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倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

グルック作曲 オルフェオとエウリディーチェ

2022年12月26日 | 日記
2022年秋のシーズンは
Opera Northのお仕事と
普段の教えるお仕事との両立で
明け暮れました。
グルック、面白いのかなあ〜?
と半信半疑でしたが、
歌手アリス・クートさんのオルフェオ
そして
アントニー・ヘルムス氏の情熱的な
メリハリある指揮が
このオペラの魅力を倍増。

どの公演も感動的でした。




グルックは、
いわゆるバロック様式のOperaを
クラシック様式へと移行していった先駆者。
具体的には
バロックオペラでは
レチタティーヴォ・セッコがメインで
通奏低音のみで進められる所、
グルックのオルフェオは常に
レチタティーヴォ・アカンパニャート。
弦楽器がレチタティーヴォを伴奏。
テオロボが無い分
どう上手くチェンバロを絡ませるかは
結構大事です♪
ジャラジャラ鳴らし過ぎるのも、
あまり聞こえないのも
ダメ。
歌手のペースにピッタリ合わせて
アルペッジョを入れたり
速度を調節したり。
勿論何度も自分が歌手のパートを
歌って練習しました。
指揮者アントニーにも良いアドバイスを頂き
公演迄には
納得のいく様になりました。




今まで単発でしか
伴奏した事のなかった
Che farò senza Euridice のアリア。
実は特に良いと思った事のない曲でした。
ところが
この曲の直前のエウリディーチェの死の場面が
大変ドラマチックに書かれていて
そこを効果的に持っていった
アントニーの指揮と
囁く様な美しいピアニッシモで
途方に暮れるオルフェオを歌うアリスが
この曲の意味を教えてくれました。
弾いていて
涙がツルツルと
こういう風に演奏すると
このオペラが傑作だと確信出来るという
名演奏でした。






そんな公演の中で弾けたのは
貴重な財産でした。
感謝で一杯です。
ありがとう❣️









ヘンデル組曲アルバム収録に向けて

2022年08月16日 | 日記

この夏のヘンデル組曲8曲と
シャコンヌの収録。
BBC音楽誌に予告まで出して頂き
目下猛練習中です。

パリで遊び過ぎました。
😂
ポータブルキーボードは
やっぱり限界ありすぎ。


無いよりマシくらいな感じでした。
帰ってきてから
まるでロックダウンな日々です。
ヘンデルは
即興の天才だったからか




バッハよりも
気難しくなかったのか




兎に角
演奏者に判断が委ねられている部分が
大変多く、
その分色々と
悩むことも多いのです。
寝ても起きても
アレコレ悶々。



ローレンス・カミングス氏に
SOSを発信したら
多忙な中
緊急レッスンをして下さり
少し壁を突破。

でもやっぱり
一進一退な毎日です。

そしてロンドン猛暑






気持ちの切り替えに
猫とお喋りなど、




ずっと弾いているからか
何個も爪が折れちゃいました。
今日は渋々メンテ。



ヘンデルさん、降りてきて下さい❣️
🙏







パリの休暇

2022年08月16日 | 日記
知り合いの所有する
屋根裏部屋に
滞在させて頂けることになり、
パリで一週間休暇を楽しみました。
ぶらぶら訪れたのは:

オランジェリー美術館
流れる様に美しい空間に
感動してしばらく時が止まりました。







ヴィクトル・ユーゴの家









エッフェル塔と人類史博物館(レジスタンスの発端だったので碑がありました)







ショパンとプーランクのお墓
大のプーランク好きで
歌曲、チェロソナタ、ソロの曲
一杯弾いたので
墓前でその旨を報告。
ショパンさんは
一応ピアニストの端くれとして
必須かなと。





オペラ座ガルニエ
シャガールの天井画
やっと拝めました。







以前ベルギー🇧🇪を
一緒に演奏旅行した
フランス人歌手の友人と
久々の再会!






彼女はこの間
ローザンヌのオペラ座で
ウェルテルのシャーロット役、
来年2月に
マルセイユのオペラ座で
カルメン役と
今売れっ子のメゾソプラノ。
ものすごい頑張り屋さんで
芯が強いけれど優しく
いつも良い刺激を貰っています。
😻
パリの街は
ロンドンに比べて
やっぱりお洒落。











カフェも素敵で、
クロワッサン🥐もクレープも美味しい❣️

何故か戻ったら
ロンドンが
清潔で便利に思えました。

😂



勉強の甲斐あってか
フランス語🇫🇷時折通じました。
でもまだまだ壁は厚ーい。💦










久々の薔薇園〜リージェントパーク

2022年05月31日 | 日記
ひょっとしたら7年ぶり?
かもしれません。
前回ココに書いたのは
7年前のようです。

リージェントパーク内の
Queen Mary‘s garden 薔薇園🌹。
近くに行く用事があり
ついでに立ち寄りました。






しかし昨日は
ロンドンの典型的な曇り☁️
気温も10度ちょっと。
冬の様なお天気でした。
未だ7分咲きくらいかもしれません。


“Take it Easy”😂 
励まされているようです。
ありがとう💕
薔薇の名前も
ここを散策する楽しみのひとつ。





学生の頃
行き詰まると
ここに来ていたなあと
懐かしく思い出し
時の流れを
感じるひと時でした。














客観性の獲得

2022年05月29日 | 日記
音楽家にとって
最も要となるスキルは、
客観的に自分の演奏を聴く力だと思う。
ただし
これが1番難しい。

人間は主観的な生き物だから
100%自分を客観視するのは
不可能。

自分の演奏を録る→チェックする→さらう
→録る→チェック→さらう
これを2度くらい繰り返す。

このプロセスは
必ず自己嫌悪を伴う。
でも
良薬口に苦し。
改善出来た際には
満足感も多少味わえる。


もうひとつ必要なのは
弾いてない時も
曲の事を考える時間を
意識的に作る事。

そんなこんなで
私の場合
本番の前は
しばらく社交性が欠落する。
友人からの誘いを断り
教える仕事も
最小限に減らす。
結構孤独なり。
😂
なので
こうして書いたり、
孤独は大事だと
自分を励ます。
ついでに
何でオマエはいつも家にいるんだ?
と猫にも迷惑がられる。

そういえば
猫の目を通して
自分を眺めるのも
ある意味客観性の獲得だ。
何度読んでも
「吾輩は猫である」に惹かれる理由は
そこかもしれない。