讃岐名産 桐下駄購入＠黒田商店にて

ゴールデンウィークの「愛媛、高知～司馬遼太郎文学の旅～」に続き、シルバーウィークは「香川、徳島～麺の旅」に行ってきた。（うどんに徳島ラーメンにそうめん、と、ほとんどお米を食べない３日間だったのだ）

香川は高松と言えば、着物好きには有名な履物屋　黒田商店さんがある。数年前、こんぴら歌舞伎の帰りに立ち寄って買った草履がとても調子がよかったので、今回の香川訪問でもぜひ訪ねたいと思っていたのだ。

黒田商店は、90年の伝統を持つ老舗ながら、奥様が世界中から集めた布で作られた鼻緒のセンスの良さで有名。あ、もちろん履き心地もばっちり！在りし日の歌舞伎座では年に２～３回、出店されていたし、恵比寿ガーデンプレイスなどでも定期的に出店されているので、首都圏の着物ファンにも有名。東京出店の時期には、ちょっとしたお直しもしてもらえるのがありがたい。

東京に出店されるのも多いわけだから、わざわざ高松の本店を訪ねることもないのだけれど、やっぱり下駄と草履に囲まれた実店舗の雰囲気は特別なのだ。お店の棚全体に、下駄屋草履の台と鼻緒が埋め尽くされているのを見ると、血中アドレナリン濃度が、ぐぐっと高まる～。

実は、この連休も東京で出店されているとかで、ご主人と奥様にはお会いできなかった。鼻緒をすげるのも、ご主人が帰ってきてからになり、後日自宅に送ってもらう。う～～、待ち遠しい！まあ、荷物にならなかったのはありがたかったけど。

今回選んだのは、一見、草履に見えそうな下駄。黒塗りの下駄が、かなりはげはげになってきたので、その代わりがほしかったのである。

　
＜左は今回購入の下駄。右は2008年購入の草履。底がコルクで軽くて履きやすい＞

この下駄、単純な黒塗りではなく、ところどころ、青い色が見える。塗りのお椀を長く使っていると、地の朱色が見えてくるけど、ちょうどそんな感じだ。その青の微妙なニュアンスが気にいってしまった。しかもこの形なら一見、草履に見えなくもないから、履いていくのに応用範囲も広い。

問題は、合わせる鼻緒。インドのシルクやら、ヨーロッパの刺繍やら、凝った鼻緒に目移りがしてしまうのだが、当然ながら、そういった鼻緒はお値段も立派。最初は台の青に合わせて、青系の鼻緒中心に見ていたのだけれど、応対してくれたお嬢さんが選んだ鼻緒をみて、アドレナリン濃度がさらに高まった。私のように「青には青」といった無難な既成概念にとらわれず、思わぬ配色を合わせてくださるのだ。し、しかし…。選んでくれたのは素敵だけれど、お値段も結構いい。普通の下駄であれば、二足ぐらい買えるんじゃないかな。鼻緒の値段だけで。

１５分も悩んだろうか。結局、お値段より「ほしい」という気持ちが買って、写真の刺繍の入ったオレンジ茶の鼻緒を選択。ツボには、秋に合わせて濃い赤を選んだ。これを青にすると、春っぽくなるのが不思議。季節に合わせてツボを変えるというのもおしゃれかも(横着な私だから妄想するだけだろうけど）

いや～、手元に届くまで、しばらく出来上がりを夢想して楽しめるなあ…。
届いたら、またブログで報告します！

追伸
実は高松では「kimono gallery 晏」というネットショップの実店舗である馬場呉服店さんにも行ってみたかったのだけど…これ以上、物欲を刺激されると困るので見送り(涙)。次回はぜひ！お金をためて…(笑)。