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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

オポジット  by  エリック・クラプトン

2018年04月30日 | 音楽全般

Opposites  by  Eric Clapton

 

クラプトンと言えば、その昔は「世界3大ロックギタリスト」と言われた人の一人であり、「ギターの神様」とも称されたロックギタリスト。

ブルースに根差したそのギターワークは、世界各国でギター小僧たちの憧れの存在だった。古くはヤードバーズ、そしてギタリストとしての評価を決定的なものにしたクリーム。

その後、あの代表曲「レイラ」を発表したデレク&ドミノス・・などのバンド遍歴の後、ソロギタリストとして大活躍。

栄光のキャリアを誇るギタリストであり、なおかつギターだけでなく、自ら歌った曲を何曲もヒットさせ、今ではまさにスーパースター。

単なるギタリストの枠を飛び越えた存在だろう。

 

大の親日家としても知られ、日本公演の数はもう数えきれない。

隠遁してた親友ジョージ・ハリスンの音楽活動を復活させようとして、エリックがジョージのためのライブ会場に選んだ国が日本だったほど。

 

ロックギタリストとしては人気も名声も頂点ではないか。

そのキャリアの長さゆえ、発表したアルバムの数は多く、ベストアルバムも色々ある。

 

だが今回取りあげる曲「オポジット」は、彼のベストアルバムに収録されることは、まずない。少なくても私はまだ見たことが無い。

この曲が収録されたアルバムは「安息の地を求めて(原題「There's One in Every Crowd」)」というアルバムだったが、このアルバム自体「地味」な印象があった。

このアルバムの前に発表された「461オーシャンブルーバード」というアルバムは大ヒットしたのだが、「安息の地を求めて」というアルバムは「461」の影に隠れてしまっていた印象を私は持っていた。

もしかしたら、ジャケットが地味だったからかなあ・・・。

 

今回このネタを書くにあたって、世間の「安息」の評価をネットで調べてみたのだが、驚いたのがその評価の高さ。

マーケット的な成功や、ロック史(あるいはクラプトン史)ではスルーされがちなアルバムではあるが、このアルバムを愛するファンが多いのには驚いた。

 

実は私自身、このアルバムを持ってはいるが、このアルバムをフルで聴いたのはあまり多くない。

買ったばかりの頃は何度も聴いたが、その時期が過ぎると聴きかえすことはほとんどなかった・・・というのが、正直なところだ。

 

だが、そんな私でも、このアルバムの最後の曲「オポジット」は最初に聴いた時にハマりまくり、この1曲だけを何度も聴いた覚えがある。

 

当時私がカセットテープで作っていたオリジナルベストヒットカセットには、この「オポジット」は当然のごとく入れていた。

 

おだやかで、美しく、聴きやすく、盛り上がり方が最高に素敵なのだ。

 

ボーカルメロディは、いたってシンプルで、覚えやすい。

一応エリックのギターソロも入ってはいるが、その入り方は控えめだ。

ここでのエリックは、アンサンブルギタリスト・・・そんな感じだ。

ギターうんぬんより、全体的なサウンドそのものが素晴らしい。

ギタリストというより、サウンドクリエイターとでも形容したくなる。

あの「レイラ」を彷彿とさせるギターフレーズも一瞬出てくる箇所があり、ある意味そんな遊び心も垣間見え、エリックはリラックスしてこのレコーディングを楽しんでいたのではないか。

 

 

「安息」のアルバムを褒める人は、アルバムの最後がこの曲だった・・という要素は大きかったのではないか。

この曲がラストに流れることで、アルバムを聴き終わった時の後味が最高にハッピーになれたのではないか。その一方で、どこか郷愁もあって。

よく聴くと、「蛍の光」を彷彿とさせるメロディーも終盤のインスト部分にはまざってくる。しかも、それがハマっている。この曲の終盤に郷愁をも感じさせられるのは、そのせいかもしれない。

 

まさに「隠れた名曲」という表現がふさわしい名曲であり、名アレンジだと思う。

 

 

この曲、前述の通り、グレイテストヒットアルバムに収録されることはないし、ライブでの再現もあまりないのではないだろうか。少なくても私が見たエリックの日本公演でこの曲をやってくれたことはないし、ネットで探しても、この曲のライブ映像は見当たらない。

ということは、エリックの中でもこの曲は埋もれているのではないか。

エリックはこの名曲をあまり重要視していないのかな・・。

だとしたら、もったいなさすぎると思うのだが。

この曲がライブの最後あたりで演奏されたら、最後にふさわしいとも思うし、曲調から言っても感動ものだと思うのだが・・。

 

 

ま・・さ・・か・・

 

ねえ、エリックさん(←なれなれしい)、この曲のこと・・・あなたはもしや忘れてやいやしませんか?

 

そんな殺生な(笑)。

 

この出来からいって、アルバムのフォーマットを埋めるだけの曲ではありませんよ、この「オポジット」は。

それほどの良い曲です。

 

 

この曲を密かに愛するファンは、「安息」のアルバムのファンからの評価の高さを考えれば、けっこういると思うのだが・・・。

 

どこか広がりがあって、なおかつおだやかな場所で、風景もよく、風などが心地よい環境で、ボケ~~ッとこの曲を聴いていられたら・・最高に幸せだろうと思う。

リゾートなどで聴くにはピッタリで、聴く人を優しくしてくれそうな良曲。

 

こういう曲には、普段ベストヒットアルバムばかりしか聴いていないと、中々めぐりあえないと思う。

だから私は、通常の「レギュラーアルバム」という形態が好きだ。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=YMESJeGS09A

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (鮎川愛)
2018-05-01 19:27:50



大変美しいイントロから始まり、大変美しいエンディングですね。


エリック・クラプトンは、私は全く詳しく知らないのですが、「ロック」「ポップス」など音楽ジャンルを区分けする方が間違いを犯しかねない美しい楽曲を作るミュージシャンですね。


だんぞうさんがおっしゃる通り、ベストアルバムだけ聴いていては、そのミュージシャンの真の魅力・迫力・実力は絶対にわかりません。

私自身の鉄板であるエルヴィス・プレスリーとジョン・レノンも、全く同じです。

彼らのベストアルバムは持っていますが、実際、大変物足りないのです。


レギュラーアルバムに収録されているロックンロールやバラードの方が、圧倒的にかっこ良い、或いは極めて美しいが多いのです!


ベストアルバムは、そのミュージック及びミュージシャン入門者には最適です。


しかし、玄人ベテランともなれば、ベストアルバムは、聴き流したい時だけ、ラジオにセットします。


だんぞうさんは、ボブ・ディラン始め、あらゆるミュージシャンのベテラン・リスナーですね!
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Unknown (だんぞう)
2018-05-01 22:12:09
きれいな曲でしょう?
この曲の映像に寄せられたコメントの多くが、美しいと書いてますよね。

ベストアルバムは、そのミュージシャンの「入門」にはピッタリです。
特に、たくさんアルバムがあるミュージシャンなら、なおさら。すべてのアルバムを買うのは、金銭的にもムリだったりもしますし。

ベストアルバムを聴いて、そのミュージシャンが気に入ったなら、なるべくレギュラーアルバムのほうも聴いてみるといいと思います。
とりあえずは、名盤とされてるレギュラーアルバムだけでも。


ちなみに私は音楽はかなり偏りがありますよ。
聞かないミュージシャンは全く聞きませんし、興味すらなかったりします。

なのであらゆるミュージシャンのリスナーというわけではないです(笑)。

ところで、この「オポジット」という曲、最後のほうに「蛍の光」のメロディーが一瞬流れるんですが、実にハマってます。


途中で現れる宇宙の映像も実に良い感じです。
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