ふわふわしている雲の並木道を抜けると、
山のように積み重なった高い雲の真ん中辺りから、
霧が湧き出て下へと注がれている。
滝壺というのか、霧雨の飛び散る空間で
小さな天使達が裸ではしゃいでいた。
ミニョたちに気付くと、手を振って挨拶してくる者もいる。
そこをぐるっと回り込んで暫く行くと
雲で出来た大きな4本の柱が見えてきた。
その中央に真っ白なテーブルが置かれ、
その上に顎だけを . . . 本文を読む
緑の絨毯の中に降り立った天使は、大きく両手を広げて空気を吸いこんだ。
『おはよう!みんな!』
目を閉じて深呼吸をする。
空を見上げると、満面の笑みを浮かべて、くるっとその場でターンをした。
腰に手を当て左右を見渡すと、小さな動物達が木陰から覗いている。
そちらに向かって手招きをすると、ミニョの周りに集まってきた。
『ふふ。今日も一緒に遊んでね』
足元を確認するように動物達に向かって言 . . . 本文を読む
『・・・ふわぁーぁー!!』
大きく両手を上げて伸びをしながら、ミナムが空を見上げた。
辺りはすっかり暗くなっている。
黒いキャンパスに、白く輝く星がたくさん煌めいているのが見えた。
一際輝く大きな星が、辺りを薄く照らしている。
雲に反射して白い光を一面にもたらしていた。
首を横に向けると、隣で同じ顔がすやすやと寝息を立てている。
組んだ腕の真ん中に顔を乗せていた。
『なーんだ!ミニ . . . 本文を読む
何故、この先に進めないのかと、テギョンは悩んでいた
鍵盤を叩く指が動かない。
じっと指を見つめては、何度も同じ曲を弾きなおす。
決まって、同じところで、指が、止まる。
小さな子供の手だから、指が届かないというのではない。
片手で弾く分にはリズムは取れる。
気持ちのいい音階を刻んでいた。
しかし、両手で弾こうとすると音が、乱れる。
思っているような和音を引き出せずにいた。
それが気 . . . 本文を読む
真っ白なふわっふわの雲の上で、寝転がる少女がひとり。
両手を頬にあてて、肘をつき、曲げた膝で足をばたつかせている。
『あぁー!? また間違えた!』
首を傾げて残念そうな顔をした。
『うーん!?何故でしょうか!?前は、そんなこと全然なかったです!』
何かを見下ろしながら、ひとりぶつぶつと言っている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『ミーニョ!何してるの!?』
頭 . . . 本文を読む