再読のための覚え書き
女の一生(下)
山本有三(1887-1974)
御木允子は私生児を産み、自分の名前から一字取り、充男と名付ける。それは、たとえ戸籍が面が汚れようとも、この子はわたしの子だという強い思いの表れだった。
允子は、自立した生活を求めて医学部に進学。医者として働きながら、子育てを続ける。
やがて、充男が成人する頃には、腐敗した政治に対して共産主義が沸き起こり、若者たちは思想に目覚めていくのだった。
「充男さん、ゆるしてください。あなたのおかあさんががんこなために、あなたは一生、私生児という帽子をかぶらなければなりません。しかし、それが人間のねうちをきめるものだとは、おかあ様は信じておりません。その帽子のまわりにも、いつか花や、キンすじが飾られないと、だれがいえましょう。」
2022.2.14読了
女の一生(下)
新潮文庫
昭和26年3月26日初版発行
昭和43年9月30日40刷
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