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 時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

お昼寝  by  佐藤公彦(ケメ)

2020年11月07日 | 音楽全般

 

ネットで知ったのだが、ケメこと佐藤公彦さんの楽曲「お昼寝」がTikTokがきっかけて大人気らしい。

私はTikTokは今のところやっていないので、なぜいきなり「お昼寝」が大人気になったのか、その推移やきっかけは分からない。

 

試しにユーチューブでケメの「お昼寝」を検索したところ、動画が見つかったのだが、その動画に寄せられたコメントや再生回数にびっくり。

 

コメントの大半は若い人のようで、そういう人たちは当然ケメの全盛期は知らないはず。

ケメはリアルタイム活躍時、フォークシンガーでありながらアイドル的なイメージで売れて、後年は自身のやりたい音楽と、アイドル的なイメージのギャップでけっこう悩んでいた。

なまじ、見た目が中性的でかわいらしく、声も少年っぽさを残す声質だったし、楽曲は上品できれいなメロディやかわいいメロディラインだったし、女性が主人公の歌も多かったし、初期のアイドル的な売られ方で大ブレイクしたのは、今考えると仕方なかったと思う。

また、アイドル的な戦略のおかげで大人気になれたのも確かであった。

特に女性からの人気は当時絶大だったからね。

女性ファンの数では、当時吉田拓郎さん以上だったかもしれない。それほど人気があった。

 

でも、シンガーソングライターとして成長するにつれ、ケメにとってそのアイドルイメージは「足かせ」になっていったのもわかる。

アイドルイメージ脱却をはかった曲やアルバムを発表するようになったが、どうしても初期のアイドルイメージは大きかったようで・・。

やがては、事実上の引退に。

 

ケメの全盛時の終盤は、ケメにとっては苦悩の時期だっただろうと思う。

 

 

だが、今ケメの音楽に接する人は、リアルタイム時のケメのことは知らないから、その楽曲を先入観がない状態で聞くことができる。

余分なイメージ抜きで、純粋に楽曲だけで判断できる。

それはそれで凄く良いことだと思う。

 

私がリアルタイムでケメを好きになったのは、彼のソングライターとしての実力に魅せられたからだった。

特に「夕暮れ」という曲には惚れ込み、その情感たっぷりなメロディラインに聞き惚れ、その曲がきっかけで私はケメのファンになった。

家でよく歌ってたものだ。弾き語りで。

こういう楽曲を作れるフォークシンガーは、当時他にはいないと思って、ソングライターとしてのケメのファンになった。

なので、今この時代に、なんの先入観もなく、純粋に楽曲が評価されるのは、とても嬉しい。

 

それにしても・・・「お昼寝」とは・・。

でも、考えてみれば、「お昼寝」はすごくキャッチーなメロディだし、覚えやすく、特徴的。

私も、初めて聴いた時、一発で覚えたもの。

これはこれで、ケメの作風の一面であったことは確かだし。

フォークというより、キッズソングというか、童謡に近い曲だと思う。こういう路線の歌が歌え、なおかつ違和感がなかったのは、当時のフォーク界でも彼だけだっただろう。

 

メロディラインを聴くと、「お昼寝」の出だしのメロディは、バッハの「フーガ」のメロディの一部からインスパイアされたのではないかと思う人もいるかもしれない。

「お昼寝」は長調、「フーガ」は短調・・・という違いがあるので気付きにくいかもしれないが、メロディの起伏や流れに共通する個所がある。

当時のフォークシンガーで、クラシック音楽にインスパイアされたような曲を作る人は・・・あまりいなかったと思う。

そういう意味ではケメは研究熱心でもあったのだろう。

当時彼は「作曲家になるのが夢」と語ってもいたからね。

 

ケメの代表曲としては「通りゃんせ」や「メリーゴーランド」があるが、再評価されるとしたら、そういう代表曲がきっかけになると思っていたのだが、「お昼寝」がきっかけになるとは・・・いやはや、わからないものだ。

また、そこが今のネット社会の意外な点でもあり、面白いところでもある。

 

考えてみれば「お昼寝」は、当時も今もNHK「みんなのうた」で使用されてもおかしくない曲。

そう、今「みんなのうた」で使用されても、全く違和感はないだろう。

むしろ、ぴったりだとさえ思える。

ちょっとしたアニメーション映像付きで。

 

ケメの全盛時を知らない今の若い人が、「お昼寝」がきっかけになってケメの楽曲に興味を持ち、彼の他の曲も聴いてくれることにつながれば、ケメファンだった自分としては嬉しい。

 

ちなみに「お昼寝」という曲が気にいった方は、きっと「バイオリンのおけいこ」などのケメ曲も気にいるのではないかと思う。

 

 

そしていつかは、情感たっぷりな「通りゃんせシリーズ」や、骨っぽい楽曲なども聴いてもらえたら。

ケメには案外、骨っぽい曲もあったからね。

 

 

それにしても・・・もしケメがもう少し長生きして、今も健在であれば、今の状況、さぞかし喜んだだろうに・・・。

それを考えると、ケメの他界が今更のように切なく、悲しく、残念。

せめてあと数年長生きしてくれてたら、今の状況に出会うこともできただろうに。

 

 

とりあえず・・・

「ケメ、聞こえるかい? よかったね、今、令和の時代の若者が、ケメの曲を気にいって、聴いてくれてるよ。」

 

 

OGPイメージ

Ohirune

Provided to YouTube by WM Japan Ohirune · Kimihiko Sato (Keme) Keme ...

youtube#video

 

 


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (鮎川愛)
2020-11-10 02:23:08
「ケメ」と言えば、だんぞうさんがミュージシャンとして尊敬していらっしゃることは存じていましたので、今回の事は私も大変嬉しいです。

「お昼寝」、何ともメルヘンで、優しさ溢れるムードでしょう。

実際に「みんなの歌」として放送されても全く違和感ありませんね♪

ついでに、ケメさんがアイドル路線を脱却するために、髭を生やし、服装もワイルドに、楽曲もハードロック調に変えたら、いかがだったでしょうね?

それでも離れない女性ファンこそ、本当のファンでしょう。
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Unknown (だんぞう)
2020-11-10 10:48:33
ケメは、ソングライターとして好きなミュージシャンでした。
当時、他のフォークシンガーにはない作曲センスを私は感じてたんです。

お昼寝・・・という曲などは、当時の他のフォークシンガーには作れなかったり、歌えなかったり、似合わなかったりした曲だったと思います。

まさに、ケメのあの声、キャラクター、作曲センスがあったからこそ、生まれた曲だったと思います。

フォークというより、ポップスや童謡と言った方がしっくりくる、かわいい曲でした。


70年代の中盤以後では、けっこう骨っぽい曲も増えていたんですよ。
すくなくても、アイドルという感じの曲ではない曲が増えていきました。

アイドルより、シンガーソングライターとしてやっていきたかったのだと思います。

ケメ特有の癒し系の曲も健在でしたけどね。
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