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70年代フォークシンガーのヘアースタイルを考える

2014年04月15日 | 音楽全般

70年代・・・・日本の音楽シーンは、自作自演によるフォークソングというジャンルの音楽がブレイクし、そのジャンルのシンガーソングライターがたくさんいた。

皆、それぞれの音楽性を持ち、思い思いのスタイルやルックスで活躍していた。まあ、それはそれ以後も変わらない。

当時のフォークシンガー・・・特に男性は、長髪が多かった。

肩まで届く長いヘア、やせた体型、ジーパン、ギター、時にはハーモニカやカズーをホルダーに装着して・・・というのが、一番多いスタイルだった。

長髪だったフォークシンガーは、枚挙にいとまない。

吉田拓郎、NSP,チャボ、チューリップ、その他その他。

それはプロだけでなく、アマチュアフォークシンガーにも多かった。それはまるでフォークシンガーのスタイルでもあるかのようだった。

校則などで長髪を禁じられていた生徒でも、学校を卒業して進学したりした時に(大学など)、髪の毛を伸ばした人は多かっただろう。

もっとも、それはフォークに限ったスタイルではなかった。ロックをやってる人たちも、肩まで届く長髪の人は多かった。

それは、彼らが憧れたり影響を受けた海外ミュージシャンに、長髪の人が多かったことが大きかったのだろうと思う。

ビートルズ、ツェッペリン、クリーム、ストーンズ、その他、長髪はロックミュージシャンでもトレードマークのようなスタイルだった。

やはり、自分が憧れるミュージシャンみたいになりたい・・・そう思うのは、ごく自然のことだった。

 

そんな状況の中で・・・私は思っていたことがある。それは・・ディランのヘアスタイルだった。

当時のフォークシンガーは、ディランをヒーローとする人は多かった。

ディランは、当時のフォークシンガーたちにとって、頂点のような存在だった。

で、そのディランがどういうヘアスタイルだったかというと。

ディランは、決して、肩まで届く長髪だったわけではなかった。

ディランの髪型は、パーマヘアーだった。くせ毛だったのか、それともパーマをかけていたのかは分からない。

私が思うには、もともと天然パーマぎみのヘアスタイルに、さらにパーマをかけていたのではないかと思っている。特に、ブロンドオンブロンドなどを発表した、とがりまくっていたピークの頃は。

だが、ディランに憧れていたフォークシンガーたちは、ディランの髪型を真似した人は少なかった。

そのことが少し不思議ではあった。

 ビートルズの髪型を真似したミュージシャンは多かったのに。

 

きっと・・

長髪は、単に伸ばせばいいだけだが、ディランのようなパーマヘアとなると、少し敷居が高かったのかもしれない。

パーマをかけるためには、美容室などに行かねばならないし、お金も通常の散髪料金よりも高くなる。

また、長髪にするよりも、ディランのようなチリチリ・クルクル・パーマにするのは、勇気が必要だったのかもしれない。

長髪は毎日少しづつ髪の毛が伸びてゆくから、その変化に自分の目も、周りの人たちの目も慣れていくが、ことパーマとなると、ある時突然ヘアスタイルが大幅に変化することになる。

だから、パーマをかけることは冒険だったのかもしれない。また、校則に引っかかる場合も多かったのだろう。長髪以上に。

 

でも、大学生になれば、中学や高校よりも制約はゆるやかな場合が多い。

なれば、ディランに憧れたフォークシンガーたちは、もっとディランの髪型を真似た人が多かったとしてもおかしくない。

でも・・・あまり見かけなかった。

それがちょっと不思議であった。

 

そのわけを、自分に当てはめて考えてみた。

すると・・・ディランのようなクルクルのパーマヘアに一定の憧れはしたものの、・・・・やはりそれをするには少し敷居が高い気持ちはあったし、それをやってしまって自分に似合うだろうか?という疑問もあった。

長髪なら、少しづつ伸ばしていく段階で、自分に合わないと思ったら、途中で切ることもできる。

だが、パーマとなると、自分では治せない。やってみて、自分に合わないという気になった場合のリスクを感じたことを覚えている。

ディランに憧れながらもディランパーマを真似した人が少なかったのは、私と似たような思いを持っていたからではないか。

 

とはいえ、パーマをかけるということに興味はあった。

なので・・・やがて私もパーマをかけてみた。

それは、長髪にウェーブのような、比較的「おとなしめ」のパーマであった。ディランのようなクルクルのパーマにする思い切りはなかったから。

これなら長髪に少しアレンジが加わった程度のものだったので、かけてみてけっこう気にいった。

なので、それ以来、床屋に行かずもっぱら美容室に行くようになり、行って髪の毛を少しだけ切って揃えて貰うたびに軽めのパーマをかけることが定番になった。

結局、その時から今に至るまで、ディランにあこがれながらも、ディランのようなクルクルのパーマはかけたことがない。

きっと・・・皆同じような思いがあったから、ディランにあこがれながらも、ディランのヘアスタイルまで真似する人は少なかったのかもしれないね。

 

フォークシンガーたちの中に、ディランヘアまで真似する人がもしも多かったら・・・・私も思い切ってディランのようなパーマをかけてみたかもしれない。

 

ヘアスタイルを変える・・・ということ自体は、けっこう冒険ではある。

横わけだったヘアスタイルをある日真ん中分けにする程度の変え方でも、当人にとってはけっこう決断ではある。周りの人が見たら、それぐらいなら大した違いではないのかもしれないが、当人にとっては、微妙な・・些細な変化であっても、それなりに冒険ではある。

それがディランパーマのような、大幅な変化であれば、なおさらだ。

 

いや・・・

ディランパーマなどまだおとなしいほうだ・・と言える髪型もある。

例えば、アフロヘアや、レゲエのドレッドヘアーや、 モヒカン刈りなどのハデで大幅な変化になる髪型ならなおさらだ。

普通の横わけや真ん中分けの髪型だった人が、リーゼントやアフロヘアやドレッドヘアやモヒカン刈りなどにする時などは・・・度胸が必要なんだろうなあ。

まあ、そのあたりの髪型は、元々の長さがある程度の長さも必要だったりもするだろうし、それなりの下地は必要ではあったろう。

 

と、ここまで考えて、ふと思ったことがある。

 

 

まてよ・・

もっと究極の髪型変化もある!

それは・・・坊主刈りや丸刈りだ!

これは強烈。

 

 

それらに比べたら・・・ディランヘアにするのは、まだおとなしいほうだろうな~。

 

 

ともあれ、何かの機会で、70年代のフォークシンガーたちの顔写真を見ることがあれば、ディランのようなクルクルのパーマヘアの人を探してみてほしい。

いたとしても、数は多くないはずだ。

単なる長髪の人はたくさんいても。

 

案外日本では・・・フォークソングを歌ってた70年代のフォークシンガーたちは、ディランというよりも当時の吉田拓郎さんみたいな髪型こそが、フォークシンガーの代名詞的存在だった・・・というのもあるだろう。

ということは・・

もしも、70年代の拓郎さんが、ディランみたいなパーマヘアであったなら、パーマヘアがフォークシンガーの代名詞的な髪型みたいな風潮になっていた可能性も・・・ある。

そんな気がしてきた。

 

 

それに比べたら、最近のアコースティック系のシンガーには、ショートヘアの人も多いし、昔に比べたらヘアースタイルの幅は広がっている気はする。

中には、諸々の事情で長髪にしたくてもできない人もいるだろう。

 

ちなみに・・・ピーク時のディラン・・・例えば「追憶のハイウェイ」などのアルバムの頃のディランは、パーマヘアーというより・・・当時の学校のクラスにいた不良の「つっぱりヘアー」に近い。

当時のクラスの「つっぱり族」はソウルミュージックなどに憧れている場合が多かったが、彼らがフォークを歌っていたら、ディランみたいになっていたのかもしれない???

今にして思えば、彼らにはジャクソンファイブとかスタイリスティックスを聴くより、ピーク時のディランを勧めてみればよかったかな~~。

そうしたら・・・いや、きっとフォークには行かなくて、一足早いパンクに走ったかもしれない?

当時のディランは、今にして思えば、けっこうパンクしてたし。パンク詩人??

 

ともあれ、あれこれ話は飛んだけど、初パーマをかける時は、けっこう冒険では・・・あったのだけは確かだったなあ。


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