「着物は高いか?」という疑問に対して、成人式での経験による「価格が高い」という先入観、そして着付けの難しさや着る機会の少なさによる「ハードルの高さ」について述べてきた。結局、着物は価格そのものはともかく、「着る」という行為にいたるまでのハードルが高いのだと思う。
価格そのものについて言えば、世の多くの女性が持っているルイ・ヴィトンのバッグと比べたら決して高いとはいえない。あのバッグぐらいのお金を出せば、ちょっとした小紋なら買えるだろう。リサイクルであれば、着物の世界のブランドものも買える。でも着物でなくてバッグを買うのは、やはり「着る行為」が「持つ行為」に対して難易度が高いからだろう。加えて、保有することで満たされるミエに必要な、周囲の憧憬の認識が、着物だと不足しているということもあるだろう。つまり、着物を着ていても「すてき」「おしゃれ」と言われるような認識が周囲にあまりないのだ。
それでも私は着物を着る。
着る機会がなければ、お茶を習ってお稽古に着るようにした(今ではお茶そのものにはまっている)。
もひとつうまく着られないので、もう一度着付けを習いなおした(幸い、お茶の先生が着付けも教えてくださった)。
着物はイニシャルコストもさることながら、維持費がものすごくかかる。最初の年は、いたずらに着散らかしたうえ、それを何も考えずに全て洗いに出したものだから、請求書が出てのけぞる思いを味わうことになった。これも良い勉強だったと思っている。
なぜそこまでして私は着物を着るのだろう?
もちろん、着物が好きだからだ。
情緒的な理由だけでなく、機能的にも優れていると実感するからなのだ。
着物そのものではないが、まず足元が草履や下駄だと楽なのだ。靴のように足全体をホールドしないので圧迫感を覚えない。外反母趾も痛まない。蒸れない。
また、体が冷えない。洋服だと足元や腰・お腹の辺りが冷えてくるが、着物は全身を覆っている上、肝心の腹回りに帯があるので冷えない。
私個人については、着物のほうが洋服より体型に合っている。私は150cmそこそこと小柄なうえ、ものすごいなで肩。洋服だと、なかなか合うサイズがないのだが、着物では「女並寸」がちょうどぴったりで、リサイクル着物だと容易に合うサイズが見つけられる。洋服ではマイナスのなで肩体型も、着物には合うプラス要素になる。
そして、ふだんは意識しない自分の女性性について、着物をまとうことで再認識を促される。総じて着物のほうが色や柄など洋服よりフェミニンな要素が多いが、洋服だったら絶対に身に着けないこうした色柄も、着物であれば堂々と身につけられる。それが意外にも似合ったりする。洋服だと違和感があるのに・・・。それはちょっとした自分の再発見体験なのだ。
こうした効用を体験してしまうと、多少(ではないかもしれないが)のハードルは乗り越える価値があると思えてくる。きっと着物ファンの人も共通する思いをもたれているのではないか?
だからこそ、それを体験する前に横たわるハードルを一つ一つ取り除かないと、いつまで経っても着物は多くの人にとって「高い」ものになってしまうと思うのだ。人口が減少しつつある日本においては、そのことは着物産業がますます衰退してしまうことにつながる。
困るんですよ、衰退してもらっては。ばあさんになってからも着物を着続けるつもりなんだから。
じゃ、どうしたら着物のハードルを低くすることができるのか?
おいおい考えていきたい。素人なりに。
価格そのものについて言えば、世の多くの女性が持っているルイ・ヴィトンのバッグと比べたら決して高いとはいえない。あのバッグぐらいのお金を出せば、ちょっとした小紋なら買えるだろう。リサイクルであれば、着物の世界のブランドものも買える。でも着物でなくてバッグを買うのは、やはり「着る行為」が「持つ行為」に対して難易度が高いからだろう。加えて、保有することで満たされるミエに必要な、周囲の憧憬の認識が、着物だと不足しているということもあるだろう。つまり、着物を着ていても「すてき」「おしゃれ」と言われるような認識が周囲にあまりないのだ。
それでも私は着物を着る。
着る機会がなければ、お茶を習ってお稽古に着るようにした(今ではお茶そのものにはまっている)。
もひとつうまく着られないので、もう一度着付けを習いなおした(幸い、お茶の先生が着付けも教えてくださった)。
着物はイニシャルコストもさることながら、維持費がものすごくかかる。最初の年は、いたずらに着散らかしたうえ、それを何も考えずに全て洗いに出したものだから、請求書が出てのけぞる思いを味わうことになった。これも良い勉強だったと思っている。
なぜそこまでして私は着物を着るのだろう?
もちろん、着物が好きだからだ。
情緒的な理由だけでなく、機能的にも優れていると実感するからなのだ。
着物そのものではないが、まず足元が草履や下駄だと楽なのだ。靴のように足全体をホールドしないので圧迫感を覚えない。外反母趾も痛まない。蒸れない。
また、体が冷えない。洋服だと足元や腰・お腹の辺りが冷えてくるが、着物は全身を覆っている上、肝心の腹回りに帯があるので冷えない。
私個人については、着物のほうが洋服より体型に合っている。私は150cmそこそこと小柄なうえ、ものすごいなで肩。洋服だと、なかなか合うサイズがないのだが、着物では「女並寸」がちょうどぴったりで、リサイクル着物だと容易に合うサイズが見つけられる。洋服ではマイナスのなで肩体型も、着物には合うプラス要素になる。
そして、ふだんは意識しない自分の女性性について、着物をまとうことで再認識を促される。総じて着物のほうが色や柄など洋服よりフェミニンな要素が多いが、洋服だったら絶対に身に着けないこうした色柄も、着物であれば堂々と身につけられる。それが意外にも似合ったりする。洋服だと違和感があるのに・・・。それはちょっとした自分の再発見体験なのだ。
こうした効用を体験してしまうと、多少(ではないかもしれないが)のハードルは乗り越える価値があると思えてくる。きっと着物ファンの人も共通する思いをもたれているのではないか?
だからこそ、それを体験する前に横たわるハードルを一つ一つ取り除かないと、いつまで経っても着物は多くの人にとって「高い」ものになってしまうと思うのだ。人口が減少しつつある日本においては、そのことは着物産業がますます衰退してしまうことにつながる。
困るんですよ、衰退してもらっては。ばあさんになってからも着物を着続けるつもりなんだから。
じゃ、どうしたら着物のハードルを低くすることができるのか?
おいおい考えていきたい。素人なりに。