日如猊下から私への手紙(平成3年5月23日)
謹啓 湯々御清栄のことと存じます。
お手紙を頂戴しながら、返事が大変遅くなりましたことをお詫びいたします。
遅れ馳せながら、前回および今回のお尋ねに対しお答えします。
一、まず、寺院の御本尊様が大写しにテレビで放映された件について。
東大阪市調御寺の場合は、全くの盗み撮りによるもので、住職になんの断りもなく撮影され、放映されたものであります。
したがって、寺院側は全く知る由もなく、テレビで放映されてはじめて写されていたことを知ったのです。
盗み撮りであることは、テレビで放映された画面を見ても、例えば、画面全体のトーンが反転したようでボケていること、明らかに盗み撮りであることを示すようなアングルから撮影されていること、御法前自体もはっきりとは写っていなかったことなどから察知できます。
もとより、本宗の僧侶が御本尊様をテレビに写すことを許可するはずは絶対にありませんし、況して調御寺住職の高野法雄師は、現に宗会議員でもあり謗法厳誡の誡めは人一倍強くもっている人であります。
もし、高野法雄師がテレビ局から撮影を申し入れられていたとしたら、当然お断りしていたことは明々白々であります。
それを、卑劣にも無断で盗み撮りし、放映した関西某テレビ局に対しては、直ちに高野法雄住職より厳重に抗議いたしました。
次に、朝霞市日成寺の場合は、本堂で唱題会をしていたところ、テレビ局からその様子を取らせて欲しいと申し入れがあり、佐々木正寅住職が絶対に御本尊様を写さないことを確約したうえで、撮影を許可したのであります。
ところが、実際に放映された画面には、御本尊様が大写しになっており、住職自身もはじめてそれを見て驚き、テレビ局が約束を破ったことを知ったのであります。
もちろん、日成寺の場合も、直ちにテレビ局に対し厳重に抗議をしました。
したがって今回の場合、両寺とも住職が御本尊様を写す許可を与えたものではなく、全くテレビ局の一方的な違反行為によるものでありますので、住職の責任については問うていません。
因みに、関西方面で放映されたときは、御本尊様が大写しにされていましたが、つぎに関東方面で放映されたときは、御本尊様は写されていませんでした。両住職からの抗議によるものと思います。
いずれにしろ、本宗僧侶がテレビに御本尊様を写すことを許可するような、謗法行為を行うことは絶対にないことをお知りおき戴きたいと思います。
一、次に、群馬県安中市法勤寺の件についてお答えします。
(ここには、創価学会や宗門とは関係のない一般の人の名前が実名で書かれているが、その人の名誉に関わることなので、A・B・Cとの表示にしました。
また、非常に具体的に述べられており、この内容は当事者の早瀬住職(現、日如猊下)以外、書けないことを世間一般の人でも認めることでしょう。
そして、この手紙は、私が群馬県の学会の会館に行き、ここに書かれている川浦総県長と会っているので、川浦県長に渡っているし、また、コピーされたものが、ここに記されているA区長の目にも留まっているのである。尚、A区長の名誉のために述べておくが、A区長は、この手紙が公のものではなく、私に対しての個人的な返事であることと、もうこれ以上この問題に関わりたくないとの、思いを披露され日如に対して抗議を控えたと聞き及んでいる。
もとより私はA区長とは面識もないし、17年以上も前のことをブログに公開して迷惑にならないか心配するのですが、ただ、今後宗門が分が悪くなり、現、日如から私に対しての手紙など存在しなかったと主張される可能性があるので、あえて公開させていただいた。また、その当時、A区長以外にもこの手紙を配ってあり、現、日如から私に対しての手紙など存在しなかったと、主張されるのは不可能であるという証拠を先に申し上げておくものである。さらに、出版した『好色じじいケンちゃん』裁判の準備にもこの手紙のことは触れられており、歴史的見地から言っても日蓮正宗が、日如から私への手紙が存在しなかったと主張されるようなことがあれば、それはかえって、日如の悪を隠すための詭弁だと世間の人は理解することになるでしょうと、宣言しておくものであります。)
まずはじめに知っておいて戴きたいことは、日蓮正宗の僧侶である岸本恭済住職が、山車の製作費に寄付をするなどという謗法行為は、絶対にする筈がないということであります。
そこで、この件について正しく理解して戴くために、私から群馬県の川浦県長へ送った抗議書、および岸本住職から聖教新聞へ送った抗議書を同封しますのでお読みください。
聖教新聞では、学会からの文書は掲載しても、宗門からの文書はほとんど載せていませんので、まずこれをよくお読み戴きたいと思います。
次に,地元の安中第十区のA区長から、私宛にきた抗議書について申し上げます。
地元町会から岸本住職宛の「お詫び」文書は、区長代理であるB氏の自筆にかかるものであり、そこに作成者であるB氏・C氏(組長)・A氏の順で署名捺印していますが、この「お詫び」文書の作成に当たって直接岸本住職と話をしたのは、B氏とC氏の二人であり、その場にA区長は居合わせませんでした。
その場に居合わせなかったAさんが、なぜ、岸本住職が「何とか助けてもらいたい。このままではここにいられなくなる。山車に寄付したのではなく子供会に寄付したことにしてほしい。」(と言った)とか、「泣くように懇願されたため」などと、あたかもその場に居合わせたかのように云えるのでしょうか。
しかも、この言葉が真実かどうか、またなぜこのように翻意してしまったのかを確かめるため、岸本住職、舟橋泰妙支院長および野村法慎副支院長が、再三Aさんに面会を求めても一切応じてくれず、ただ、一方的にあのような文書をいきなり私宛に届けてきたのであります。
一体これはどういうことなのでしょうか、少なくとも町会を代表して書かれた「お詫び」文書を、あとで取り消すなどということ自体が極めて不自然であります。
無理にでも岸本住職を謗法の僧侶として陥れようとするためとしか考えられません。
再三申し上げますが、子供の頃より厳しく仏道修行に励み、謗法厳戒を教え込まれてきた本宗の僧侶が、謗法と判る山車の製作費に寄付などする訳は絶対にないことをよくよくお考え戴きたいと思います。
一、次に、「創価新報」の対談記事を挙げて、戦争責任について宗門を非難しておりますが、「創価新報」の対談は某国のコラムニスト陸氏の記事を根拠にしています。その記事についての反論、「日蓮正宗と戦争責任」を同封いたしましたので、これも是非併せてお読み下さい。・・・
(この問に対しては、非常に長い返事(B4にして3枚半ぎっしり)となっております。これは戦争当時のことを論点としてあるため、時代背景等々がわからない人にはちんぷんかんぷんな話であり、一般の人も見るため、その当時の背景を説明するだけでも、当時の政治状況、宗教界全体の状況、宗門の状況、創価学会の状況などなど説明しなければならず、この説明だけで、一冊の本ができそうなので、この部分は省略させていただきます。
そのかわり、この返事に対して私が質問した手紙の抜粋を少し、別のブログタイトル『日蓮正宗と戦争責任』で公開したいと思います。これを読めば、日如猊下がどのような論点で答えているのか、それが日蓮大聖人の精神に反する事はわかっていただけるでしょう。)
一、次に、先四月十三日の御講の砌、暴力団風の男が私に対して罵声を浴びせかけたことについてお答えします。
確かに御講のときに、ある男の人が私に対して罵声を浴びせかけてきたことは事実ですが、文中に記されているような事を云われた訳ではありません。
先月の御講でのことは、私には全く関わりのないことで、私に対する一方的な言い掛かりであります。
少なくとも、私は日蓮正宗の僧侶であります。その私がかかる物騒な話に関わりがあるはずは絶対にありません。
もし、私が少しでも関係があれば、警察でも放っておかず、調査してこの儘でいられる訳はありません。
したがって、当日騒ぎを聞いて駆けつけてくれた警察の方も、今後このような言い掛かりをつけて来た時にはどのようにしたらよいか、適切な指導をしてくださった次第です。
一、次に大願寺の乗用車についてお答えします。
手紙を見て全くあきれ返ってしまいました。まさか熱原さんまでがこんな嘘を信じているとは思いませんが、何時、誰が、何処でロールスロイスに運転手付きで乗っている家内を見たというのでしょうか、
確かに大願寺には乗用車はありますが、何処にロールスロイスが置いてあるというのでしょうか。
こんな嘘を平気で言い触らす人達の信心は一体どうなっているのでしょうか。如何に大願寺や私が憎いからといって、このような嘘を平気で吹聴するようでは、正しい信心をしている姿とはいえません。
法華経には「正直者方便」とあります。正しい信心をしている人は正直でなければなりません。
正しい信心をしていても、このような嘘を平気でつくようでは、結果として著しく法を傷つけ、法を下げることになります。
デマの張本人はどなたか存じませんが、地域の人達にこのようなデマを流している人は、本当に正しい信心をしている人でしょうか、怒りよりも哀れさを感じます。
くれぐれも「正直捨方便」の御文を忘るる事なきよう願い上げます。
一、次に、私が僧侶の勤め以外に仕事を何かしているかとのお尋ねでありますが、私は僧侶以外に別に仕事をもっておりません。
どういう意図でお尋ねなのか解りませんが、本宗の僧侶は、全て僧侶としての本分を尽くすことを第一として御奉公に励んでいます。
私もあくまでも本宗の信仰と伝統を守り、今後も一層の御奉公に励んでいく所存であります。
一、次に、戦争責任のお尋ねは、先程の質疑と重複しますので省略いたします。
一、最後に、熱原氏は現在の創価学会の姿について、どのように考えておられるでしょうか。
(省略)
学会の巨大なマスメディアにより洗脳された純真な御信徒が、帰依すべき宗門を宗門とも思わないようなことを平気で行っていたとしたら、僧俗和合も広宣流布も遥か遠くのものとなってしまいます。早くこの問題は解決しなければなりません。
問題解決の糸口は、発端となった昨年11月16日の名誉会長のスピーチについて、名誉会長自身がはっきりとした態度をもって、御法主上人猊下に対し謝罪することであります。
名誉会長のスピーチにおいて、金口嫡々・唯授一人の御法主上人猊下を軽視・蔑視した発言は明らかに存在しているのでありますから、速やかな謝罪こそ今一番急務であると存じます。
どうぞ熱原さんには問題の本質をよく弁え、正しい判断をされますよう心からお願いいたします。
敬具
平成3年5月23日
日蓮正宗大願寺
早 瀬 義 寛
熱 原 勇 士 殿
[この手紙は、宗門問題の初期の頃の手紙であり、私を宗門に入れようと努力したのであろうか、一信徒に実に丁寧な返事を寄越したものである。このような日如が『創価学会池田名誉会長暗殺計画を問う』に返事を寄越されないのは、いかなる理由であろうか?]ブログ公開2008.10.15