２０１２年６月２８日
今週土曜日の午後に催される「施食会（せじきえ）」という法要のため、寮では一昨日から進退馴らし（しんたいならし：法要中の動きの練習）が行われています。寮では一年を通じていろいろな法要が行われますが、施食会は、日ごろお世話になっている近隣の方々数十名を寮にお招きして、皆さんのご先祖の霊を供養する年に一度の公開法要なので、人様の前に出て恥ずかしくないようにと、皆、馴らしにも身が入ります。
写真は座り三方（すわりさんぼう）という動きを修得中の岩手出身で元応援団長のM君。座り三方は、強靭な足腰とバランス感覚、リズム感、動きのキレ、姿の美しさを要求される難易度の高い一連の動作で、永平寺ではある程度修行を積んだ者にのみ伝えられます。本山などでは二十代の屈強な若者たちが、法堂（はっとう）という部署でこのテクニックの伝承を行っていますが、寮では他に教える者がないので、私がこれを実演してみせています。座り三方に限らず、身をもって教えることは多く、年年歳歳、体力的に教えるのが難しくなっていますが、寮では本山と違って技術の継承はできにくく、正しい動きを体で知っているのは私だけなので、私が直接教えるよりほかありません。当分は頑張りますよ。
