
先日、猿島に行ってみた。
その時のことを、もっと早く書きたたかったのだが、写真整理に手間取り、ちょっと投稿が遅れてしまった。
猿島は横須賀の海に浮かぶ、東京湾内では最大の無人島らしい。
横須賀の港から、2キロ未満くらいしか離れておらず、アクセスは船で10分くらい。
なので、無人島とは言いながらも、身近な無人島だ。
島の周囲は1.6キロ。標高は最高39.3メートルたらず。小さな島だ。
ここは、東京湾の防衛拠点であり、幕末の頃には国内初の台場が築造され、その後も東京湾要塞として捉えられていた。
そのせいか、島内には軍事施設の跡が今も残っている。
京急で横須賀中央駅で降り、そこから歩いて三笠桟橋へ。歩いて15分くらいか。
だいたいの位置関係を把握しておけば、駅から桟橋まで道に迷うことはないだろう。
いざとなったら、とりあえず海に出て、海と並行して歩いていけば桟橋には出れるだろう。
↑ 三笠桟橋、入口。御覧の通りの賑わい。
桟橋に着いたら、ちょうど船が出るところだったので、私はチケットを買ってそそくさと船に乗り込んだ。
船の進行方向の先に、すでに猿島は見えている。
ほんと、港からはすぐだ。
↑ 向こうに浮かんでいるのが猿島。御覧の通りの近さ。桟橋近くの「みかさ」から見下ろしたアングル。
船に乗る機会は、私は普段あまりないので、けっこう新鮮。横須賀の町を少しずつ遠ざかるにつれ、猿島は徐々に近づいてきた。
↑ 猿島がグングン近づいてきた。
↑ 猿島の岩肌が見えてきた。
船に乗ってる時間はわずか。もっと海風に浸っていたいのに、すぐに猿島には着いてしまった。
なんか、あっけないくらい。
見れば、猿島の桟橋近くには小さな浜辺があり、かなり賑わっている。
無人島とは言いながら、整備されているようだし、観光客も多いので、あまり無人島という感じはしない。
↑ 御覧の通りの賑わいぶり。とても無人島とは思えない。
↑ 私の乗って来た船。
↑ この写真にはあまり写っていないが、来訪者はカップルが多かった。
浜辺にたむろしているたくさんの観光客たちは何をやっているのだろう・・と思ってよく見てみると、BBQをやってる人が多かった。
↑ ちなみに、BBQ用具は一式を貸し出してもらえる。
今船がやってきた方向をみると、横須賀の町が対岸につらなっている。
高いビルも見えている。
ほんと、横須賀の町から目と鼻のさきにある島って感じだ。
だが、案外海はきれいで、透き通っていた。このへん、意外だった。
もっと汚れていると思ったから。
↑ 海水は透き通っていた。
喫煙所近くには発電所があった。
↑ 発電所と、その案内看板。
さて、早速島内散策へ。
まずは売店があるエリアを後にし、散策路へ。
↑ まずは、この看板を観てから、島内散策へ。
で、散策路を歩き、ほどなくして分岐を見つけると、とりあえず高台の方に続く階段を昇ってみた。
ちょっと昇っていくと、見晴らしの良い場所が。
右を見ると、海を挟んだ対岸に横須賀の町が。こうしてみると、開けた横須賀の町の近さを実感。
対岸に開けた町があるというのに、町のすぐ近くの海に浮かぶこの猿島は別世界という感じだ。
↑ この日の海は穏やかであった。
↑ 開けた街、横須賀のすぐ沖合に、こんな世界が浮かんでいる。なんか、ちょっと不思議だ。昔は要塞だった島だが、今では観光名所に。
島の案内看板は、マメに点在している感じ。
↑ 猿島の見取り図の看板。
更に散策路を進む。
↑ ちょっとした自然公園のようでもあり。
ルートを歩いていると、開けた場所にも出た。
ちょっとした広場みたいになっており、展望ポイントでもあるようだ。
そこにはもう使われていない建物が。
よく見ると、女性のグラビア撮影でもやっているかのような来訪者も。
↑ 真ん中やや左の男性は、廃墟建物の窓(?)に腰かけた女性の写真を撮っていた。
廃墟の窓に腰かけた女性は、カメラに向かってポーズをとっていた。もしかして、グラビア写真でも撮っていたのかな?
↑ 見晴らしが良い。
↑ 海には何艘もの船が浮かんでいた。賑やかな海ではある。
島にはよく、外周道路があったりするものだが、猿島には外周道路みたいな道はなく、島の真ん中をつらぬく道の途中で小さな分岐がある・・・そんな感じだ。
ルートを歩いたり、細かい昇り降りをして進んでいくと、かつて軍事拠点だった「らしさ」が目の前に次々に現れてくる。
やはり、この島は、要塞の島なのだ。
↑ こんな、要塞の名残が、そこかしこに点在する。独特の島だ。
ルートには、小さなトンネルを発見。道が枝分かれしてしまうが、とりあえずその小さなトンネルを私はくぐってみた。
↑ 小さなトンネル発見。
で、その小さなトンネルをくぐった先には、苔むした壁を「切り通し」のようにくりぬいてつくったようなルートがあり、秘密の倉庫みたいなものが現れた。
↑ かつてこの島は、仮面ライダーのロケ地としても使われていたという。
そのへんは、独特の存在感があり、雰囲気もなにやらミステリアスな感じすらする。無言の迫力すら漂う。
なにやら絵になる風景だ。
細かい分岐を歩いていくと、またしても小さな広場みたいな空間があり、案内看板もあり、よく見ると、海辺の岩場に降りて行ける階段もあった。
↑ ここから岩場に降りて行けた。
広場から海を見渡すと、遠くに巨大なタンカーが浮かんでおり、ゆったりと海を進んでいるのが見て取れた。
↑ この写真の左の水平線に、巨大なタンカーが浮かんでいるのが、わかるだろうか。
ひとしきり海を眺めた後、階段をおり、海辺の岩場に降りてみると、波が岩の上を滑るようにちゃぷんちゃぷんと打ちつけており、海水は透けている。
やはり水が意外なほどきれいであることを目の当たりにする。
その岩場では、釣りに興じる人も多かった。のどかな雰囲気が漂っていた。
↑ 波の音や、景色が心地よく、いつまでもここにいても飽きそうになかった。
その後、さっき来た道を引き返し、再び島の真ん中あたりに続くルートに戻ると、軍事要塞だった名残を改めて実感することに。
↑ このトンネルをくぐって進む。
↑ 案外ルートは分岐が多い。どちらに進むか迷うところだが、結局は行きつ戻りつしてしまう。この右側のトンネルは長い。入ってみよう。
↑ トンネルはかなりしっかりしていた。異空間のようでもあり。けっこう長いトンネルだ。迫力があった。
↑ トンネルを出て、振り返ってパチリ。レンガ造りなのだ。
↑ このレンガも、今となっては貴重な歴史遺産か。
↑ あたりは苔むした壁。
で、トンネルを出てルート通りに歩くと、そこかしこに倉庫跡みたいなものがあった。
↑ ほんと、あちこちに倉庫みたいなものがあった。
道を歩いていると、砲台跡らしきものが何か所もあった。
砲台跡のひとつのわきに、海辺に降りていける階段をまた見つけた。
↑ ここに砲台があったのだろう。海を進んでくる敵に狙いを定めるために。船は沈没の危険があるが、島だと沈没はない。ちなみに、御覧の通り、カップルが多い。この島は格好のデートコースになるのだろう。
階段を降りると、日蓮洞穴なるものがあるらしい。
狭い階段は、降りてゆく客と、昇ってくる客が行き交い、混み合っていた。ゆっくり下る。
すると階段の脇に、洞穴らしきものが出現。どうやらここが日蓮洞穴らしい。
↑ 日蓮洞穴
↑ この島は、やはり歴史遺産なのだ。
この洞穴を見た時、私は思い出すものがあった。
それは、房総半島に八犬伝ゆかりの場所を巡った時に立ち寄った「龍穴」。
この猿島の日蓮洞穴は、どこか房総半島の龍穴に似ている気がした。
龍穴もそうだったが、この日蓮洞穴も中には入っていけない。
案内看板を見ると、案外この日蓮洞穴は広いようだ。
ちなみに、この日蓮洞穴の前のルート階段を更におりるとそこには波がおだやかにうちつけている岩場があった。
だが、その岩場、狭いうえに、来訪者の数が多く、とても全員は降り立てないような混み具合。
なので、私はその岩場に降りるのはとりやめ、降りてきた階段を昇って、戻っていくことにした。
日蓮洞穴に続く階段があるエリアの砲台跡から桟橋へのルートは短かった。
少し歩いていたら、すぐに桟橋前の売店エリアに戻りついてしまった。
↑ 売店近く。海軍港と書かれている。
どうやら、来た時に登った「高台コース」のルートに比べると、短いルートのようにも思えた。
まあ、なんにせよ、この猿島は小さい島だ。
ルートを踏破するには、さして時間はかからないだろう。
普通に歩けば、一時間あればひとまわり出来てしまうのではないか。
気軽に日帰り散歩・・・そんな気分で訪れた猿島。
実際に気軽に来れる無人島。無人島の割には、東京や横浜のような大都市からのアクセスは良い。
来るには船にも乗ることになるし、島でもあるし、島はかつての軍事要塞であるながらも自然は残っているし、当然海も見える。
ちょっとしたミニ旅の気分は味わえる。
気軽に「非日常」を楽しめる場所。
カップルが多いことでもわかるように、デートコースとしては格好の場所であろうし、また、その気軽さゆえに家族で来るにもいい。
仲間内で来て、BBQや釣りを楽しむにも、もってこい。
猿島、なかなかどうして、めっけものの無人島ではある。
来たことがない人は、一度来てみることをお勧めしておく。
なお、あくまでも「無人島」なので、この島に宿泊することはできないので、念のため。
売店はしっかりある。
↑ 猿島とは、こういう島なのだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます