各種建物19/09/01※住宅(1)住宅の一般問題:世界の建物の大部分は住宅である住宅は人間生活の基礎でありその社会的都市的環境的位置づけに注意深くなければ成らない特に地球温暖化で民生エネルギー使用に因る二酸化炭素ガス排出で住宅の占める総量は大きい。※都市の景観や環境変形での役割:住宅政策の重要性 地価上昇の中で土地所有処分権に対する公的規制が不十分な為大都市では緑や日照などの環境条件が刻々悪化している。今後住民が共同して環境改善を行う適切な方法を見出す必用が在る。国交省は住宅面積の誘導水準で示すように住居面積の誘導水準を出しているが住宅建設は専ら民間自力に依存している、公的事業としては公営住宅が在る、戦後の住宅時代には大きな意味があったが質、量共に十分ではなかった今日では公営住宅の住居権の私物化や老齢化が問題に成るだけで新しい時代の要求に合った事業としての視点が欠如している。公営住宅の社会的効果として都市社会構造の空き膳が在る。例えば地価高騰で若い世帯が都市中心近くに住む事ができない一方都市中心部分は事業機能に特化して住民が減り選挙定数も確保できない区がありまた高齢率が65%を超越えた限界集落的な状況になる場所が増えているここに若い世帯を呼び戻して都市を正常な形に戻す為、不要施設住宅の転換や公営住宅法に規定される既存住宅の借上活用で良好
各種建物(2)19/09/02※国民資産としての住宅:日本の住宅問題は先ずは戦後の質より量の問題から、量的に一応充足した量より質の問題に成ってきたそもそも長持ちする良好なストックで国民が安定した生活を営む事ができるこの様な資産は国民総生産様な指標に現れない自室的な豊かさでその点日本は乏しいまず日本の住宅の平均寿命が短い日本の住宅総数世帯使用の者は4600万是に対して年間住宅着工数は100万から、178万の間で上下し単純な割り算で住宅の平均寿命は30年から40数年になる。統計値の平成15年では5年間住宅滅失率8%滅失住宅の築後平均年数は30年であるこれは税法上の償却期限を大きく下回り欧米諸国に比べ半分以下である。木造が短寿命の原因と一概に考えるのは間違いで木造は100年長持ちする。問題は建物の社会的寿命即ち都市化に関連して早期に壊される事である先ず地価高騰の為相続税が払えず敷地が売却され優良な住宅が破壊されてきたが是に対し都市計画や土地制度でなんら有効な対策が取られていない。また要求の変化に対応できない間取り固定住宅や狭小住宅が早期に取り壊される事も原因の一つであるこの様な住宅を物としての観点から国交省は幾つかの政策を行っている。住宅の代替わり終期:イギリス141、フランス85、ドイツ79、アメリカ103日本30/年
各種建物(3)19/09/02※長期優良住宅:長期に渡り良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅である長期優良住宅を認定する制度長期優良住宅の普及の促進に関する法律が2009年6月4日施行され認定された住宅は融資や税制優遇措置が受けられるようになった。その認定基準として住宅基準は①柱や基礎などの構成部分が100年以上持つ事②一定の耐震性、省エネ性が在ること③内装設備の維持管理や間取りの変更がしやすいことが挙げられまた維持保全計画として住宅履歴書作成し10年ごとに点検する義務が在る。住宅の品質確保の促進に関する法律:長期に渡り利用される住宅建設に於いて契約の担保保障期間は民法では一年で特約で排除できる。この点で住宅紛争処理の為に住宅の性能の表示基準と、評価制度を設け住宅購入者の利益を計る為に1999年に住宅の品質確保の促進に関する法律が作られた。住宅の性能表示制度の元となるものっで新築住宅も既存住宅も適用され住宅市場の内容改善に役に立つ。品質評価の項目は、構造躯体の耐震、耐風、耐雪性能、耐火性、劣化対策、防犯に別れ夫婦に関する等級には例えは躯体に関しては500年に一度起きる災害の1.5倍地震や、1.2倍風雪など過剰な点があり、また劣化は三世代に渡り大規模な改修を必要としないなど社会的陳腐化に対する考え方に不明な点が在るがエネルギー性能や高齢化対策などの
各種建物(4)19/09/02新しい視点も盛り込まれている。地球温暖化対策で住宅の熱性能の改善が西欧諸国で意欲的に進められているが同法の現段階では温熱性能の項目が挙げられているだけで内容は具体的に決められていない。この様な住宅が集団として良好な市街地や景観を形成するには地域の風土の文脈と調和した工法の採用などに因る継承性持続性が必要で在る。いまだに他の先進諸国に比べ住宅に関する満足度は低い、各国とも大都市では住居面積が低いが日本は最悪に近く今日でも狭小住宅が多量に建設されている。※住宅の面積:日本の一人当たりの住宅面積の推移は1948年から10㎡/人であったものが、1993年までに順調に面積を伸ばし一人/30平方ーメートル、東京は一人/25平方メートルとなっている。戦前は10㎡/人程度であったが、1990年来には、全国で30㎡以上、東京で25㎡以上の程度になっていることがわかる。また関東大震災に因る東京の落ち込みまた、戦災で全国でも東京でも住宅が消失した中から回復と増大が起きている。しかし、一戸当たりの面積がこの率で増えている訳ではない戦前戦後派所帯人数が5.08人であったが、2005年の所帯人数が2.67と核家族化が進んだ従って全国的に見ると十分な面積を持つ伝統的な住宅も残っておりその再生や保存が重要である。
各種建物(5)19/09/03住居面積の誘導水準:A=単身住居、B=3人用住居、C=4人用住居、ア=最低水準㎡、イ=都市地域水準㎡、ウ=一般水準㎡。(A)(ア)25(A)(イ)40(A)(ウ)55(B)(ア)40(B)(イ)75(B)(ウ)55(C)(ア)50(C)(イ)95(C)(ウ)125先ほどのものは国土交通省の住居面積の誘導水準の最近の主な数値である。誘導水準を家族の人数によって分けるのはあまり意味が無いので4人用にまでを挙げている。単身者や老齢者用の小規模住宅も必用で在るが三世代を含めた標準家庭構成の不意の泊り客の余地を含めた住宅が賃貸住宅市場の中心になることが理想的である。国際比較数字統計は色々あるが実感に近いものを次に挙げる。戦後日本の住居面積は増えているが何時も欧米諸国に水を空けられているその原因は地価の高さである。A=日本、B=米国、C=独国、D=仏国、ア=平均住宅面積㎡、イ=地価指数。(A)(ア)85.8(B)(ア)136.1(C)(ア)119(D)(ア)105 総務庁より (A)(イ)56(B)(イ)1.7(C)(イ)4.4(D)(イ)3 不動産鑑定協会より地価は都市部と地方で大きな差があり比較が難しいが日本では地価を制御する政策が遅れ全国的に地価が高い。都市部全体の住居面積の数字を押し下げているのは戦後の歴史では木賃アパートである。是は庶民に因る庶民の為の住宅供給として戦後の大都市での
各種建物(6)19/09/03住宅難の中で大きな役割を果たしたその特徴は自宅の庭に建てる為地価が事業採算に含まれない事であり建物の投資は10年程度で回収できた。東京の場合建設の多かった場所は1900年来から1920年代の東京の都市化の時期に都市計画不在のまま市街地化した地域に略一致しており通勤に便利な山手線の直ぐ外側の木賃アパートベルト地帯と呼ばれる地域である。木賃の名の通り、木造の2階建て片廊下型の共同住宅であり、面積は6畳1間から1DKの10坪程度が一般的である。住居者は住宅地限定階層と呼ばれる若い世代で彼らは是によって現住接近の利便性を持つ住居を容易に見つける事ができた。1955年頃から建設が急増し1961年から65年までに東京都で建設された住宅の内64.8%が木賃アパートである。1968年の統計調査に因ると東京都の住宅ストックの29.7%を民営木賃アパートが占めその戸数88万戸、区部だけで80万戸に達し年平均役5万戸の割合で増加した。現在でも後に都市の章で触れる品川区戸越地区などは木賃アパートが400人/ヘクタールをこえる高い人口密度の元になっている。
各種建物(7)19/09/03最近では単身者住居特に投機的なワンルームマンションが問題であるその殆どが最低水準を越えても都市水準に達しない各自治体は建設規制をしているが狭小な住居を面積一杯に押し込む為どうしても住戸は東西に向き冷房に依存する不良住宅ストックとなっていくまた敷地の細分化に因るミニ開発で住宅地の環境が悪化している。戦後大都市に於いて量的には需要に応えられなかった公営住宅につぎ住宅公団が共同住宅を建てそれは民間共同住宅としてのマンション増大に繋がり今や大きな住宅市場を形成するに至った。他方大都市市街地で地価が高騰し一般勤労者が都市の職場近くに住む事は難しい。都心の区では事務所、商店などに機能が純化し夜間人口が空洞化する。これを防ぐ為近年オフィスビルと住宅を組み合わせて建設する指導が行われている。今後、人口世帯数の減少が見込まれ全国的には従戸数としては充足している。しかし老齢者の半分以上が100㎡以上の住宅に住む一方勤労生代の4人以上の世帯の3割近くが100㎡未満の住宅に住む現実が在る。また防災上危険な密集住宅市街地が全国でも8千ヘクタール以上ある。これらの発生する問題は優良な住宅の寿命を延ばす再生事業と都市環境改善事業そして、住宅の耐震耐火バリアフリーなどの性能向上であるだけでなく地球温暖化を防ぐ為コンクリート等
各種建物(8)19/09/03エネルギーを浪費する住宅建設よりも木造建築と建物再生を中心とした住宅整備に向かう事が望ましい。※エネルギー消費に於ける重み:※LCCO2:建設企画から建物破棄までの間に発生する二酸化炭素ガス量が今日重要な問題である。住宅の長寿命化はこの点で大きな効果が在る。20世紀に現れた建築材料や設計方法は将来持続可能でないものが多い。鉄やコンクリー鉄やコンクリートは生産に大量の化石燃料を使い原料の埋蔵量も限界はあり自然の砂や砂利が市場から姿を消したのは遥昔の事である。乾式工法で使用される石膏ボードは石油精製の副産物の脱硫石膏を原料とし同じく住宅気密化を齎したサッシュのアルミは電気の塊と言われる。その他合成樹脂系の仕上材や接着剤は主として石油製品で住宅内での有害ガスが高まる所謂シックハウスなど公害をもたらす。本来世界中何処でも建設地になるべく近いところで取れる材料を使って建築を建てて来た。日本の場合は木材でありこれは完全に再生産可能な材料である。しかし是までは輸入木材に頼り日本の林業を不審に導いた。今までの所輸入木材は安価でも輸送に使われるエネルギー問題であり
各種建物(9)19/09/04また地球規模での森林破壊に因る炭酸ガス濃度増加が指摘されている。※建物試用期間中のエネルギー使用量:この30年間に住宅エネルギー使用量は倍増しまた核家族化などで所帯数が倍増した為4倍になっている。その内約は全国的に見ると照明4割、暖房や給湯4割冷房2分である。日本の伝統的住宅には夏を旨とすべしと言われる様に高温多湿の夏を快適に過ごす知恵が在る。それは建築原論で学ぶ南面原則で建物の長辺を南面させ冬の太陽エネルギーを最大限に取り込み夏は深い廂(ひさし)で日差しを防ぎ南からの風の冷却作用を利用する事である。都市の高密化でこの原則の適用が困難になり西や東にしか面しない住居は年々暑くなる夏に冷房に頼るざる得ない。そして省エネルギーの為新建材で高気密化が進みシックハウスが起きる。また家電製品も含めて家庭が機械化しエネルギーの使用料が増えた。機械換気の進歩でコアー・システムが出現した図面に示す建物内部に水周りを集中する設計のコアーシステムはミース・ファン・デル・ローエのファンスワーズ邸やフィリップ・ジョンソンのガラスの家の影響で戦後の住宅建築で流行した。また住宅建築の高層化も
各種建物(10)19/09/04エレベーターを含めこの傾向を強めている。※ソーラーハウスから自家発電へ:戦後アメリカから始まった太陽熱利用を旨とするソーラーハウスは一部好事家の運動として世界中に広まったが住宅の熱利用として一般化したとは言えない。人類の未来を左右するCO2排出問題が国際的に火急性を持つ今日新たな目でこの問題を見る必要が在る。ソーラーハウスには機械的手段を用いるアクティブソーラーハウスは能動的発電と建物の性格や簡単な操作しかしないパッシブソーラーハウスの受動的発電がある。※パッシブソーラーハウス:前に述べた日本の伝統的住宅の広義のパッシブソーラーハウスと言えるが通風など自然の快適性を取り入れ歴史的知識の上に立つ洗練された立派な建築文化といえよう。それに比べ現代思考に基づいたソーラーハウスは未完成であり原則は魔法瓶のような家を作る事で幾つかの常套的(じょうとうてき)方法を使っている。①太陽熱の取り入れ:赤外線は通すが冬季に遠赤外線の散逸を防ぐ複層の波長選択ガラスの使用。冬季には南の窓の外にも赤外線を反射する金属製鏡を置き
各種建物(11)19/09/04太陽熱の取り込みを増やす場合も在る。②蓄熱:取り込んだ太陽熱や、屋内の上部に上った暖かい熱をコンクリートスラブなどに蓄熱する。南面窓内側に熱容量の大きい蓄熱体は例は水を詰めたガラス瓶を積む発明者の名を取ったトロンプ壁を置き太陽熱を直に貯める図面は、屋外から室内までの区間に蓄熱壁でガラスの透過を防ぎ発電する。ガラスと、蓄熱壁を2重にするは南フランスの実例で南面のガラスと蓄熱壁の間の空間を上下に空けた穴を季節に応じて開け閉めし暖かい空気を室内に導入したり室内の熱気を排出したりする③断熱:建物全体を断熱し取り込んだ熱を逃がさないようにする。建物の南面以外を土中に埋め地面の恒温性と断熱性を利用するものもある。こららの工夫で外気温度マイナス4℃の朝に室内温度21℃に保った例が報告されている。日本でも固有の方式を持つパッシブソーラーハウスの普及を図る幾つかの団体が在る。因みに住宅の断熱に関しては外気温度が建物躯体に直接影響して室内に好ましくない放射熱を出さない様建物の外側を断熱材で包む外断熱が推奨されている。※アクティブソーラーハウス:集熱や熱移動の為に機械装置を用いるもの。集熱装置としての太陽熱温水器は風呂の湯を作るのに広く普及しているがソーラーハウスと一体になった者はまだ少ない。ヒートポンプも効率の良い熱移動装置である。気密、断熱などは
各種建物(12)19/09/04パッシブソーラーと同じで在るが、蓄熱温度を高くすることができるので効率は上がる。※太陽光発電:2050年までにCO2排出量を6割から8割削減する世界目標達成には太陽光に因る住宅の電力自給は避けて通れない現在民需がCO2の4分の1を占め家庭用がその半分に近い。家庭用の電力需要は日本国の年間発電量の4分の1強である。現在のソーラーパネル発電効率も一戸当たり50㎡程度のパネルで通常家庭の使用量は400-600kw/月の発電が可能と見込まれ一戸建ては勿論共同住宅でも2回程度まではこの程度の面積パネルを屋根に設置できる事はできると思われる。2005年新エネルギー財団NEFの助成が終了してから太陽光発電の国内市場は縮小して2007年日本国の導入量はドイツやスペインに抜かれ3位に転落した。その後次第に地位を低めている。2010年11月に太陽光発電の電力を含めて再生可能エネルギーを一般電気代より高い価格で買い取る事が決められた。2009年12月のCOP15で表明した2020年までのCO2削減目標達成するには住宅の太陽光発電だけでなく全ての再生可能エネルギー生産が営利事業として成立する為の制度が作られる必要が在る。今後住宅に於いてこの問題は非常に重要に成ってくる。太陽光発電で各人が電力を自給し自然融和する伝統的な住い方に回帰できるよう全国改善が持続可能な新しい産業発展。
各種建物(13)19/09/10一戸建て住宅※敷地条件:大都市では理想的な敷地を見通すことが困難になったが住宅の敷地として望ましい選定条件を挙げるなら次号の通りである。利用面積:希望の住宅を良好な形で配置できる大きさ敷地の方位②健康面:十分な日照夏季通風と冬季寒風から保護、安全飲料水の確保③安全面強度な地板土砂崩れや浸水のない事近年下水呑み込み容量で想定している雨量50mm/hを超える豪雨の頻度が高くなり内水害の恐れが増えた広域で高低差や道路勾配で敷地に水が入らないことを確認する④静隠性:住宅地域や住居専用地域の指定近傍に公害発生施設のない事。利便性:公道に接する事、買い物利便、都市インフラ上下水道、電気、通信、公共交通、厨芥処理、通勤通学、社会活動。社海面:健全な近隣社会向こう三軒両燐や近所付き合い。※山の手住宅の間取:子供部屋6畳入り口玄関中廊下洗面と風呂室裏口(オカッテ)子供部屋の近くの男子トイレ、女子トイレ南側に座敷9畳、居間8畳茶の間8畳挟み廊下縁側の日向。※町屋2階建て倉吉市伝建群の実測図右北側:2階 上部からの区画:水平合計11700mm A=2970B=3830C=4320D=580左側垂直合計7920mmア=750イ=3930ウ=3240。右側垂直合計7920mm①=2230②=5590
各種建物(14)19/09/10下側水平合計11700mmⅠ=Aに同じⅡ=3830Ⅲ=960Ⅳ=825Ⅴ=Cに同じ、Ⅵ=Dに同じ(A)(イ)和室6畳(A)(ウ)和室4.5畳(B)(Ⅱ)階段(B)(Ⅲ)物置(B)(Ⅳ)窓際(C)(ア)違い棚、床(C)(イ)10畳(C)(ウ)4畳(D)①廊下(D)②階段(イ)(B)(C)(D)ホール神棚吹き抜け。(C)(イ)8畳(ウ)(A)玄関(ウ)(B)土間(ウ)(C)4畳(ウ)(D)階段(D)①=廊下。住宅の配置:機能的な建物はまず日照条件を最適にするよう配置する一般に長方形の建物の長辺を南面にさせ南側に空き地の庭を多く取る。主要居室の窓は南面させ冬季の日照を十分受け且つ夏季の西日を避けるようにする。昔から辰巳張りというように南面の方位は健康とされる。敷地は建築面積の3倍から5倍程度が理想的。この様な原則を満足していた例として東京山の手地域で戦前の平均的サラリーマンの住宅の例の山の手住宅の間取りの敷地は100坪の330㎡前後延べ面積30坪100㎡程度である。伝統的な町屋も一戸建て住宅と言える例として町屋の実測図伝建群倉吉市は鳥取倉吉市の伝統的建物群保存地区にある明治末に建てられた実測図で建物は再生し料理店の一部として使われている。建物は南面しているが敷地幅が狭く南北に長い
各種建物(15)19/09/10自然適応の手段は吹き抜けである夏も道や裏庭の涼しい風か此処から天窓に抜け冬は一階が昔は囲炉裏の熱が吹き抜けを通って建物全体を暖める。※平面図形:
各種建物(2)19/09/02※国民資産としての住宅:日本の住宅問題は先ずは戦後の質より量の問題から、量的に一応充足した量より質の問題に成ってきたそもそも長持ちする良好なストックで国民が安定した生活を営む事ができるこの様な資産は国民総生産様な指標に現れない自室的な豊かさでその点日本は乏しいまず日本の住宅の平均寿命が短い日本の住宅総数世帯使用の者は4600万是に対して年間住宅着工数は100万から、178万の間で上下し単純な割り算で住宅の平均寿命は30年から40数年になる。統計値の平成15年では5年間住宅滅失率8%滅失住宅の築後平均年数は30年であるこれは税法上の償却期限を大きく下回り欧米諸国に比べ半分以下である。木造が短寿命の原因と一概に考えるのは間違いで木造は100年長持ちする。問題は建物の社会的寿命即ち都市化に関連して早期に壊される事である先ず地価高騰の為相続税が払えず敷地が売却され優良な住宅が破壊されてきたが是に対し都市計画や土地制度でなんら有効な対策が取られていない。また要求の変化に対応できない間取り固定住宅や狭小住宅が早期に取り壊される事も原因の一つであるこの様な住宅を物としての観点から国交省は幾つかの政策を行っている。住宅の代替わり終期:イギリス141、フランス85、ドイツ79、アメリカ103日本30/年
各種建物(3)19/09/02※長期優良住宅:長期に渡り良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅である長期優良住宅を認定する制度長期優良住宅の普及の促進に関する法律が2009年6月4日施行され認定された住宅は融資や税制優遇措置が受けられるようになった。その認定基準として住宅基準は①柱や基礎などの構成部分が100年以上持つ事②一定の耐震性、省エネ性が在ること③内装設備の維持管理や間取りの変更がしやすいことが挙げられまた維持保全計画として住宅履歴書作成し10年ごとに点検する義務が在る。住宅の品質確保の促進に関する法律:長期に渡り利用される住宅建設に於いて契約の担保保障期間は民法では一年で特約で排除できる。この点で住宅紛争処理の為に住宅の性能の表示基準と、評価制度を設け住宅購入者の利益を計る為に1999年に住宅の品質確保の促進に関する法律が作られた。住宅の性能表示制度の元となるものっで新築住宅も既存住宅も適用され住宅市場の内容改善に役に立つ。品質評価の項目は、構造躯体の耐震、耐風、耐雪性能、耐火性、劣化対策、防犯に別れ夫婦に関する等級には例えは躯体に関しては500年に一度起きる災害の1.5倍地震や、1.2倍風雪など過剰な点があり、また劣化は三世代に渡り大規模な改修を必要としないなど社会的陳腐化に対する考え方に不明な点が在るがエネルギー性能や高齢化対策などの
各種建物(4)19/09/02新しい視点も盛り込まれている。地球温暖化対策で住宅の熱性能の改善が西欧諸国で意欲的に進められているが同法の現段階では温熱性能の項目が挙げられているだけで内容は具体的に決められていない。この様な住宅が集団として良好な市街地や景観を形成するには地域の風土の文脈と調和した工法の採用などに因る継承性持続性が必要で在る。いまだに他の先進諸国に比べ住宅に関する満足度は低い、各国とも大都市では住居面積が低いが日本は最悪に近く今日でも狭小住宅が多量に建設されている。※住宅の面積:日本の一人当たりの住宅面積の推移は1948年から10㎡/人であったものが、1993年までに順調に面積を伸ばし一人/30平方ーメートル、東京は一人/25平方メートルとなっている。戦前は10㎡/人程度であったが、1990年来には、全国で30㎡以上、東京で25㎡以上の程度になっていることがわかる。また関東大震災に因る東京の落ち込みまた、戦災で全国でも東京でも住宅が消失した中から回復と増大が起きている。しかし、一戸当たりの面積がこの率で増えている訳ではない戦前戦後派所帯人数が5.08人であったが、2005年の所帯人数が2.67と核家族化が進んだ従って全国的に見ると十分な面積を持つ伝統的な住宅も残っておりその再生や保存が重要である。
各種建物(5)19/09/03住居面積の誘導水準:A=単身住居、B=3人用住居、C=4人用住居、ア=最低水準㎡、イ=都市地域水準㎡、ウ=一般水準㎡。(A)(ア)25(A)(イ)40(A)(ウ)55(B)(ア)40(B)(イ)75(B)(ウ)55(C)(ア)50(C)(イ)95(C)(ウ)125先ほどのものは国土交通省の住居面積の誘導水準の最近の主な数値である。誘導水準を家族の人数によって分けるのはあまり意味が無いので4人用にまでを挙げている。単身者や老齢者用の小規模住宅も必用で在るが三世代を含めた標準家庭構成の不意の泊り客の余地を含めた住宅が賃貸住宅市場の中心になることが理想的である。国際比較数字統計は色々あるが実感に近いものを次に挙げる。戦後日本の住居面積は増えているが何時も欧米諸国に水を空けられているその原因は地価の高さである。A=日本、B=米国、C=独国、D=仏国、ア=平均住宅面積㎡、イ=地価指数。(A)(ア)85.8(B)(ア)136.1(C)(ア)119(D)(ア)105 総務庁より (A)(イ)56(B)(イ)1.7(C)(イ)4.4(D)(イ)3 不動産鑑定協会より地価は都市部と地方で大きな差があり比較が難しいが日本では地価を制御する政策が遅れ全国的に地価が高い。都市部全体の住居面積の数字を押し下げているのは戦後の歴史では木賃アパートである。是は庶民に因る庶民の為の住宅供給として戦後の大都市での
各種建物(6)19/09/03住宅難の中で大きな役割を果たしたその特徴は自宅の庭に建てる為地価が事業採算に含まれない事であり建物の投資は10年程度で回収できた。東京の場合建設の多かった場所は1900年来から1920年代の東京の都市化の時期に都市計画不在のまま市街地化した地域に略一致しており通勤に便利な山手線の直ぐ外側の木賃アパートベルト地帯と呼ばれる地域である。木賃の名の通り、木造の2階建て片廊下型の共同住宅であり、面積は6畳1間から1DKの10坪程度が一般的である。住居者は住宅地限定階層と呼ばれる若い世代で彼らは是によって現住接近の利便性を持つ住居を容易に見つける事ができた。1955年頃から建設が急増し1961年から65年までに東京都で建設された住宅の内64.8%が木賃アパートである。1968年の統計調査に因ると東京都の住宅ストックの29.7%を民営木賃アパートが占めその戸数88万戸、区部だけで80万戸に達し年平均役5万戸の割合で増加した。現在でも後に都市の章で触れる品川区戸越地区などは木賃アパートが400人/ヘクタールをこえる高い人口密度の元になっている。
各種建物(7)19/09/03最近では単身者住居特に投機的なワンルームマンションが問題であるその殆どが最低水準を越えても都市水準に達しない各自治体は建設規制をしているが狭小な住居を面積一杯に押し込む為どうしても住戸は東西に向き冷房に依存する不良住宅ストックとなっていくまた敷地の細分化に因るミニ開発で住宅地の環境が悪化している。戦後大都市に於いて量的には需要に応えられなかった公営住宅につぎ住宅公団が共同住宅を建てそれは民間共同住宅としてのマンション増大に繋がり今や大きな住宅市場を形成するに至った。他方大都市市街地で地価が高騰し一般勤労者が都市の職場近くに住む事は難しい。都心の区では事務所、商店などに機能が純化し夜間人口が空洞化する。これを防ぐ為近年オフィスビルと住宅を組み合わせて建設する指導が行われている。今後、人口世帯数の減少が見込まれ全国的には従戸数としては充足している。しかし老齢者の半分以上が100㎡以上の住宅に住む一方勤労生代の4人以上の世帯の3割近くが100㎡未満の住宅に住む現実が在る。また防災上危険な密集住宅市街地が全国でも8千ヘクタール以上ある。これらの発生する問題は優良な住宅の寿命を延ばす再生事業と都市環境改善事業そして、住宅の耐震耐火バリアフリーなどの性能向上であるだけでなく地球温暖化を防ぐ為コンクリート等
各種建物(8)19/09/03エネルギーを浪費する住宅建設よりも木造建築と建物再生を中心とした住宅整備に向かう事が望ましい。※エネルギー消費に於ける重み:※LCCO2:建設企画から建物破棄までの間に発生する二酸化炭素ガス量が今日重要な問題である。住宅の長寿命化はこの点で大きな効果が在る。20世紀に現れた建築材料や設計方法は将来持続可能でないものが多い。鉄やコンクリー鉄やコンクリートは生産に大量の化石燃料を使い原料の埋蔵量も限界はあり自然の砂や砂利が市場から姿を消したのは遥昔の事である。乾式工法で使用される石膏ボードは石油精製の副産物の脱硫石膏を原料とし同じく住宅気密化を齎したサッシュのアルミは電気の塊と言われる。その他合成樹脂系の仕上材や接着剤は主として石油製品で住宅内での有害ガスが高まる所謂シックハウスなど公害をもたらす。本来世界中何処でも建設地になるべく近いところで取れる材料を使って建築を建てて来た。日本の場合は木材でありこれは完全に再生産可能な材料である。しかし是までは輸入木材に頼り日本の林業を不審に導いた。今までの所輸入木材は安価でも輸送に使われるエネルギー問題であり
各種建物(9)19/09/04また地球規模での森林破壊に因る炭酸ガス濃度増加が指摘されている。※建物試用期間中のエネルギー使用量:この30年間に住宅エネルギー使用量は倍増しまた核家族化などで所帯数が倍増した為4倍になっている。その内約は全国的に見ると照明4割、暖房や給湯4割冷房2分である。日本の伝統的住宅には夏を旨とすべしと言われる様に高温多湿の夏を快適に過ごす知恵が在る。それは建築原論で学ぶ南面原則で建物の長辺を南面させ冬の太陽エネルギーを最大限に取り込み夏は深い廂(ひさし)で日差しを防ぎ南からの風の冷却作用を利用する事である。都市の高密化でこの原則の適用が困難になり西や東にしか面しない住居は年々暑くなる夏に冷房に頼るざる得ない。そして省エネルギーの為新建材で高気密化が進みシックハウスが起きる。また家電製品も含めて家庭が機械化しエネルギーの使用料が増えた。機械換気の進歩でコアー・システムが出現した図面に示す建物内部に水周りを集中する設計のコアーシステムはミース・ファン・デル・ローエのファンスワーズ邸やフィリップ・ジョンソンのガラスの家の影響で戦後の住宅建築で流行した。また住宅建築の高層化も
各種建物(10)19/09/04エレベーターを含めこの傾向を強めている。※ソーラーハウスから自家発電へ:戦後アメリカから始まった太陽熱利用を旨とするソーラーハウスは一部好事家の運動として世界中に広まったが住宅の熱利用として一般化したとは言えない。人類の未来を左右するCO2排出問題が国際的に火急性を持つ今日新たな目でこの問題を見る必要が在る。ソーラーハウスには機械的手段を用いるアクティブソーラーハウスは能動的発電と建物の性格や簡単な操作しかしないパッシブソーラーハウスの受動的発電がある。※パッシブソーラーハウス:前に述べた日本の伝統的住宅の広義のパッシブソーラーハウスと言えるが通風など自然の快適性を取り入れ歴史的知識の上に立つ洗練された立派な建築文化といえよう。それに比べ現代思考に基づいたソーラーハウスは未完成であり原則は魔法瓶のような家を作る事で幾つかの常套的(じょうとうてき)方法を使っている。①太陽熱の取り入れ:赤外線は通すが冬季に遠赤外線の散逸を防ぐ複層の波長選択ガラスの使用。冬季には南の窓の外にも赤外線を反射する金属製鏡を置き
各種建物(11)19/09/04太陽熱の取り込みを増やす場合も在る。②蓄熱:取り込んだ太陽熱や、屋内の上部に上った暖かい熱をコンクリートスラブなどに蓄熱する。南面窓内側に熱容量の大きい蓄熱体は例は水を詰めたガラス瓶を積む発明者の名を取ったトロンプ壁を置き太陽熱を直に貯める図面は、屋外から室内までの区間に蓄熱壁でガラスの透過を防ぎ発電する。ガラスと、蓄熱壁を2重にするは南フランスの実例で南面のガラスと蓄熱壁の間の空間を上下に空けた穴を季節に応じて開け閉めし暖かい空気を室内に導入したり室内の熱気を排出したりする③断熱:建物全体を断熱し取り込んだ熱を逃がさないようにする。建物の南面以外を土中に埋め地面の恒温性と断熱性を利用するものもある。こららの工夫で外気温度マイナス4℃の朝に室内温度21℃に保った例が報告されている。日本でも固有の方式を持つパッシブソーラーハウスの普及を図る幾つかの団体が在る。因みに住宅の断熱に関しては外気温度が建物躯体に直接影響して室内に好ましくない放射熱を出さない様建物の外側を断熱材で包む外断熱が推奨されている。※アクティブソーラーハウス:集熱や熱移動の為に機械装置を用いるもの。集熱装置としての太陽熱温水器は風呂の湯を作るのに広く普及しているがソーラーハウスと一体になった者はまだ少ない。ヒートポンプも効率の良い熱移動装置である。気密、断熱などは
各種建物(12)19/09/04パッシブソーラーと同じで在るが、蓄熱温度を高くすることができるので効率は上がる。※太陽光発電:2050年までにCO2排出量を6割から8割削減する世界目標達成には太陽光に因る住宅の電力自給は避けて通れない現在民需がCO2の4分の1を占め家庭用がその半分に近い。家庭用の電力需要は日本国の年間発電量の4分の1強である。現在のソーラーパネル発電効率も一戸当たり50㎡程度のパネルで通常家庭の使用量は400-600kw/月の発電が可能と見込まれ一戸建ては勿論共同住宅でも2回程度まではこの程度の面積パネルを屋根に設置できる事はできると思われる。2005年新エネルギー財団NEFの助成が終了してから太陽光発電の国内市場は縮小して2007年日本国の導入量はドイツやスペインに抜かれ3位に転落した。その後次第に地位を低めている。2010年11月に太陽光発電の電力を含めて再生可能エネルギーを一般電気代より高い価格で買い取る事が決められた。2009年12月のCOP15で表明した2020年までのCO2削減目標達成するには住宅の太陽光発電だけでなく全ての再生可能エネルギー生産が営利事業として成立する為の制度が作られる必要が在る。今後住宅に於いてこの問題は非常に重要に成ってくる。太陽光発電で各人が電力を自給し自然融和する伝統的な住い方に回帰できるよう全国改善が持続可能な新しい産業発展。
各種建物(13)19/09/10一戸建て住宅※敷地条件:大都市では理想的な敷地を見通すことが困難になったが住宅の敷地として望ましい選定条件を挙げるなら次号の通りである。利用面積:希望の住宅を良好な形で配置できる大きさ敷地の方位②健康面:十分な日照夏季通風と冬季寒風から保護、安全飲料水の確保③安全面強度な地板土砂崩れや浸水のない事近年下水呑み込み容量で想定している雨量50mm/hを超える豪雨の頻度が高くなり内水害の恐れが増えた広域で高低差や道路勾配で敷地に水が入らないことを確認する④静隠性:住宅地域や住居専用地域の指定近傍に公害発生施設のない事。利便性:公道に接する事、買い物利便、都市インフラ上下水道、電気、通信、公共交通、厨芥処理、通勤通学、社会活動。社海面:健全な近隣社会向こう三軒両燐や近所付き合い。※山の手住宅の間取:子供部屋6畳入り口玄関中廊下洗面と風呂室裏口(オカッテ)子供部屋の近くの男子トイレ、女子トイレ南側に座敷9畳、居間8畳茶の間8畳挟み廊下縁側の日向。※町屋2階建て倉吉市伝建群の実測図右北側:2階 上部からの区画:水平合計11700mm A=2970B=3830C=4320D=580左側垂直合計7920mmア=750イ=3930ウ=3240。右側垂直合計7920mm①=2230②=5590
各種建物(14)19/09/10下側水平合計11700mmⅠ=Aに同じⅡ=3830Ⅲ=960Ⅳ=825Ⅴ=Cに同じ、Ⅵ=Dに同じ(A)(イ)和室6畳(A)(ウ)和室4.5畳(B)(Ⅱ)階段(B)(Ⅲ)物置(B)(Ⅳ)窓際(C)(ア)違い棚、床(C)(イ)10畳(C)(ウ)4畳(D)①廊下(D)②階段(イ)(B)(C)(D)ホール神棚吹き抜け。(C)(イ)8畳(ウ)(A)玄関(ウ)(B)土間(ウ)(C)4畳(ウ)(D)階段(D)①=廊下。住宅の配置:機能的な建物はまず日照条件を最適にするよう配置する一般に長方形の建物の長辺を南面にさせ南側に空き地の庭を多く取る。主要居室の窓は南面させ冬季の日照を十分受け且つ夏季の西日を避けるようにする。昔から辰巳張りというように南面の方位は健康とされる。敷地は建築面積の3倍から5倍程度が理想的。この様な原則を満足していた例として東京山の手地域で戦前の平均的サラリーマンの住宅の例の山の手住宅の間取りの敷地は100坪の330㎡前後延べ面積30坪100㎡程度である。伝統的な町屋も一戸建て住宅と言える例として町屋の実測図伝建群倉吉市は鳥取倉吉市の伝統的建物群保存地区にある明治末に建てられた実測図で建物は再生し料理店の一部として使われている。建物は南面しているが敷地幅が狭く南北に長い
各種建物(15)19/09/10自然適応の手段は吹き抜けである夏も道や裏庭の涼しい風か此処から天窓に抜け冬は一階が昔は囲炉裏の熱が吹き抜けを通って建物全体を暖める。※平面図形: