goo blog サービス終了のお知らせ 

やまがた好日抄ーⅡ

低く暮らし、高く想ふ! 
山形の魅力を、日々の関心事を、気ままに…。

哭き唄

2021-12-16 | 音楽
JUJUのカバー曲は結構聴いてゐたのですが、なぜか、この代表作を聴いたのは最近です。
そして、すっかりハマり、ウォーキングの歩き始めは常にこの曲から歩いてゐます。
その訳は自分でもよくわからず、勿論途中からアップテンポのものに切り替へるのですが、
スターターの曲として、この哭き唄が至極気に入ってゐます。

OGPイメージ

JUJU - この夜を止めてよ (HALL TOUR 2016)

この夜を止めてよ 『ギルティ 悪魔と契約した女』主題歌

youtube#video

 


哭き唄といへば、Gipsy Kingsのこの曲も、画面の悲壮感と相まって愛聴曲のひとつです。
OGPイメージ

I retrieved my video...Gipsy Kings..."Trista Pena"...

Gipsy Kings "Pena Penita"... Movie "Guzaarish" HD...
https://www.youtu...

youtube#video

 


そして、宇多田ヒカルの母親の唄ー。
彼女のカバー曲も至極よく、自殺の前には、いはゆる演歌系からは離れてゆきたかった兆しも垣間見へます。
OGPイメージ

藤圭子 別れの旅 別テイク アルバムバージョン

1972年、アルバム「別れの旅」収録曲

シングルバージョンとアルバムバージョンの違いとは

ミキシングの違い
・シングルには全体にエコーが...

youtube#video

 



マタイ受難曲

2021-12-12 | 音楽
在京のころ、バッハの『マタイ受難曲』に出逢ひました。

首都圏でバブル経済が最盛の時-。建築業界にゐました。
高額な案件が次々に飛び込み、仕事は退きも切らず続き、朝の 6 時 過ぎに家 を出て、最終急行で夜の 12 時近くに帰宅の日々-。
食事をし、風呂へ入って寝るまでは30分ー。
それが毎日続き、休日も月に一度か二度-。
ひと月の残業時間が平均で100数十時間。酷い時は、ゆうに150時間を超える。
1/3ほどは残業代として支給されるが、残りはすべてサービス残業。
いまなら、完全にアウトですが、業績を上げれば、確実に給料と賞与も上がる。
そんな時代です。

事務方の女子は、定時に終はるとロッカー室へ急ぎ、出てきた姿はピチピチの短いスカートにワンレングスの髪型に変はりー。
これからジュリアナへ踊りに行くといふー。
そんな時代です。

新宿での打ち上げの後(確か、師走ー)、酔ひつぶれて帰った夜、何故か目が覚めて眠れない。
確か翌日は久しぶりの休日ー。ままよー、と自分の部屋でFMを聞き出すと、重く引きずるやうな曲が流れてゐた。

それまで、ロックやジャズを聴き、クラシックは有名な作品くらゐだった小生は、始まってゐたその合唱に金縛りにあったやうに聴き続けました。
何の曲かもわからない。何の物語かもわからない。勿論、ドイツ語なぞわからない。

けれど聴き続けるごとに酔ひは醒め、曲のなかで、何かが何処かへ向かって収斂されてゆくただならぬ気配を感じてゐました。
そして、最後のコラールが終はり、1分ほどの静寂ののちに称える拍手がひとつ、ふたつと沸き起こり、やがて堰をきったやうな拍手に変はりました。
3時間余の演奏を聴きながら、不覚にも、なぜか幾度も涙を流してゐました。

急いで手元にあったFMファンといふ雑誌で詳細をみると、バッハのマタイ受難曲だったことがわかり、記憶が定かではありませんが、クルト・マズアがライプツィヒ・ゲヴァントハウスを指揮しての演奏だったと思ひます。

それからこのかたまで、ほとんどのマタイ受難曲のCDを買ひ集め、YouTubeが世に出てくると数限りない演奏に出逢ひ、書棚の一角はそれらで溢れてゐます。

有名な演奏家や、ヨーロッパの市民オーケストラやら、いろいろなものを聴き、感動をしてきました。
(個人的には、余りにもこけおどし的なアルノンクールの演奏と、旋律をただただ美しく奏でるカラヤンの演奏を除いてー)

おそらくは、当時の教会の上層部に云はれて、信者を集め、信者を陶酔させられる曲をと(当時は、畳一枚ほどもある大きな挿絵のやうなものをめくりながら演奏が進行したといふ)バッハが渾身の能力を注ぎ込んだものでせう。
確かに、小生、パリのノートルダム大聖堂へ行ったときに、圧倒的な大空間の中で、圧倒的な暗さの中で、注ぎ込む色鮮やかな光を浴びてこの曲を聴いたら、”ハイ、信者になります!”、”ハイ、イエス様を信じます!”と即答する錯覚に陥った経験があります。

とまれ、以前のブログにも書いたことですが、小生にとってこの曲は、決してイエスの受難の物語にとどまらず、”お前は、どう生きてきたのか?、”お前は、これから、どう生きてゆくのか?”を常に対峙させる唯一無二の音楽です。

最近では、このフェルトホーフェンの演奏が最愛です。

Bach - St Matthew Passion BWV 244 - Van Veldhoven | Netherlands Bach Society

The St Matthew Passion performed by the Netherlands Bach Society for A...

youtube#video

 

派手さはありませんが、ピリオドスタイルで時代考察も踏まへ、誠実に音楽を紡いでゆく姿に感銘します。


生きるすべ

2021-12-07 | 音楽
ジプシー(あへて、この表現でー)やフラメンコの音楽に興味をもったきっかけは、ジェシー・クックの奏でる音でした。

偶然、相前後して、知人がフラメンコを県の施設で踊るので見に来いといはれ、イヴェントの企画も知人が参画してゐたので、すわ!とばかりに見に行きました。
生で見るフラメンコに感動はしたのですが、その時ちいさな違和感があって、以降もずゐぶんとフラメンコは見ましたが、その違和感が消えることはありませんでした。

何を異に感じたのか? それは、彼女たちが、まあ晴れ舞台でもありますので気持ちはわかりますが、とても楽しさうに笑顔で踊ってゐたことです。

以降、ジプシーの起源や成り立ちを調べてゆくと、その違和感がぼんやりと見へてきます。
中近東や、東欧や、その他の地域から、生きるために移動を続け、生きるために身ひとつの彼らが得たのは、唄うこと、踊ることでした。
それは、日銭を得るものでもあり、遥かに失った故郷を懐かしく思ひおこすものでした。また、時には男を誘惑するための有効な手段だったのかもしれません。

ジプシー音楽やフラメンコは、YoutubeやCDでもかなりの数を見聴きしましたが、小生は、やはり原点に近いものに胸を打たれます。
もちろん、若い世代では、いつまでもそんなことをー、と新しいスタイルの音楽を作る波もたくさんありますが、やはり、素朴なものを好いてしまひます。

そのひとつが、これです。
路地裏で、仲間たちで唄ひ踊る姿で、いつ見ても心に突き刺さります。

Tangos de Graná - Silvia del Lolo - Granada

Bailaora: Silvia del Lolo
Cantora: Carmen Heredia Torres
Cantor: Migue...

youtube#video