「夢見るメリーゴーランド」

「夢見るメリーゴーランド」


ロンドンに住む娘からのメッセージが、ある静かな午後に私の携帯に届いた。それは7年前、ベニスのサン・マルコ広場にあるカッフェ・フローリアンで撮った写真だった。写真の中で私は、島を歩き疲れてカフェの椅子に深く沈み込み、夢の中へと旅立っているようだった。

ベニスへの訪問は、いつも私にとって不思議なメリーゴーランドのようだ。街は変わらず、しかし私は変わっていく。時の流れを感じさせるその場所で、私は日々、季節、年を経るごとに変化する自分自身を見つめ直す。メリーゴーランドの馬が上下に動くように、私の人生もまた、高低を繰り返しながら前に進んでいる。そして、そんな馬の上で、時々、私は遠く離れた記憶の片隅に佇む自分自身を見つけるのだ。

次にベニスを訪れる時、友人と共にコモ湖までのドライブを計画している。だが、私は思う。この旅もまた、何も変わらないメリーゴーランドの一部ではないのだろうか。そう考えながら、私はふと、カフェの椅子で眠る自分自身を夢見る。それは、現実と夢が交差する、不思議な旅の始まりのように感じられた。

「クリスマスの誕生：12月の三日間」

「クリスマスの誕生：12月の三日間」

大西好祐氏のイラスト

大西好祐

このイラストは、クラシックなスタイルのアートワークで、1950年代のハリウッドの魅力を感じさせます。描かれている女性は、当時の映画スターを想起させる洗練された美しさを持っています。彼女の特徴は大げさに強調されていて、派手な白いブロンドの髪、大きく開いた瞳、光沢のある唇、そして豪華な宝石がアクセントとして加えられています。このようなアートワークは、その時代の文化的アイコンへのオマージュであり、同時に現代の視聴者に古き良き時代のセンスを思い出させる力があります。

大西好祐氏のイラストは、確固たる技術と時代を超越したスタイルを見事に融合させています。この作品は、過去のエレガンスとグラマーを称賛しつつ、現代の技術を使って新しい生命を吹き込まれていると言えるでしょう。アーティストは色使い、シェーディング、そしてキャラクターの表情を通じて、強い個性と感情を伝えています。

『「It's a Wonderful Life」からの教訓』

『「It's a Wonderful Life」からの教訓』

毎年年末になると思い出す映画がある。それは「It's a Wonderful Life」、古くから愛される映画だった。僕はその映画を見て、正直に、真面目に生きることの大切さを感じた。しかし、その時の僕はまだ自分の将来について模索している最中で、その映画のメッセージは遠く感じられた。

大学の二年生になり、新たな土地での生活にも慣れ親しんだ僕は、勉強に励む日々を送る一方で、ガールフレンドとのドライブや遊びに明け暮れていた。アメリカの広大な風景を窓越しに眺めながら、僕たちは時に沈黙を共有し、時には小さな笑いを共有した。しかし、そんな日々も次第に日常の一部となり、新鮮さを失い始めていた。彼女は僕の「つまらない」という不平不満に応えるように、その映画を僕に紹介した。

若さとは、特権のようなものだ。何度でもやり直しがきく。僕は色んな場所に足を運び、様々なことに挑戦すべきだと思った。人は地位を得ると名誉を求めるが、学歴は取り戻せない。だからこそ、僕はいい人生とは何かを今もなお思索している。窓の外を見ながら、遠くの山々に目をやり、そこに答えが隠されているような気がしていた。

メリークリスマス