あるまこ~

ITコンサルタント&山岳ガイド協会公認 山岳ガイド&インターネットショップ ラブジアース店長&LOC代表の徒然日記。

【山岳ガイド】AMC2ndSTEP 10/18 甲斐駒ケ岳 黒戸尾根(その1)

2014年10月18日 23時55分34秒 | YFクラブイベント

8月下旬の甲斐駒ケ岳 黒戸尾根イベントが延びに延びて、結局この時期に。山は初冬に入りかけているので、シュラフ、保温着などを冬仕様にする必要があり、装備(重さ)の面ではいつもより1段階大変でした。しかし、週末は日本列島全体が大陸性の高気圧におおわれ、岩は乾きフリクションは良く、風も少なく、快適な山行でした。

標高差約2,100m、岩場・クサリ場・ハシゴ等がルート上に多数あり、登山に求められる体力・技術力・精神力の総合力が問われるルートです。


■行程

22:00 新宿集合
24:40 竹宇駒ケ岳神社
25:00 就寝

5:00 起床
6:00 竹宇(ちくう)駒ケ岳神社 駐車場出発
6:10 竹宇駒ケ岳神社
8:20 笹の平分岐
10:00 刃渡り
10:30 刀利天狗
11:20 五合目小屋跡到着(20分休憩)
12:05 屏風岩(15分休憩)
12:45 七丈小屋(15分休憩)
13:00 七丈小屋テント場到着
16:00 夕食
18:00 就寝


■ルート詳細

【竹宇駒ケ岳神社~笹の平分岐】
出だしから比較的急な登りが30分程度続きます。ここで頑張りすぎると後が大変なので、このセクションはできるだけゆっくり、体力を消耗しないように気を付けましょう。この登りが終わったら、尾根を左に巻くように大きくトラバースします。ここからは断続的に急になったり緩くなったりする登りが笹の平分岐まで続きます。トラバース後は、深く削り込まれた溝状の登山道をしばらく進みますが、紅葉後の落ち葉がこの溝にたまり、12月や雪解けの6月等は、ふかふかの落ち葉の中を歩くことができます。

【笹の平分岐~刀利天狗】
笹の平分岐からはしばらくゆるやかに右上に登ります。しばらくすると、広く休憩するスペースから急登、八丁登り。木の根っこや濡れると滑りやすい土壌なので、スリッピーな登りです。しっかりした足取りが求められます。八丁登り後は、刃渡り。岩場が200m程度続きます。急な登りではないのですが、左右(特に左)がスパッと切れる稜線で、気の抜けないポイントです。左側の登山道は、しっかりしていない個所も多いので、なるべく岩の上を歩くか、右より(稜線の北面)に歩きましょう。ストックを使う場合は、体重のかけ方に注意。ざらざらした花崗岩は、ボロッと壊れる場合もあるので、完全にストックに体重をのせることはやめましょう。刀利天狗直下は、クサリが連続する区間ですが、ホールド、木の根っこ、クサリが多く、技術的には難しくはありません。

【刀利天狗~五合目小屋跡】
黒戸山の北面を巻いて比較的なだらかな登山道です。リラックスして歩きましょう。

【五合目小屋跡~七丈小屋】
このセクションが黒戸尾根のもっとも難しい部分になります。五合目小屋跡から5分くらい下ると登山道の左に屏風岩が大きくそびえたちます。この岩を右に巻くと長さ30m以上のハシゴが現れます。このあたりから、ハシゴ、クサリ、岩場が連続します。登山道全般に樹木が生い茂っているので高度間があまりありませんが、滑落すると数十mは止まらないので、十分注意が必要です。雨が降っている場合や雨上がり直後、朝早く霜等が付着している場合は、丸太の階段、ハシゴや岩場が滑りやすい状態になるので、神経を使うでしょう。テント泊の場合、雨天の時は五合目小屋跡でもテントは張れるので、エスケープとして検討しておきましょう。ただし、五合目小屋後ろの水場は枯れることもあるので、その点を留意しておいてください。七丈小屋・七丈小屋テント場に宿泊の場合は、行程の後半で最も疲れているので、初心者がいる場合はロープの使用をためらわないようにしましょう。


■写真


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