寮邊幽草棄嫌生
大衆黙然除伐行
好悪愛憎非佛境
無心作務杜鵑鳴(下平声 八庚)
寮辺の幽草 棄嫌に生じ
大衆 黙然として 除伐を行ず
好悪 愛憎は 佛境に非ず
無心に 作務すれば 杜鵑鳴く
(試訳)
鬱蒼と生い茂る寮の周りの草を
寮生達は 黙々と取り続ける
二元対立は 絶対平等の仏の立場ではない
ひたすらに作務をしていると
ホトトギスの音(ね)が聴こえた
1年生から4年生まで、全寮作務で黙々と草取りをする寮生諸君の姿を見るうち、『現成公案』の「しかもかくのごとくなりといへども、花は愛惜にちり、草は棄嫌におふるのみなり」のくだりが思い出され、浮かんだ一首。
人は雑草を「嫌なもの」として疎んじるけれども、雑草は自分の命をただ生きているだけであって、これを好むと好まざるとは、人の心のわがまま勝手なはからい。
作務に没頭するうち、好悪を離れ、草を抜く自分と自分に抜かれる草との境がなくなり、渾然としたところで、杜鵑(ホトトギス)一声。無我の境界と日常とが反転し、またつながった。
駒沢公園には、恐らく実際にはホトトギスはいない(シジュウカラやツグミなどはいる)けれども、季節感を出すためにあえて「杜鵑」としました(平仄を合わせる都合もあった)。詩作というものは、心象風景を表現する創作活動なのだから、写実である必要はない。フィクションは当然入っていいんだよ。
今日から連休の帰省が始まりました。例年のことですが、1年生諸君はこの連休に全員帰省するようです。大方の諸君は生まれて初めて親元を離れて一ヶ月。慣れない環境でだいぶ気疲れもしたことでしょう。まあ、しばらく地元でゆっくりと休んで来なさい。連休明けには入寺式・法戦式があり、続いて日分行持が始まります。
大衆黙然除伐行
好悪愛憎非佛境
無心作務杜鵑鳴(下平声 八庚)
寮辺の幽草 棄嫌に生じ
大衆 黙然として 除伐を行ず
好悪 愛憎は 佛境に非ず
無心に 作務すれば 杜鵑鳴く
(試訳)
鬱蒼と生い茂る寮の周りの草を
寮生達は 黙々と取り続ける
二元対立は 絶対平等の仏の立場ではない
ひたすらに作務をしていると
ホトトギスの音(ね)が聴こえた
1年生から4年生まで、全寮作務で黙々と草取りをする寮生諸君の姿を見るうち、『現成公案』の「しかもかくのごとくなりといへども、花は愛惜にちり、草は棄嫌におふるのみなり」のくだりが思い出され、浮かんだ一首。
人は雑草を「嫌なもの」として疎んじるけれども、雑草は自分の命をただ生きているだけであって、これを好むと好まざるとは、人の心のわがまま勝手なはからい。
作務に没頭するうち、好悪を離れ、草を抜く自分と自分に抜かれる草との境がなくなり、渾然としたところで、杜鵑(ホトトギス)一声。無我の境界と日常とが反転し、またつながった。
駒沢公園には、恐らく実際にはホトトギスはいない(シジュウカラやツグミなどはいる)けれども、季節感を出すためにあえて「杜鵑」としました(平仄を合わせる都合もあった)。詩作というものは、心象風景を表現する創作活動なのだから、写実である必要はない。フィクションは当然入っていいんだよ。
今日から連休の帰省が始まりました。例年のことですが、1年生諸君はこの連休に全員帰省するようです。大方の諸君は生まれて初めて親元を離れて一ヶ月。慣れない環境でだいぶ気疲れもしたことでしょう。まあ、しばらく地元でゆっくりと休んで来なさい。連休明けには入寺式・法戦式があり、続いて日分行持が始まります。