
若い頃、私は仕事で、会社の車を運転して、あちこち駆けずりまわっていた。
色んな取引先会社への移動が多かったからだ。
行き先は都心に向かうこともあれば、より郊外に向かうこともあった。
気持ち、都心方面に向かう時は気が少し重く、郊外方面に向かう時は気が楽だった。
道路の混みかたも違うし、郊外方面だと景色も都心よりのどかだったからだ。
郊外に向かうルートでは緑も多かったし。
毎日毎日、色んな場所に向かって走っていた。
仕事は日によって内勤の仕事が多いこともあれば、外周りの仕事が多い日もあった。
時には、車で半日外出しっぱなしのこともあった。
行き先が郊外で、しかもそれなりに距離がある時など、晴れた日はけっこう良い気分転換になった。
郊外に行けばいくほど、ゴミゴミした景色じゃなくなっていき、次第に緑が増え、なおかつ広がりのある空間が見えてくるルートだと、ちょっとしたドライブ気分にもなれた。
あちこち出かけていくうちに、そのルート上でお気に入りの店を見つけ、そこで昼飯などをすますのも楽しみになっていった。
しまいには、お気に入りのルートランキングみたいなものも考えるようになったりもした。
そのランキングの上位の場所に行く時など、それなりに楽しかった。
まあ、基本は仕事である。だが、その仕事の中に何か個人的な楽しみも見出そうとしていたのだった。
そう考えると車での外周りが多かった時期は、それなりに仕事を楽しめてもいたのだと思う。
けっこう遠距離の郊外の会社に車で行く時など、空がよく晴れていると、そのままひとりドライブで旅行に行きたくなったこともよくあった。
会社に戻りたくなくなったこともあった。
「このままどこかに行きたいなあ」などと思って。
そんな時、長距離トラック運送の仕事をしてる人が羨ましく思えたこともあった。
逆に車で都心方面に行く時は、さすがにドライブ気分にはなれなかった。
道は混んでるし、信号は多いし、で。
都心方面に出かけ仕事を済まして、その後都心を後にして戻る時は気が楽だった。
特に会社に戻るために都心で高速道路に乗り、やがて高速道路から降りた時など、ちょっとした安堵感があった。
だが、車の運転がメインの仕事をしてる人の場合、いつも都心ばかり流している人もいるはず。
まあそういう人は都心での運転に「慣れ」はあるのだろうし、当時の私とて都心での運転にはある程度の「慣れ」もあったはず。
でも、その「慣れ」以上に、普段は郊外に車で出かけることも多いということは、大いなる救いにはなっていた。
例えば都心を普段流しているタクシーのドライバーにしても、客次第によっては都心から郊外に移動する場合もあるだろう。
そんな時は、きっと気は楽なのではないだろうか。
私は昔郊外に住んでた時はマイカーを持っていた。
郊外では、どこかに移動する際に、ある意味車は必需品みたいな価値もあった。
会社には時にはマイカーで出社することもあった。
だが、都心に引っ越してきてからは、当初はマイカーも持ち続けたが、やがてマイカーは処分してしまった。
都心での移動では電車移動のほうが時間がよめるし、車は維持費もかかるし、都心での移動アクセスではマイカーの必要性もさほど感じなくなったし・・で。
でも、その理由の中には、都心であまり運転したくない・・というのもあったと思う。
もし、郊外に住み続けていたら、マイカーを処分することは・・なかったと思う。
時々・・・若い頃に仕事で車を運転して、あちこちの郊外に出向いていた頃の景色が懐かしく思えることがあり、何か機会があれば、またその道を車で移動してみたい気はしている。
その際には、当時やりたくてもできなかった「このままどこかに旅行に行きたい」という思いをかなえたい気はしている。
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