お茶の許状授与

「許状をお渡しする人は、次回のおけいこは時間をあわせて。1時間ぐらいは見ておいて」と、お茶の先生から改めて指示があった。
もらえるもんはもらっておこう」と、気軽に申請した茶道裏千家の中級許状。
初級のときは、気軽な感じで、それでもきちんと先生から手渡しされ、説明も受けたけれど、あんなイメージではないのかな？

指示された時間におけいこ場に行くと、先生はいつになく改まった格好。十徳という羽織をお召しになられ、いつもと勝手が違う。
私はというと、綿でこそなかったけれど、織物の着物。カテゴリーでいえばカジュアルだ。


案の定、そこから許状の出たお祝い（？）のお茶事が始まった。先生に立てていただいた濃茶をいただき、許状の出たあと、どんなお点前を学ぶのかお話ししていただく。

着物のチョイス、失敗。
せめて柔らかものを着てくるべきだった。

ここまでしていただけたのは、たまたま同じタイミングで、上級の許状をいただく人がいたからだと思う。

上級は、そのあと、本などには書かれていないレベルのお点前を教えてもらえるのに対し、中級は、ある程度続けていて、お金さえ払えば誰でももらえるレベル（身も蓋もないけど(^_^;)）。でも、説明をうかがっていると、今までのふだんのお稽古では見たこともないお点前を教えていただけるらしく、自ずと背筋が伸びる思いがしましたね。

正直、足の怪我や、なんだかで、最近は、お稽古に通うだけの状態だった。濃茶なんて、自分でも呆れるくらい、お点前を忘れているし…。



でも、実際に許状を手にし、先生のお話を伺ううちに、猛烈にこれではいかん！という思いが、お腹の底から湧き上がってきた。

以前は折に触れ眺めていた教本も、最近は埃がかぶっていたけれど、慌て引っ張り出し、もう一度眺める。まさに「初心に返る」思い。

穿った見方かもしれないけれど、定期的に、許状授与のようなイベントを設けることで、マンネリ化するのを防ぐ仕掛けになっているのかも。私は、まんまとそれにひっかかったわけ。でも、嫌いじゃないな…こういう仕掛け。