時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

月光仮面と怪傑ハリマオは500円ヒーロー?

2006年12月03日 | 漫画・アニメ、そして特撮

今、ショップに行くと、古い名作映画のDVDが500円で売られていたりする。
その安さゆえ、けっこう売れてるようだ。
かく言う私も何枚か購入した。
「フランケンシュタイン」「ターザン」「宝島」「円卓の騎士」「私を野球に連れてって」「三銃士」「シンドバッド」などなど。

古い名作映画は、映画館で上映される機会もないし、テレビで放送される機会は稀だ。500円なら、レンタルビデオ店でビデオをレンタルするのに近い感覚だ。
その手頃さが良い。

この500円シリーズで出る映画は、洋画の古い名作だけかと思っていたのだが、最近本屋に行ったら(そう、この500円シリーズ、本屋でも売られていたりする)、なんと!日本の古いテレビドラマがDVD化されているではないか。

そのドラマとは、な、なんと「月光仮面」「怪傑ハリマオ」!
日本の「正義のヒーロー」テレビドラマの元祖的な作品だ。
これが1枚500」円で売られているとは!

古さでは定評のある(?)私ではあるが、さすがにここまで古いテレビドラマだと、リアルタイムでは見た記憶がない。

せいぜい、古いテレビ番組を探査する番組などで、古いドラマの映像が断片的に流されたりする時に、1場面を見たぐらいだ。

だが、主題歌は、よく知ってる。
月光仮面は  ♪ど~こ~の~誰か~は~知~らな~いけ~れ~ど~ 。
ハリマオは  ♪ま~っかな~た~いよ~う~ も~え~て~い~る~。

どちらも名曲。古臭いメロディだが、伸びやかでのどかで、哀愁のある旋律。

主題歌につられて、DVDを買ってしまった。
ちなみに、これけっこう売れてるようで、在庫がかなり減っていた。
どの店でも。ま、500円だからねえ。そりゃ、買うよ。

で、見てみた。
まず、ストーリーのテンポが遅くて、今のドラマに慣れてる人にとっては、トロトロしたストーリー運びに感じるだろう。
その他ツッコミ所はたっぷりある。特に月光仮面。

登場するとき、必ず歌を歌って現われる月光仮面。なんのために忍んでいたのか。

有利な立場にあるときに素直に主人公を倒せばいいのに、まわりくどい武器を使って生かしておいたがために、逆転を許す悪玉。

絶対に自分には敵のピストルの弾が当たらないことを分かっているかのように戦う主人公。また、いくら撃たれても主人公には1発も当たらないのが不思議でもある。
そのくせ、主人公の撃つ弾は1発で相手に命中してしまう不自然さ。

主人公のすぐ真後ろから発砲しても、外してしまう敵のお粗末な射撃術。

などなど、のどかというか、場合によっては間抜け極まりない悪役。

こういうのを見てると、本当にこれが視聴率30%も40%もとっていたのか?と疑いたくもなる。
でも・・とっていたのだ。
それは当時、子供たちに娯楽の種類が今より少なかったためだろうし、他にこれというドラマが無かったせいもあろう。
だから、この番組に集中したのだろう。

主人公のヒーローには、後の時代の様々なヒーローのような超能力はない。
あるのは正義の心と2丁拳銃と普通のバイクのみ。
ピストルの弾が1発でも当たれば、大怪我するか死んでしまうだろう。
普通の人なのだ。
だとしたら、生身の人間がたった一人で、ピストルをかまえる大勢の敵の中に入っていくなんて、とんでもない度胸だ。

でも、その勇気が受けていたのかもしれない。その勇気こそがヒーローの絶対的な条件なのだろう。
無謀ではあるけども。

今のヒーローではこんなヒーローはいないだろう。
今のヒーローは、超能力者であったり、宇宙人であったり、サイボーグやロボットであり、常人とは違うという前提がある。常人には持ち得ない能力を持っている。
だから、無謀なことでもできてしまうわけで、そこに疑問をはさむことはない。
だが、月光仮面は違う。ハリマオもそうだ。

私はてっきり月光仮面は宇宙人なのかと思っていた。
だが、生身の人間だった。運動神経や反射神経や射撃術に長けているというだけの普通の人間だった。
だとしたら・・・あの度胸はすごい。
もしかしたら彼の超能力は、あの度胸そのものなのかもしれない。

ハリマオや月光仮面を見てると、ヒーローの本質とは何なのか?ということを考えさせられてしまった。

超能力をやたら身につけたヒーローが無謀なことをするのと、普通の生身の人間が無謀なことをするのでは、どっちが無謀か。
言い換えれば、どっちが勇気があるか。どっちがスゴイか。

もし、制作側が、ヒーローもの作品を作るのに壁にぶつかってしまったら、ヒーローがヒーローたりえた原点に戻ってみると、忘れていたものを思い出せるのかもしれない。
そんなことを、ふと考えてしまった。


それと。
歌の歌詞にもあるように、月光仮面というのは、子供たちにとっては「おじさん」だった。画面を見てると、月光仮面の正体である祝十郎は決してそんなにおじさんではない。むしろ、まだまだ若い。
でも、子供にとっては「おじさん」だった。

この時代は、おじさんも正義のヒーローになれた時代なのだ。
今の時代では「おじさん」というと、バカにされたり、嫌われたり、情けなかったりすることが多い。子供に尊敬されたりしないことが多い。

「おじさん」にとっては、住みにくい時代になったもんだ・・と、しみじみ思ってしまった(笑)。
あるいは、昔のおじさんと今のおじさんがあまりに違い過ぎるのかもしれない・・とも思ってしまった。

おじさんは、なんで今のようなおじさんになってしまったのだろう。


あの時代の子供にとって、月光仮面のおじさんは、正義の味方で、しかも良い人だった。しかも、生身の人間だった。で、不死身のヒーローだった。

今は500円のヒーローとして、ショップに全盛時の活躍が伝説として残されている。









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2 コメント

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Unknown (snowman)
2021-05-14 07:14:34
おはようございます。
この2作品、子供の頃に観た記憶がうっすらあります。
特に『月光仮面』は怪獣マンモス・コングのエピソードの記憶がありましてちょっと調べてみたら悪役の首領がTVアニメ『スカイヤーズ5』のゴーストのボス役の方のようでした。
高視聴率番組という事でしたがこれは子供向けの娯楽が少なかったことによると思います。米国のマーベル映画が興行的に日本よりも韓国で稼いでいるとのことで、やはりこれもヒーロー物に関して韓国が日本よりも少ないせいでしょう。
そしてこの間久しぶりに日曜日の仮面ライダーや戦隊物をちょっと観たのですが…イケメンのお兄ちゃんがイッパイという感じでなかなかにハデでした。ヤンママの皆さんが観てくださることへの配慮や様々なガジェットを販売するためなどのいろいろな理由をす伴った番組作りと申せましょう。
時代の流れというわけで今後はどうなることやら…。世間ではLGBTがどーのこーのといった人達もおられるようですが…。
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Unknown (だんぞう)
2021-05-14 09:39:05
いやあ、こんな古い記事に反応して下さるなんて光栄です。
これはこのブログ開設して間もない頃に書いた記事でした・・。

月光もハリマオも私はリアルタイムでは見れなかった世代です。
ただ、その後色んなテレビ番組で、古いドラマを検証する番組などで取り上げられる時に見たぐらいです。

マンモス子ングは、大きな怪獣に、人間である月光が戦いを挑む話で、大人になった私が見た感想は「月光は無謀だな」でした(笑)。

スカイヤーズ5は何度か見た覚えはありますが、内容はまったく覚えてません。
川崎のぼる先生の作品でしたよね。

月光が放送された時はまだテレビの黎明期で、子供向け作品は少なかったはず。
だから子供たちの人気が、月光に集中したんだと思います。

最近の仮面ライダーシリーズは、若手イケメン俳優の登竜門になってますね。
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