事故物件に住みます芸人、松原タニシさん

 

あなたは松原タニシさんという芸人さんをご存知だろうか。

タニシさんは、知る人ぞ知る「事故物件、住みます芸人」さんなのだ。

事故物件というのは、自殺者が出たり、殺人事件があったりした部屋（建物）のことで、いわゆる「いわくつき」の物件。

不動産屋は、事故物件を誰かに貸し出す場合、その部屋が事故物件であることを告げなければいけない。

もちろん、事故物件ゆえ、値段も安い。

 

なんでも、事故物件というのは、事件後に誰かが一定期間住んだことがあれば、その物件は「事故物件扱い」ではなくなるらしい。

なので、事故物件を事故物件扱いされなくするために、事故後にその物件に一定期間住むアルバイトみたいな仕事もあるらしい。

なるほどね・・・という感じだ。

ということは、そういう存在の人は、確実に需要はあるということだ。

 

だが、タニシさんの場合は、そういうバイトをしている人というわけでもない。

 

北野誠さんの番組で「お前ら、行くな」という心霊番組がある。

それは心霊マニアが多数出演する番組で、心霊スポット潜入ルポしたり検証する番組だ。

この番組は何本もＤＶＤ化されており、私が普段利用しているレンタルＤＶＤショップにも多数置かれている。

なので、未見のこの番組のＤＶＤを見つけると、私はすぐに借りてきて見ている。

この番組のファンであると言っていいと思う。

 

で、この番組の中の企画で、芸人を事故物件に住まわせてみて、その部屋で何らかの心霊現象が起きて、なおかつそれをカメラに収めることができたら、その芸人にギャラが支払われる・・・という企画があった。

いやはや凄い企画ではある。

そしてその企画に抜擢されたのがタニシさんであった。

こういうオファーを受けてしまうタニシさんにはビックリだが、失礼ながらそのオファー時に彼は一応「芸人」ではあっても、世間にはほとんど知られていない存在だった。

そんな状況を打開するためには、こういう企画ではあっても、彼にとっては名前を売るチャンスではあったろう。だからこそ、受けたのだろう。

ちなみに、彼自身は元々霊能力があったとか、そういうわけではなかったらしい。

 

で、そんなタニシさんが最初に住んだ事故物件の部屋の中にカメラを設置し、部屋の中でどんなことが起きるかを撮影したわけだが、その際に起きた現象が・・カメラに収められた映像が、あまりにも凄すぎた。

タニシさんはその後も何か所かの事故物件に住む生活を続けているようだが、最初に住んだその事故物件での霊現象が別格・ダントツだった・・と語っている。

 

ともかく、彼が最初に住んだ事故物件の部屋の中の映像は、衝撃的だった。

私がこれまで見てきた、さまざまな霊現象の映像の中でもトップクラスだった。

狭い部屋の中を、おびたたしい数のオーブがうるさいぐらいに飛び交ったり、小さな一反木綿みたいな白いものが部屋を浮遊したり、いやはや凄まじかった。

うろ覚えだが、風呂場から何か黒い影みたいなものが出てきて近寄ってきたこともなかったろうか？そのへん、私はうろ覚えなので、勘違いだったらごめんなさい。

 

ともあれ、その物件での霊現象（？）があまりにも凄かったため、そんな物件に住み続けたタニシさんのことは、強烈に私の頭の中にインプットされた。

あんな部屋に住み続けてタニシさんには何らかの影響はなかったのだろうか・・・と、さすがにちょっと心配にもなった。

 

ただ、その映像のインパクトがあまりに凄かったため、タニシさんの名前も知られるようになった。

そういう意味では、危険な賭けではあっただろうが、タニシさんは「報われた」と言っていいのだろう。

私がもしタニシさんの立場だったとしたら、たとえそれで名前が売れようと、そんな仕事は引き受けたくない・・。

仮に霊現象があったとしても、それが映像に収められなければ、ギャラも貰えないし、下手したら放送もしてもらえないのかもしれないのだから。

そうなったら、単に損なだけのような・・。

あ、でも、その部屋の管理人さんにとっては、タニシさんが一定期間住むことで、その物件が「事故物件」扱いはされなくなるわけなのだとしたら、悪い話ではあるまい。

メリットとしてはそれぐらいでは・・。

 

ともかく、運よく（？）凄まじい霊現象が無事にカメラに収められ、タニシさんは知られるようになったわけだ。

 

なんでも、タニシさんは、その後その部屋を出て、その後も別の場所の事故物件に住み続けているらしく、すっかり「事故物件、住みます芸人」という妙で（？）独自のキャラクター・・が定着し、その体験を活かした本を出版したり、某雑誌でタニシさんの体験が漫画化され連載されることに繋がった。

また、それなりに、テレビやラジオの番組出演や、怖い系イベントの出演依頼も増えたみたいだし、少なくても現段階では、めでたしめでたし・・・なのでは。

 

 

こんなキャラクターの芸能人、それまで他にいなかったものね。

 

普通の人ならとてもやらないようなことをやり、しかもそれを自身のキャラクターに活かし、しかもそれは独自のキャラクターであった。

 

なんでも、タニシさんの成功例を見て、第２のタニシさんになって名前をあげようとする人も出るようになった。

 

こうなると・・・最初にタニシさんが住んだ事故物件にいた霊たちが、しっかり映像に出演（？）してくれたことは、タニシさんにとっては良かったということだろう。

彼の名前を広めて、なおかつ彼の収入にも貢献してくれることになったわけだから。

案外、タニシさんは最初の霊たちに感謝してる？？？

 

でも・・そういう物件に住んでて、タニシさんに霊現象からくる何らかの影響はなかったのだろうか。体調不良とか、事故とか・・。

そんなことがないことを祈るばかりではある。

話によると、タニシさんがあるお店に入ろうとした時、店のスタッフらしき人から、「（タニシさんの）後ろにしがみついている女を絶対に店に入れないで！」と言われて入店を断られたこともあったらしい。そのスタッフは、霊感のある人だったのだろう、きっと。

この他にも妙な体験はいくつもあったらしい。

 

ところで、かつてタニシさんが暮らした、その「別格の物件」はその後どうなったのだろう。

タニシさんが１回住んだから、もうその物件は「事故物件」扱いではなくなったかもしれないが、仮にそうなったとしても、あの物件の中であの霊現象はその後おさまったのだろうか？

除霊とかしたのだろうか。成仏したのだろうか。

じゃないと、まだ霊現象は置き続けているような・・。

しかも、その物件はもう「事故物件」であることの告知義務は免れているわけだから、余計にやっかいなような・・・。

 

とりあえず・・・私は・・やはりそういう・・・事故物件に住むという「仕事」はやりたくはないなあ。

 

そういえば私は、タニシさんのお笑い芸はまだ見たことが無い。

いずれお笑い芸人のイベント・・・例えば「R－１」みたいな・・・に出てきてくれないかな。

それとも、単に私が知らないだけで、すでにそういう場で頑張ってるのかな。

お笑い芸を磨いて、さらに「事故物件、住みます芸人」の「実績」もあれば、ますます独自の地位を確立していけそうな気もするし。

 

 

 なお、写真は、この記事の物件とは関係ありません。