『だーかーらー!悪かったと言ってるだろう!何もしてないと言ったぞ!』
『そんなの知りませんっ!大体、わたし、寝てて解んないですっ!』
『解んないんだったら、怒る必要ないだろう!』
『怒ってるんじゃありませんっ!』
明け方、スタッフがこちらに迎ったが、数キロ手前で立ち往生しているとミニョを抱いたまま聞いていた。
雪崩で倒れた木を避ける為に機械に頼らざる負えなくて、慎重に . . . 本文を読む
一体その状況を俺にどうしろと言うんだあいつは・・・
とそんな事を考えながら仕方が無いからそこへ近づいてみた
いっそ、このまま蹴飛ばしてやろうかと
確かにそう思うあいつの気持ちも解らなくは無いなとそう思いながら
では、どこから手を付けるとそれを見下ろした
正確にはそれらを
いや、そいつらを
いや、そんなの何でも良い
が
その状況は、とてもじゃないが幸せそうですねと笑って許せるものじ . . . 本文を読む
いつから愛に変わったか
いつからお前を見ていたか
いつからお前を追いかけたか
いつから
俺はお前を離せなくなったのか
この手を振り払って
この手をすり抜けて
この手を握り返したお前の手を離し
いつから
俺はお前を愛している
時とともに深くなる感情(きもち)に
俺はお前を抱きしめずにはいられない
いつから好きだったのか
いつから好きだと気付い . . . 本文を読む
ふたつの月が並び立ち
同じ顔して笑顔を零す
同じ姿で腕を上げ
同じ速度で遠ざかる
ふたつの月の片方を繋ぎ
伸ばした腕で引き止めて
腕を廻せば静かに跳ねる
見上げる顔の両頬が
染まる色を楽しみ見つめ
. . . 本文を読む
ポトンと落ちた丸い雫を
まるで
スローモーションの様に見てた
丸い粒の塊が
大きな粒に続いて小さな粒へと大きさを変えて
次々大地に吸い込まれていった
ポロポロ零れる涙の列が
後から後から零れ落ち
やがて粒がなくなった頃
それは一筋の線になっていた
空を見上げて涙を堪えるお前に
何かを決心したような顔で目を閉じるお前に
俺は
俺は
得体の知れない感情を抱えていた
その顔 . . . 本文を読む
見慣れた
見慣れた笑顔の下に
張り付いた
張り付いた表情が
いつでもあって
それが
それが本当の貴方だと
気付いた時には既に遅くて
捉われて
囚われてしまったわたしは
この腕から逃げ出せない
見慣れた
見慣れた泣き顔の下に
いつでも
いつでも凛とした表情があって
お前のお前の本当の顔を
捜して
捜して
辿り着けない俺は今でもお前に囚われてる
& . . . 本文を読む
重ねた身体の時間分だけ
お前に愛していると告げてきた
重ならない身体の時間分だけ
お前に愛を囁き続け
振り向いて
振り向いて欲しいのに
お前の手の先にはいつでもあいつの腕があって
まるで蝶番
自由に
自由にお前を飛ばしているあいつは
結局お前と繋がっているんだな・・・・・・ . . . 本文を読む
何度も何度も思いを消そうとして
諦めようとして
諦め切れなくて
何度も何度も立ち止まって
振り返って
消えない・・・
消せない
綺麗だね・・・・・・
綺麗になったよ
ドキドキする左胸が
ワクワクしていた心臓が
今はとっても痛いよ
嬉しそうだね
楽しそうだ
俯く顔を見るより
泣いてる顔を見るより
笑ってる顔を見るのが好きだよ
けれど
どうして俺じゃなかった . . . 本文を読む
手を出せって
言われたから
手を出した
あなたの顔に普段とは違う表情を見つけて
少しだけ不安になった
わたしの手を引き寄せて
じっと手のひらを見つめて
何も言わない数秒が数分にも感じられ
思わず胸に手を当てた
それを見ていたあなたが
綺麗に笑ったから
また不安になった
『何をされるのですか』
と聞いたのに答えてくれなくて
変わりにあなたの胸に転んでしまった
あまりに近 . . . 本文を読む
抱きしめる度に
思うんだ
お前はどんどん綺麗になって
変わっていく
その度に俺は
お前に置いていかれない様に
もっと
もっと
頑張らなければと思う
こんな話をお前にしたら
きっと
お前はこう言うんだろうな
『オッパに釣りあう様に頑張っているのです!まだまだです』
きっとそう言って
拳を握って笑うんだろう
でも
お前は気付いていないんだろうな
それが
お前をどんど . . . 本文を読む
水面に浮かぶ月が
その姿を変える
吹き抜ける風が止まって
その姿が戻る
俺はお前にとって風だったのか
お前は水面に浮かぶ月だった
風にゆれ水面に揺らされて
姿を変えた
見上げる空に浮かぶお前は遠い
. . . 本文を読む
何度も何度も口付けて
何度も何度も交わされる
お前の思いを攫いたい
あなたの思いを独占したい
俺の思いをお前に注ぎ
わたしの思いをあなたに流し
俺の内へと閉じ込めたい
わたしの内に溺れて欲しい
. . . 本文を読む
ドア一枚隔てた向こう側に愛しい女が佇んでいる。
壁に背をつけて、俯く姿は憂いを帯び、悲しみを湛えているだろう。
そんな姿を容易に想像できる俺は、もうどのくらい、
ここから動けずにいるのだろう。
待っている事を十分に理解している。
両手に抱えきれないほどの花束を用意して、お前の元に
行こうと思ったんだ。
けれど、俺はここから動けない。
もう、何分も。
時間だけが刻々と過ぎ、時計の針 . . . 本文を読む