ジジのためいき

田舎の小さな家の日々のできごと。

「日本語が亡びるとき」読了

2008年12月04日 | 読書

朝日新聞「文芸時評」一部抜粋
「地球上の6千はあるという言語の8割以上が今世紀末までに絶滅し、英語が普遍語として世界中で流通する。そして(叡智を求める人)は英語以外のテキストを読まなくなり、英語以外の『国語』による文学も終わる。」

なんとまあセンセーショナルな、と思いつつ読む。
漢字とひらがなとカタカナの3種類の文字を持つ日本語は、どの国の言葉よりも難しい。50種類以上のひらがなとカタカナ、何千種類もの漢字を覚えなければいけない日本語に比べると、英語はたった26のアルファベットの組み合わせでしかない。だから日本語が亡びるのだ、と著者は言っているのではない。
むしろ、だからこそ日本語教育にもっと今より力を入れないと、いずれ英語圏に呑み込まれてしまうぞ、と警告を発しつつ、「国策として国民の一部を優れたバイリンガルに育てよ、そして日本の国語教育は日本近代文学を読み継がせるのに主眼を置け」と主張しているのだった。