投資家の目線

投資家の目線825(東証の取引時間拡大)

 東京証券取引所が取引時間の延長を検討している。ブラックマンデーやJR東日本上場の時のように場立ちがいた時代には、約定の伝票整理に夜中までかかったことがあるが、注文がすべてコンピューターシステム経由になった現在ではその問題はなくなったのだろう。

 「対象は現物株の取引で、夕方や夜間取引を軸に証券会社などと調整を進める。仕事帰りの取引機会が増える個人投資家や時差がある海外投資家の利便性を高めると同時に、東証の国際競争力も上げる狙いだ」(「東証、取引時間の延長検討 新たに夕方や夜間など設定」 2021/5/17 日本経済新聞WEB版)。仕事帰りの個人投資家も対象となると夜間取引になると思うが、投資信託の評価やベンチマークとなる株価指数の終値は何時時点の価格を使用するのだろう?

 一般的に、海外のファンドのカストディーは海外にあり、海外のファンドを運用するアセットマネジメント株式会社からは、まずはそこに指図書がいく。そこから日本のサブカストディーに受渡指示が行き、それで決済される。株式の決済期間が短縮される中、決済は間に合うのだろうか?手数料自由化で、アセットマネジメント株式会社からの指図書と証券会社からの受渡金額には差異が出る可能性もあり、その場合は指図書の修正が必要となる。夜間取引の結果として決済期間が短くなりDBが増えるのであれば、その運用改善も必要ではないだろうか?
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