わたくしが入社したての頃、社長様からこう言われておりました。
「ウチの会社は月の売り上げが200万円をクリア出来れば回るから、そこを目安に頑張ってくれ。」
との事でありました。
ザッと見ますと、作業内容は購入品が少なくて消耗品のみの購入で可能となるので、売上金額のほとんどが利益となる仕組みでした。
(しかも、消耗品の多くは倒産した会社からガメてきた物なので、実質毎月購入するような物はありませんでしたね。)
当時わたくし以外はパート従業員さん(4名程度)でしたので、利益のほとんどが人件費として消えても問題の無い構造であります。
(そのウチの60万円程度が社長様の給与となります。)
さて、そのような会社が最盛期には月の売上1,000万円を越えてしまったのでございます。
そこまでいった時は、さすがに売上金額の5割超が部品購入代金となる作業もありましたが、利益自体は桁違いでしたので社長様の懐(正確には会社です!)に想像を絶するお金が入り込んだのは想像に固くありません。
当時の社長様、ご機嫌麗しきこと正にこの世の栄華を極めたりといった趣にございました。
春は花見、秋には社員旅行、冬には忘年会と、従業員にも大盤振る舞いでございました。
(陰でなさっていた事を思えば、罪滅ぼしの思いもあったかな?そこまで純情な人間ではありませんね。)
しかし…そのような状況下にあり、一人密やかに危機意識を持つ方がいらっしゃいました。
事務員さんです。
事務員さんのご友人に、ベテランの事務員さんがいらっしゃり…
「急成長した会社には税務署が入るから、キチンとしておいた方がいいよ。」
とのご忠告を、再三に渡り頂いていたそうです。
当然、事務員さんはお金の流れを全て存じている訳ですから、懸念される材料もあったのでしょう。
売上の急成長にかなり貢献した作業が本格的に動き始めた頃、社内のみでこなすには明らかに無理なボリュームでしたので、わたくしは社長様へ一部作業の外注化を提案致しました。
(単純作業のみです)
その作業に適任であろうと思い、わたくしが以前にお世話になった方へと声を掛けてわざわざ会社までお越し頂いたのですが、事もあろうに社長様に愚弄され憮然として帰られてしまいました。
社長様はこの期に及んでケチケチ根性を発揮し、旨みの多い仕事を他の会社に びた一文分ける事はせずに全て社内でこなす事に決めたのでした。
(結果、報いを受けるのですから、因果応報なのでしょうね。)
しかし…社内でこなすには作業時間的に無理がありますし、恒常的に流れる作業で社内の労働力が支配されてしまうのはとても危うい事態です。
(パートさんの増員は固定費を増やしてしまうので、避けるべきとの前提でのはなしになります。)
かといって、社長様がその事態にも何ら対策をなさらず、パートさん達の負担だけが増えるのは明らかです。
(「時間外労働の増加」基本 単純な足し算も苦手な社長様なので、作業増加への対応なぞ己れの言葉一つで解消すると思っています。「早く作業を終わらせるように」)
そこでわたくしの次の策ですが、パートさん達のご家族の中で働いていなくて手が空いている方に小遣い稼ぎ程度で内職として依頼する方法です。
(品質管理の観点からいきますと、安心して外に出せますので。)
この場合に大前提となるのが、同居するご家族に所得が無い もしくは所得が少なくパートさんの旦那様の扶養に入られている事が必要となります。
(年間所得の絡みで他意はありません、子供は駄目です。)
社長様は我が意を得たりとばかりに、ご自身のお考えとして内職を募集して破格の金額で内職作業を始めたのでした。
(金額を聞いてバカだな~と思いました。「利益還元」と称して、事実上 日中の時給を大幅に上回る金額で内職に出しましたので、プチゴールドラッシュが訪れてしまいました…)
結果的にこの行為が、今後の悲劇を招くキッカケとなっていくのですが計算高い社長様には関係ございません。
わたくしは、社長様の行為の危うさに気付いておりましたので、近寄らず関わらずで社長様のご采配のみを眺めておりました…
有頂天におわします人間に諫言苦言を申し上げても、小馬鹿にされて損するのみです。
しかし、この様な事態となりますと人間の本性が表れるモノで、図々しく大量に内職を持ち帰る人間が出てきて、社内に微妙なるギクシャク感も生じます。
流石は社長様です、良かれと思って余計な事をなさるのが得意です。
真っ当に働く事が馬鹿くさい状態がしばらくは続きましたが、その翌年には大不況が訪れる事など誰も考えずに時間は流れてゆくのでした…
「ウチの会社は月の売り上げが200万円をクリア出来れば回るから、そこを目安に頑張ってくれ。」
との事でありました。
ザッと見ますと、作業内容は購入品が少なくて消耗品のみの購入で可能となるので、売上金額のほとんどが利益となる仕組みでした。
(しかも、消耗品の多くは倒産した会社からガメてきた物なので、実質毎月購入するような物はありませんでしたね。)
当時わたくし以外はパート従業員さん(4名程度)でしたので、利益のほとんどが人件費として消えても問題の無い構造であります。
(そのウチの60万円程度が社長様の給与となります。)
さて、そのような会社が最盛期には月の売上1,000万円を越えてしまったのでございます。
そこまでいった時は、さすがに売上金額の5割超が部品購入代金となる作業もありましたが、利益自体は桁違いでしたので社長様の懐(正確には会社です!)に想像を絶するお金が入り込んだのは想像に固くありません。
当時の社長様、ご機嫌麗しきこと正にこの世の栄華を極めたりといった趣にございました。
春は花見、秋には社員旅行、冬には忘年会と、従業員にも大盤振る舞いでございました。
(陰でなさっていた事を思えば、罪滅ぼしの思いもあったかな?そこまで純情な人間ではありませんね。)
しかし…そのような状況下にあり、一人密やかに危機意識を持つ方がいらっしゃいました。
事務員さんです。
事務員さんのご友人に、ベテランの事務員さんがいらっしゃり…
「急成長した会社には税務署が入るから、キチンとしておいた方がいいよ。」
とのご忠告を、再三に渡り頂いていたそうです。
当然、事務員さんはお金の流れを全て存じている訳ですから、懸念される材料もあったのでしょう。
売上の急成長にかなり貢献した作業が本格的に動き始めた頃、社内のみでこなすには明らかに無理なボリュームでしたので、わたくしは社長様へ一部作業の外注化を提案致しました。
(単純作業のみです)
その作業に適任であろうと思い、わたくしが以前にお世話になった方へと声を掛けてわざわざ会社までお越し頂いたのですが、事もあろうに社長様に愚弄され憮然として帰られてしまいました。
社長様はこの期に及んでケチケチ根性を発揮し、旨みの多い仕事を他の会社に びた一文分ける事はせずに全て社内でこなす事に決めたのでした。
(結果、報いを受けるのですから、因果応報なのでしょうね。)
しかし…社内でこなすには作業時間的に無理がありますし、恒常的に流れる作業で社内の労働力が支配されてしまうのはとても危うい事態です。
(パートさんの増員は固定費を増やしてしまうので、避けるべきとの前提でのはなしになります。)
かといって、社長様がその事態にも何ら対策をなさらず、パートさん達の負担だけが増えるのは明らかです。
(「時間外労働の増加」基本 単純な足し算も苦手な社長様なので、作業増加への対応なぞ己れの言葉一つで解消すると思っています。「早く作業を終わらせるように」)
そこでわたくしの次の策ですが、パートさん達のご家族の中で働いていなくて手が空いている方に小遣い稼ぎ程度で内職として依頼する方法です。
(品質管理の観点からいきますと、安心して外に出せますので。)
この場合に大前提となるのが、同居するご家族に所得が無い もしくは所得が少なくパートさんの旦那様の扶養に入られている事が必要となります。
(年間所得の絡みで他意はありません、子供は駄目です。)
社長様は我が意を得たりとばかりに、ご自身のお考えとして内職を募集して破格の金額で内職作業を始めたのでした。
(金額を聞いてバカだな~と思いました。「利益還元」と称して、事実上 日中の時給を大幅に上回る金額で内職に出しましたので、プチゴールドラッシュが訪れてしまいました…)
結果的にこの行為が、今後の悲劇を招くキッカケとなっていくのですが計算高い社長様には関係ございません。
わたくしは、社長様の行為の危うさに気付いておりましたので、近寄らず関わらずで社長様のご采配のみを眺めておりました…
有頂天におわします人間に諫言苦言を申し上げても、小馬鹿にされて損するのみです。
しかし、この様な事態となりますと人間の本性が表れるモノで、図々しく大量に内職を持ち帰る人間が出てきて、社内に微妙なるギクシャク感も生じます。
流石は社長様です、良かれと思って余計な事をなさるのが得意です。
真っ当に働く事が馬鹿くさい状態がしばらくは続きましたが、その翌年には大不況が訪れる事など誰も考えずに時間は流れてゆくのでした…