きづがわ讃歌 

あらゆる神話が崩れ去った今、周縁の先を見るartな視点でコミュニティを捉え直すとき、何かが生まれるのかもしれない

トットネスからの報告

2012-07-21 20:42:44 | イベント情報

イギリスから帰ってきました。

ずっと昼間眠たくなるのはどうしてなのでしょう。時差ぼけなんでしょう。日本に帰ってきて急に暑い。ちょっとこたえてるんでしょうか。

ともかく向こうで大発見を報告したい気持ちです。5年ほど前から、ずっと気にしてこの町を訪れるのは今年で三度目・・・。何か感じるものがありました。

トットネスと言う街です。人口5000人。簡単にこの街について述べます。ロンドンから3時間パディントン発4時50分初ペンザンス行き・・・。アガサ・クリスティの小説にあるようですが、トットネスにつきます。

どうして気に入ってるのかを言う前にどうしてこの町を知ったかのべなくてはなりませんね。南陽高校のイギリス人AETディアノン先生の両親が日本に来るというのでうちに泊まってもらったことがありました。そんなことがあって、今度は私たちが彼女の住むトーキーに行くことになりました。いろいろ案内してもらいました。その中で一番気に入った街がアートの町、トットネスでした。

去年ともかくぶらっとひとりで行ってみました。でたらめな旅です。デボン州には多くの陶芸家が住んでいます。またずっと気になっていたイギリスの忘れられたノーベル賞作家の小説ゴールズワージーの『林檎の木』は、あまり知られていないだろうけれど、私の青春時代に読んだ悲恋の物語です。前回のブログから

前回、ヒロインの墓に参った。マナトンの小道の十字路に埋められた彼女の墓を今回もお参りした。自殺者や犯罪を犯した者は教会の墓には入れない。どこにも属さない道の十字路に埋められたのだ。


実はゴールズワージーのその小説は全くの彼の創作なのだ。村の人たちに言い伝えられた話を聞いて彼が全く違うストーリーに仕上げたらしい。
村人たちのその自殺した若い女性の話というのに興味を持った。1600年代の話だ。孤児のメアリージェイはニュートンアボットの孤児院で大きくなり、この近くのマナトンの牧場で働くことになる。当時メアリーというのはよーくよーくあった名前だそうだ。区別するためにABCDEFGHIJをつけて区別した。牧場に雇われたメアリーJは、牧場主の娘メアリーと紛らわしいので、キティJと呼ばれるようになったらしい。
そのキティJ、男に犯される。そうしておなかに子をはらむ。その男は彼女を無視しだす。キティJはとうとう牧場の一角で自殺をしてしまう。そうして教会の決まりで十字路に埋められたという。


その墓を通ってカノンと名のついた働いていた牧場、それと村人たちの社交の場パブを回った。多分、強姦した男もここで飲んだのだろう。教会の近くには必ずパブがあるらしい。
馬に乗ってきたりしたのだろう。カノンの牧場からは近道があったらしい。その道にも行く。

去年のブログからの転載です。はしょります。

ともかく、どういうわけか魅了された。どうもこと私ぐらいの年になると融通が利かない。思い込むとのめり込む。去年知り合った在英日本人の人を頼りに今年は彼女と一緒に訪れたのです。

彼女はスケッチとアガサを訪ねるたび。わたしは、日本がんばれのキャンペーンのお礼をしたいとアーティストの寄付してもらった作品やら趣味の手作りの作品を持って行ったのです。

8月、Chieko さん、JUNKOさん、MIHOさんたちの手で、フクシマのチャリティをする時に、バザーに出してもらうことになりました。ひとつ目標が達成できました。欲を言えば、向こうのアーティスト、あるいは市民レベルでの交流ができたらという私の気持ちは、伝えておきましたが、未知数です。

トットネスの街から2kmほど離れたところに、ダーティントン・ホールがあります。ここの取り組みには何となし興味がありました。民芸の浜田庄司やバーナード・リーチもこの地を訪れています。

大発見をしました。このホールにたどり着いて、多くの人が並んでいます。わけもなく野次馬的に並んでみました。そうして「何があるのですか」と尋ねました。詩の朗読でした。有名な詩人が来ているというのです。

ビジターセンターに行きました。DVDを見ました。何と驚いたことに、この財団、インドの詩聖タゴールの思想に裏打ちされたアクティビティをしているのです。タゴールさんもこの地を訪れています。

去年はタゴール生誕150年祭として7日間のイベントを組んでいます。驚きもし、又大きな後ろから押されているような気になりました。今年も4月に3日のイベントがあったそうです。ここの学芸員の方に、もっと詳しいことを知りたいと伝えました。DVDを送ると言います。タゴールフェスについても手紙を送ると約束してくれました。http://www.dartington.org/tagore-festival/

又、前から興味をひきつけられていたサティッシュ・クマールさんのシュマッハー・カレッジが敷地内にあります。この大学にはオープンに誰でもが参加できるショートプログラムを用意しています。私に英語力があれば参加するのですが今のところ戸惑っています。彼の活動には大いに共鳴しています。http://www.schumachercollege.org.uk/

ダーティントン・ホールの取り組みにも大いにこれからの日本を先取りしているように感じています。arts、social justice、sustainabilityの三本柱。http://www.dartington.org/

トットネスの町で見つけた気になるところを紹介しますね。トットネスの街の雰囲気、私の感じるところでは、時代を見越しているように思えてなりません。

このイギリス西南部は、風光明美のみならず気候も暖かく、イギリスのリビエラと言われています。金持ちのリタイア組みがこの地で老後を過ごすことが憧れとされているようです。金持ちでなくても普通のリタイアした人がこぞってこの地で残りの人生を過ごすことを望んでいるようです。街には不動産屋がやけに多いのです。又やたらと自然志向の店が多いのも特徴です。自然農、瞑想、マッサージ、針、鍼灸、漢方、日本語熱、アロマセラピー、ベジタリアン、カントリーライフなどなど、ピンと来るものがありました。西洋文明の限界。自然に基づいた生活のがまずあって、その上に西洋文明が付随する。そのように思えるのはどうしてでしょうか。

その元をたどっていくと手前勝手ですが、タゴールに行き着くように思えてなりません。トランジッション・タウンの発祥の地がトットネスです。緩やかにすべてを包み込む東洋の文化に移行する。サステナブルな社会を作って行くことになると主張しているように思えます。http://www.transitiontowntotnes.org/

まだまだいい足りないところもありますが、とりあえず遅まきながら報告とします。


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