましたが,ユースの試合に出ている選手の親御さんたちは「リアル・うちの子」なんですよね。小学生の子どもがいる私の周りもそうですが,自分の子どもの試合で負けて良いと思っている親なんか1人もいません。親にしてみれば,Jクラブのユースだろうと,何だろうと関係ないんです。確かにユースの選手はプロを目指す子の集まりであり,トップチームあっての彼らなのかもしれませんが,高校選手権という晴れの舞台を蹴ってまでユースに所属している訳で,彼らだって負けて良い試合なんか1試合だってありません。
練習試合ならまだしも,「サテライト>ユースの公式戦」の図式は,10代後半の貴重な3年間をアルビに預けているユースの親御さんにしてみたら,「それがユースだから…」では片付けられない気持ちだと思います。
トップチームが少数精鋭でやるのは結構。でもユースで日本一にもなっていないのに,ユースの選手をトップの「穴埋め」に使うのはいかがなものなのよ?ユースにはユースの勝負があるんじゃね?ってことを考えても良いのでは?と思いました。
でもユースの試合とサテの試合が被った時に「サテ>ユース」にするのはナシだと思います
あれ?ユースと書いたつもりが、ジュニアユースになっている!?
8月の全国クラ選の決勝戦も、3分の1くらいは、宇佐美君目当てで観戦しに行ったほどなのに!
まだ中坊だから、無意識にジュニアユースって書いちまったのかも。
ご指摘ありがとざんす。
トップチームの選手数が豊富であろうとなかろうと、そこに能力の高いユースの子たちが混じって練習したり、試合に出たりするのは、問題ないと思っています。
でもですね、仰るとおり、ユースの公式戦と重なってしまった場合は、ユースの方を優先して欲しいですよ。
それに一昨日のサテライトのベンチメンバーを見たら、JSCの選手らしき人たちが帯同しています。
そのくせ、出場無し。
だったら、彼らに出番を与えて、彩翔君らを深川に行かせて欲しかったですよ。
>ユースの選手の親御さんたちと一緒に応援してきました。
>自分の子どもの試合で負けて良いと思っている親なんか1人もいません。
一昨日の東京ガス深川グラウンドにも、FC東京U-18とアルビユースの選手達の親族や友人達が大勢、観戦に訪れていました。
みんな、ゴールが決まれば歓声を上げて拍手を送り、反対に点を許すと溜息を漏らします。
当然の事ながら、FC東京サイドは5回も沸き、新潟サイドは5回もガックリしてしまいました。
私の近くに某選手のお母様がいましたが、凄い残念そうな顔をして、大野君らの不在を軽く愚痴ってましたよ。
来年Jリーガーになる選手を少しでも早くプロの水に慣れさせるという配慮もあったと思いますが、実質的には「穴埋め」として借り出されたと言っていいです。
しかし、サテライトはいくら勝ったとしても、賞金が出るわけでも、全国大会があるわけでもない、言わば鍛錬を積むだけの場です。
だったら、ユースの選手にはユースの公式大会に出させてあげるのが本筋だし、同世代と戦える真剣勝負を味あわせてやりたいです。
>高校選手権という晴れの舞台を蹴ってまでユースに所属している訳で,彼らだって負けて良い試合なんか1試合だってありません。
サハラカップは、高円宮杯と全国クラ選と並ぶ、ユース3大カップ戦なんですから、可能な限りベストの状態で試合に臨ませるのが、クラブ側の義務だと思います。
結果、敢え無く敗退するかもしれませんが、少しでも勝利に近づける算段を整えてやるのも、大人の責任だと考えます。
ユースの子達も全員がプロになれるわけではありません。
なれない方が圧倒的です。
でも3年間、必死になってサッカーに取り組んでいるわけです。
そういう子供たちの集大成を飾る上で、やはり、今回の「飛車角」落ちは、残念でなりませんね。
しかし、逆にユースの試合に出た選手たち(将来も決まっていないであろう若者)はそれで負けを喫してしまう。青春が終わってしまう。
実力の世界においてはある意味仕方の無いことなのかもしれません。
負けたユースの子がかわいそうというのは生ぬるいのかもしれません。
ですが、複雑ですね…
要は、二つのチームを掛け持つというのはやはり極力控えたほうがいいと思います。特に若手選手は。
上げるんであれば柿谷君みたいに契約を結んでトップにきちんと上げるべきだし、上げないのであれば所属チームを優先させるべきでしょうね。
セミプロJSCから引き上げることが優先でしょう。
理で言えば、大野君らはサテライトリーグで揉ませて然るべきです。
しかし、情で言えば、サハラカップで戦わせたい
――難しい問題です。
>上げるんであれば柿谷君みたいに契約を結んで
そう!これだったら納得いくんですよ。
「少数精鋭」体制が招いた故の中途半端さが、どうにもしっくり来ません