上野原を過ぎる頃になると、さっきまでの泣き出しそうな曇天が嘘のように、一筋の光が天上から差して来た。
この先の陽加減が楽しみとも思える一条の希望だった。
早く登らねば、早晩天気が下ることは、乗り換え前に、今流行の携帯天気予報で確認済みであった。
富士は無い。
雲に、霞に、天上いっぱいの青空とて、望むべくも無い。
この山に登れば、富士が見えるはずであったが、既に、天上に見えてくはずの3,776mは、厚く雲の中である。
目の前の乗客は、女の一人旅を益々心細くする様子で、先程来、意味の分からぬ唸り声を上げている。
同じ駅で下車せぬことを祈りつつ、次が下車駅であることを悟られぬよう、絹子は何食わぬ顔で、男に隠れて、下車の準備を済ませた。
・・・・・と・・・始まった 倉岳山物語です・・・・
おそまつ・・・・
この先の陽加減が楽しみとも思える一条の希望だった。
早く登らねば、早晩天気が下ることは、乗り換え前に、今流行の携帯天気予報で確認済みであった。
富士は無い。
雲に、霞に、天上いっぱいの青空とて、望むべくも無い。
この山に登れば、富士が見えるはずであったが、既に、天上に見えてくはずの3,776mは、厚く雲の中である。
目の前の乗客は、女の一人旅を益々心細くする様子で、先程来、意味の分からぬ唸り声を上げている。
同じ駅で下車せぬことを祈りつつ、次が下車駅であることを悟られぬよう、絹子は何食わぬ顔で、男に隠れて、下車の準備を済ませた。
・・・・・と・・・始まった 倉岳山物語です・・・・
おそまつ・・・・
絹子って誰っ!!!!!!!!!