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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

イーヴン・ナウ  by ボブ・シーガー

2015年06月26日 | 音楽全般

カセットテープの時代、私は持っていたダブルカセットデッキで、自分のお気に入り洋楽を集めて「オリジナルのベストアルバム」をカセットで作っていた・・・ということはこれまでに何度か書いてきている。

 

今回取りあげるのは、そんな時代に私が「オリジナルベストアルバム」にセレクトしていた曲の中の1曲、「イーブン・ナウ」という曲。

歌うは、ボブ・シーガー。

元々は「 The Distance」というアルバムの1曲目に収録されていた曲だ。

ジャケットに惹かれて、輸入盤のレコードショップで衝動買いしたアルバムだった。ともかく、当時の私は、自分があまり聴いたことがない色んなミュージシャンの音楽が聴きたくて仕方なかったころだ。

アルバム自体は、爽快な曲あり、郷愁を誘う曲ありで、期待した通りの音楽がそこにあった。私のイメージ通りのボブ・シーガーがそこにいた。

 

オリジナルベストカセットは何本も作ったが、「イーブン・ナウ」は確か、何作目かの「オリジナルベストヒットカセット」の1曲目に入れておいた曲。そう、。オープニング曲として。

なにしろ、この曲のスピード感、ボーカルのテンションは、オープニングにピッタリだった。

広がる大地、よく晴れて乾いた青空、どこまでも続く一本道、そして疾走感。そんな風景が、この曲から見える気がした。そういう楽曲には、当時私はよくのめりこんだ。こればかりは、「好み」としかいいようがなかった。

 

私が初めての海外旅行でアメリカに行った若かりし時、そのオリジナルベストカセットを飛行機がテイクオフした瞬間に、私はウォークマンで聴き始めた。

当初からそのタイミングで聴こうと決めてあったのだ。

 

テイクオフして上昇していく飛行機。乗客の私は当然地平線とは斜め上の態勢になっている。

しかも行き先は、あこがれのアメリカ本土。

心は高揚し、まさにわくわく感で溢れていた。

そんな時に1曲目に流れてきた、ボブ・シーガーの「イーブン・ナウ」はもう最高だった。

「よし、いざアメリカへ!待ってろよ~」などという青臭いセリフでもはきたくなった。

 

その疾走感としわがれ声は、どこかスプリングスティーンの「明日なき暴走」を彷彿させ、特にサビで「イーブン・ナウ」とシャウトするあたりは、聴いててスカッとして、元気が出てくる。その爽快感は、細かい心配ごとなど、吹き飛ばしてくれるような気がした。

その骨太な音楽は、まさに当時のアメリカンロックそのものという感じ。

どこか、田舎のロックおじさんみたいな土臭さがあって、どこか少し汚れた服や靴がにあいそうでいて、スマートとは程遠いイモっぽさがありながらも、なんていうか・・めちゃくちゃ良いのだ。

田舎のおっさんロッカーっぽい雰囲気が、理屈抜きで、かえって気持ちよくカッコイイのだ。

 

こういう音楽を素直に楽しめる自分は、その分だけ絶対に得をしている・・と思ったもんだった。

 

私にとってボブ・シーガーの「イーブン・ナウ」とは、そんな記憶が込められている曲だ。

 

ボブ・シーガーは、デトロイト出身で、1945年5月6日 生まれ。

なので、今ではもう70才・・・ということになる。

主に活躍したのは70年代・80年代で、アメリカでは熱狂的な人気を誇っていた。

だが、なぜか日本では、あまりブレイクしなかった。

なぜだろう。

 

ブルース・スプリングスティーンがあれだけ日本でも人気があったことを考えると、シーガーも日本でもっと人気が出てもおかしくなかったのに。

スプリングスティーンがお好きな方なら、きっとシーガーも好きになれると思うのだが。

 

まあ、例えばアメリカやイギリスなどでは熱狂的な人気があっても、日本ではさほどでもないというスターはけっこういる。

それは、その逆もまたしかりで、本国ではさほどではなくても、日本では人気があるというスターもいる。

だからシーガーのようなケースは、さほど不思議ではないのかもしれない。

 

もしもその理由が、本国では頻繁なコンサートツアーをやって各地をまわってても、海の向うの日本では本国みたいにはライブ活動はできないからということなら、これはもう仕方がない。

ただ、それは、スプリングスティーンなどでも同じだ。

 

となると、なにがしかの理由はきっとあるように思う。

 

それは・・たとえばロックなどをメインに扱う雑誌などがあまりシーガーを取りあげなかったとか?

あるいは、爆発的なシングルヒットが日本ではなかったからとか?

 

あるいは・・

シーガーの年齢を考えると、ビートルズメンバーたちの年齢と近いか、せいぜい数年若いぐらいの年齢。

ということは、シーガーが20代の若者だったのは60年代後半あたり。

シーガーが大活躍し始めた70年代にはシーガーはすでに20代後半~30代であり、80年代にはすでに40代だったことになる。

 

つまり、日本風に言うと「遅咲き」のスターだったということになるのかもしれない。

 

その「遅咲き」だったぶんだけ、日本でブレイクしづらかったのだろうか。

ブレイクした時には、すでに「おじさん」だったわけだからね。

となると、日本では遅咲きの外国人スターはブレイクしづらいのだろうか。

 

いや、そうとも言い切れないだろう。年齢のことでいえば、シーガーはスプリングスティーンとは4歳くらいしか変わらないし。

 

何かの記事で読んだのだが、シーガーは日本でのプロモーションをあまりしなかったのかもしれない。

その結果、日本のマスコミもシーガーをあまり取りあげなかった気はする。

 

かくいう私も、スプリングスティーンには熱狂したが、シーガーはアルバムを何枚も集めたわけではない。ただ好感は持っていたことは確か。

実際、この「イーブンナウ」などは、一発聴いただけで好きになったし。

 

イーグルスなどからもリスペクトされているシーガーなのだから、実力的には申し分ないし、アメリカでは大御所的なシンガーである。

 

そういう意味では、日本でさほどブレイクしなかったのが、もったいないロックスターではある。

もっとマスコミが取りあげて、レコード会社もプッシュしていたら、もっと人気が出てたのではないだろうか。スプリングスティーンがそうであったように。

 

ともあれ、「イーブンナウ」。

聴いててスカッとし、聴き手を元気にさせてくれる爽快曲だ。

高速道路などでドライブ中に聴いたら、最高だろう。

私の大好きな、疾走感あふれるタイプの楽曲。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=hLfM8q7415M

 

 


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