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やまがた好日抄ーⅡ

低く暮らし、高く想ふ! 
山形の魅力を、日々の関心事を、気ままに…。

『惑星空間』

2022-07-22 | 音楽


ジョン・コルトレーン( John William Coltrane)が亡くなって、この7月で55年といふー。

けれど、小生は、まだ彼の音楽の呪縛から逃げられないでゐる。

嫌ひになった歌手もたくさんゐます。
嫌ひになった指揮者もたくさんゐます。

けれど、コルトレーンの音楽はずっと聴き続けてゐる。
理由はいまだに、まったくわからない。

心休まる音楽でもなく、むしろ、胸をかきむしられるやうな音楽ですが、世相的に変な云ひかたですが、さう、信者のやうに聴き続けてゐる。

以前は『惑星空間』といふアルバム名でしたが、最近は『インターステラー・スペース』( Interstellar Space)に改題されたやうです。

彼の死の半年前の録音ー。
二年前に突入してしまったフリー・ジャズへの試みは、客観的にみてもとても成功したとは思へず、音のカオスだけの世界で、その先の光明すらも見つからないまま、鉄壁だったサイドのメンバーも失ひながら、数枚のアルバムを遺言のやうに残して癌で死去する。

そのなかの一枚で、デュオの形式を取り、ドラムスのラシッド・アリとの丁々発止ぶりが圧倒的に素晴らしい!




伝説4

2022-01-08 | 音楽
中森明菜を聴きだしたのは、いい大人になってからでした。

高校生から二十歳前後までは、当時流行ってゐたフォークソングといはれるものに心酔し、やがてハードロックといはれる(Pink Floyd、 Led Zeppelin、Emerson Lake & Palmer、King Crimson 等々)音楽に没頭してゐました。The Beatlesはさほど好きではなく、レコードを買った記憶もありません。
やがてジャズとクラシックにのめり込みますが、中森明菜に逢ったのはその頃でせうかー。

破竹の勢ひでヒット曲を飛ばし、時代を牛耳るほどの存在感を示しながら、その後の存在感がいまひとつ薄いのは、私生活での諸々のエピソードはともかくとして、やはりうまく大人の歌唄ひに変遷できなかったからなのかしらんー。

カバー曲のCDなどもほとんど聴きましたが、最初はともかく、正直段々と飽きてきてしまふ。
もうすでに、声域は狭まり、悲しいほどのインパクトの弱さばかりが気になるー。

バブル全盛期の時代、時代を反映するやうに、この「BLONDE」はまさに伝説の姿です。

【中森明菜】BLONDE 白金菜 夜hit 1987.07.15

HD REPAIRE
4K分辨率修复
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歌词来源:网易云音乐
感谢歌词提供者~
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youtube#video

 


ちなみに小生、中森明菜の一番の愛聴曲は「ジプシークィーン」です。
これを国安わたるがカバーしてゐます。カバーといふより、自作ですが、絶品です。
中森明菜では歌ひきれなかった、勁い女の姿が浮かび上がってきます。
OGPイメージ

ジプシークィーン - 国安わたる

youtube#video

 




伝説3

2022-01-03 | 音楽
若い頃、毎日のやうに柳ジョージ&レイニーウッドを聴いてゐた時があった。

きっと、FM放送か何かでその歌声に魅了されてだったと思ふ。
そしてアルバムを買ひあさり、毎日のやうに聴いてゐた。

もちろん今も好きで時々聴く。
大人の音楽であり、大人の声だと思ふ。

ずゐぶんと前にヨーロッパへ旅行した時、イタリアのミラノに泊った。
食事をして、夜の街へ出かけて、ひどく驚いた。若い人がほとんどゐなかった。いはゆる、ガキもゐない。
寒い季節で、男も女もみな上質のコートに身を包み、まるで映画のワンシーンのやうにそぞろ歩いてゐた。

大人の街だと思った。今はさすがに状況は違ふでせうけれどー。

柳ジョージ&レイニーウッドの歌は、大人のブルースであり、大人の声です。
昨今の私小説的な世界ではなく、その歌の世界も広い。

有名になって、彼らの曲はのちにCMに使はれたりもしましたが、小生は初期の頃の次の曲が途方もなく好きです。

OGPイメージ

柳ジョージ&レイニーウッド 『 FENCEの向こうのアメリカ 』

「グレイテストヒット20」

youtube#video

 


OGPイメージ

柳ジョージ&レイニーウッド 『 ヘイ・ダーリン 』

「グレイテストヒット20」

youtube#video

 



伝説2

2021-12-23 | 音楽
グレン・グールドの演奏にたまげたのは、多分に漏れず、バッハでした。

昨今のやうなピリオドスタイルが定着する前、バッハの鍵盤作品の演奏は遅いテンポの重厚な演奏が主流でした。
まるで、それがバッハの正当な姿かのやうにー。

それに風穴を開けたのが、グレン・グールドでした。
たしか、彼のバッハを最初に聴いたのは、インヴェンションとシンフォニアでした。
なんと軽やかタッチ! なんと聴いてゐて楽しいバッハ!

そののち、彼のバッハ録音はすべて収集しました。
その中の最高峰にして、至宝ともいへる『ゴルドベルク変奏曲』の録音がこれです。

[HD] Bach's Goldberg Variations [Glenn Gould, 1981 record] (BWV 988)

Record from 1981, you can check the so different 1955 recording versio...

youtube#video

 


よくはわかりませんが、録音と同時の動画でせう。
周知のやうに、グレン・グールドは演奏活動の絶頂期にコンサートでの演奏を止め、若くして録音活動やTV出演等だけの演奏家になります。
動画にあるやうに、低い椅子に身をかがめ、日本のヤマハのピアノで二度目のゴールドベルク変奏曲を弾いてゐます。
彼の録音にままありますが、低く歌う声やうなり声なんかも入ってしまってゐます。
(さすがに、ディレクターはやめてくれー!と云ったらしいですが、聞き入れることはなかったやうです。嫌がる方も多いやうですが、小生は決して嫌ひではなく、結果一体となったバッハは好きです。さすがに、モーツァルトでは気にはなりますがー。)

24歳でゴルドベルク変奏曲で衝撃的なデビュゥを果たし、50歳でゴルドベルク変奏曲の再録音を終えて、人生50年で終はる。
この、ほぼ遺作の録音を幾度聴いたかわかりません。
まう、彼の死から40年ほどが経過してゐるのですが、この録音には彼が志向したバッハ演奏のすべてではないにしろ、ひとつの到達点が刻み込まれてゐるやうに思ひます。
そして、これ以降ももちろん色々な演奏家が技巧を駆使してゴルドベルク変奏曲を演奏し録音してゐますが、少なくとも小生は、この録音を凌駕したものには出逢っておりません。




伝説

2021-12-19 | 音楽
今は、JAZZ喫茶なんていふ形態もないのかもしれませんが、若い頃は、JAZZ喫茶に入りびたりでした。

新宿に通ってゐた店が数件あり、入れば珈琲ひとつで数時間を過ごす。
禁煙などといふ発想がない時代ですから、店内は雲海のやうにタバコの煙がたちこめ、その中である者は天を仰ぎ、ある者はテーブルに頭を埋める。
小生、ほとんどリクエストはせず、壁に埋められた巨大なスピーカーからの音に身を委ねてゐましたー。

John Coltraneの音楽に出会ったのはその頃でした。
おそらく、最初に買ったJazzのレコードがMiles Davisのもので、その中でとても荒っぽくサックスを吹いてゐました。
Miles Davisに”下手くそ!”と罵倒されたとかいふ荒っぽさー。
でも、妙に引っかかるその荒っぽさー。
でも気が付けば、すでにColtraneはこの世を去ってゐました。
それから彼のレコード、やがてCDをほとんど買ひ集め、彼に関する書籍を読みあさり、今に至るまで聴き続けてゐます。

動から静へそしてまた動へ、その振幅の激しさに聴くたびに言葉を失ひ、
今どきは、もっと軽快で美しいJazzが多いのですが、時代とはいへ、クソ真面目なまでにJazzに自らを投影し、ほとばしる即興へ自らの倒壊をも厭はない姿ー。

晩年の名作『至上の愛』です。全4章の組曲です。

John Coltrane - A Love Supreme [Full Album] (1965)

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今聴いても、そんなにマジになるなよ⁉ といふ演奏です。
今聴いても、もっと楽しくできないの⁉ といふ演奏です。
でも、何十回聴いても、最初の出だしから、即座に居住まひと襟を正さざるをえない至高の演奏です。