「となると伺いたいんですが、ストックは少なくていいということですが、
もしストックがゼロになったらプレッシャーを感じませんか?」と影田
「感じないね。」と川端
「ほ~う。」と影田
「でもなぜですか?」と影田
「それはいずれにしても古いものはできないからだよ。
だからだよ。数学の集合の考え方だよ。」と川端
「大きな円を描いてその中に何が入るか。
そこには取りうるべき選択肢がすべて入ってくる。そして自分は
多くの選手の前で古いものはできない、やりたくない、といった。
とすれば残りの部分にはストックがゼロになることも当然あるわけだ。」と川端
「ではそのときはどうされるんですか?」と影田
「なんてことはないさ。」と川端
「次の大会までには何かつくれるかもしれないし、つくれなかったら
そのときはそのときでいくらでも対応は可能だ。」と川端
「例えば紋切型でやるとかですか?」と影田
「ありうるね。」と川端
「でも今いったようにそのときはそのときですよ。」と川端
「なるほど、そういうものですか。
話を伺って納得です。」と影田が締めた。