そうかん日誌 ~Du 11eme arrondissement de Paris

タイトルを「りょうかん日誌」から「そうかん日誌」に変更しました。

ダライ・ラマ法王猊下 法話会

2015-04-14 | Weblog
昨日、昭和女子大学の人見記念講堂において、ダライ・ラマ法王14世猊下による『般若心経・菩提心の解説』と題した法話の会と、『観音菩薩の許可灌頂』という法要が持たれましたが、この催しにあたり、本寮の寮生に搭袈裟姿での法要の手伝いのご依頼があったので、2年生以上の寮生から希望者を募り、14名(院生1・4年生2・2年生11)を引率して会場に参上しました。

人見講堂に朝8時に集合されたいという指示があったので、全員で寮を7時に出発しましたが、この時間にはまだ寮で朝食が用意できないため、朝食抜きで会場最寄りの三軒茶屋駅へ。順調に三茶にまでは着いたと思ったが、ここに至るまでに、駒沢大学駅で満員電車に乗り損ねた者が二人、電車に乗れたはいいが人の波に押さえ込まれて三軒茶屋の駅で降りられずに池尻大橋まで行ってしまった者が一人出るというハプニングがありました。院生のW君曰く「満員電車に慣れてないですからね」と。たしかに寮生は寮に何年いても、普段、電車の過酷なラッシュアワーを経験していないので、こういう時にまごつくのかも知れませんね。思わぬことがあったものの、こういうこともあろうかと早めに出発したので、大事には至りませんでした。

若い彼らに朝食抜きではあまりにもかわいそうなので、三軒茶屋駅を出たところで、コンビニに寄り、めいめいが朝食とペットボトルの飲み物を買う時間を取りましたが・・・会場に着いてみると、なんと場内にペットボトルの持ち込みは禁止といわれ、致し方なく、ある者は入り口前で中身を飲み干し、ある者は泣く泣く廃棄することに。それならそうと前もって言っておいてもらえばわざわざ飲み物を買わなかったものを。しかし、ここまで警戒を厳重にしなければならないほど、いつも法王はテロの危険に晒されておられるということでしょう。致し方ありません。ちなみに、8時集合で、開式の9時半までには余裕があったため、コンビニで買って来た朝食を摂る時間は充分にあると踏んでいたのですが、法衣に着替えたらすぐにロビーで待機するように指示されたので、結局朝食は抜きになってしまいました。重ね重ね寮生には申し訳ない。

ペットボトルの件に留まらず、入場者は全員、入り口で、空港で使用されるような金属探知機を使って体をチェックされ、手荷物を調べられ、ロビーに入れば警視庁の腕章を着けた背広姿の刑事と思しき人たちが何人も会場を行き交うというような状態で、場内はものものしい雰囲気に包まれていました。また法王がステージに上がられている間、ずっとステージ袖にSPらしき人物が立っていて、直立不動で客席を睥睨していました。このような身の上でありながら、積極的に世界を回って法を説き続けられる法王のお姿は、今回の法話のテーマでもある「菩提心」の顕現に他なりません。本当に勿体なく、有り難いことです。

前もって聞いていた話では、寮生が手伝わせて頂く仕事は、2000人の聴衆(うち800人ほどは韓国・台湾・モンゴルなど外国の方々)に少しずつ洒水を施し、スンドゥという赤いミサンガ状のものを配るということだったのですが、思いがけず、法話と法要が行われる2時間近くの間、寮生たちはずっと他宗・他国の僧侶の方々とともにステージ上で法王猊下のお話を聴くということになりました。法王がほんの数メートル先に座っておられるおそば近くで、法王の肉声による法話を聴くことができるということは大変な僥倖であり、栄誉でありました。長時間座って脚も痛かったことと思いますが、胡座でよいということだったので、だいぶ楽ではあったと思われます。今回の手伝いのお話は「寮生」限定だというニュアンスだったので、私自身は寮生の付き添いとして参加のつもりで法衣・お袈裟は持参しておらず、壇上で聞法ができなかったことが悔やまれます(舞台袖で拝聴しました)。

法話は法王がチベット語で話された後に日本語の通訳がつきましたが、必ずしも万人向けの内容ではなく、「如来蔵」「金剛乗」など、様々な専門用語が織り込まれ、一般の方々には少々難解かと思われました。しかし、満場の聴衆は一心に法王の法話に耳を傾けていました。壇上の寮生も威儀を正してチベット語のお話を傾聴していましたが、長時間の胡座とステージの照明の暖かさで緊張が解けたか、頭が前に落ちてしまいがちな者もいたような・・。

短時間の間に様々なことがあった一日でしたが、随喜した14名の寮生にとって、これが一生に一度あるかないかの貴重な機会であったことは間違いありません。私は個人的に、現代のチベット仏教の最高指導者を目の前にして、ご自身の肉声のマントラを拝聴できたことに大変感銘を受けました。法王猊下もご壮健とはいえ、高齢(79歳)であることから、恐らく寮生たちも私も、再び拝謁し聞法することは難しいでしょう。この度は大変素晴らしいご縁を結ばせて頂きました。

写真は、開場前の準備の際の一コマです。猊下ご自身の撮影は不敬にあたらないかとも思いましたが、「法要中」は撮影禁止との注意があり、他にも写真を撮っている人たちがいたこともあって、遠くから撮らせて頂きました。
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