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本年度の新入生を寮に迎えて3日め。今日は私が彼らのために直接、寮内で使う用語のレクチャーをしましたが、それに先立ち、緊張気味の彼らをリラックスさせ、お互いの理解を深めさせるために、各人に2つの質問をしてみました。ひとつは「今、自由に使えるお金が100万円あったら何に使うか」、もうひとつは「タイムマシンがあったらどうしたいか」。およそ寮の行持とは関係のない設問でしたが、予想外の面白い答えが続々出て来ました。
まず「100万円」については、「貯金する」(なんと現実的な)、「10万円は友人とパッと使って残りの90万円はラスベガスのカジノで使う」(博徒がいた)、「温泉に行きたい」(なんだか老成しているな)、「自動車免許を取って、残りでブランドものを買う」(倹約家なのだか浪費家なのだか)、「高校の文化祭の費用に全額使いたい」(充実した高校生活だったのだな)、「ホンダ・ビートが欲しい」(100万円なら妥当なところか)、「ワールドカップ観戦のためにブラジルへ行く費用にしたい」(入場券の入手費用等考えると現実的な値段かも知れない)、「50万円は自分の寺のネズミ対策に使い、残りでブランドの洋服を買いたい」(寺のことを考えているところが偉いがやはりブランドものは欲しいか)等々。
「タイムマシンがあったら」については、やはり「○○に会いたい」が大半を占めました。会いたい人は「空海」(なるほど)、「信長」「秀吉」(納得)、「沢村栄治」(野球好きだな)、「諸葛孔明」(出ると思った)、「チェ・ゲバラ」(おやおや)、「ミシェル・フーコー」(構造主義の?)等々。中には「祖父」「曽祖父」「学生時代の父」といった近親の方々を敬愛する諸君もいました。未来志向派は「未来の自分」「100年後の人たち」「未来の奥さん」など。未来の奥さんは現在存在しているはずですがね(笑)。「釈尊の入滅に立ち会いたい」という、坊さんのタマゴとして優等生的な答えもやはりありました。中には「ティラノサウルス」に会いたいという破天荒な答えも(笑)。一番、私にとって印象的だったのは「2年前に家で飼っていた犬が死んだ時に立ち会えなかったので、できることなら死に目に遭いたい」というものでした。一番、切実な答えではないかな。
明日2日は、キャンパスの体育館で入学式挙行後、寮の法堂で入寮式が執り行われます。皆、一昨日からそのために法堂での作法、動きの練習をしています。上級生、1年生とも、熱心に取り組んでいますから、きっと立派な式にしてくれるでしょう。寮の生活は始まったばかり。彼らにとって実りの多い青春のひとときにしてもらいたいものです。