ポロンアルマジロ

フェアリーサイズのポロンアルマジロが見つける幸せのカタチ!?

ポロンのでんでんマイマイ

2013年05月21日 13時37分59秒 | 童話『ポロンのでんでんマイマイ』
先日ブログでご紹介した
ポロンアルマジロ生態の謎を解き明かすプロフィールストーリー
『ポロンのでんでんマイマイ』

『rabbit field物語』や『ポロンの来た日』同様、Fc2小説に
UPしたよ。
ほんのちょっと手直しをして、挿絵も増やしたので、、更に
お楽しみいただけると思う。。。



ポロンのでんでんマイマイ (最終話)

2013年04月02日 11時18分10秒 | 童話『ポロンのでんでんマイマイ』
 もしもあのときぼくらの未来を信じられたら、でんマイを
離したりはしなかった。だけどぼくには明日を生きる力が
無くて、それでもキミの生きる道を、キミの未来だけは守り
たかった・・・とってもダイジなキミだから。
ぼくの手を離すという選択が正しかったのか、そしてキミの
幸せをぼくが決められたのだろうかと何万回もジブンに問い
かけてる。だけど、その答えは今も出ない。
誰もが描く幸せのカタチに正解なんてないよね、だからぼくは
探し続ける、幸せのカタチ。

 いまぼくらを繋ぐ唯一は、空。
空を見上げては、あの時みたいにキミが降ってこないかな
って思っているよ・・・でんマイ。
空のむこうへ行く風が、もしもぼくの想いを運んでくれるなら
キミの幸せを祈っていると伝えてほしい。そしてぼくの探す
幸せのカタチが、キミを笑顔にできたらって願っているんだ。

                 
                        finish

 

ポロンのでんでんマイマイ (連載20日目)

2013年04月01日 11時03分40秒 | 童話『ポロンのでんでんマイマイ』
 ニンゲンに翻弄され仮の棲家を転々としていた頃、ぼくの
カラダは次第に褪せていきママに近い色のアルマジロに
なっていったよ。
成長によって色が変化しただけだと周りは思ったらしいが、
ぼくには解っていた。でんマイがぼくをポロンアルマジロに
変え、輝かしてくれていたってこと。
ぼくはでんマイを守っていた気になっていただけで、ホントは
でんマイの支えの方が大きかったんじゃないのかな。

運命はぼくをrabbit filedという時空を超えた空間に引き
寄せた、ブラックラビフィーによって。パラレルワールドは
ぼくをあの頃のカラダに戻してくれたよ、それはでんマイを
感じられる幸せの色。
ブラビと暮らし、ジブンの意思でカラダの色を自在に変える
ことができるようになってきて思うんだ。これはぼくがぼくで
あるための変化なんだって。

ポロンのでんでんマイマイ (連載19日目)

2013年03月30日 09時38分26秒 | 童話『ポロンのでんでんマイマイ』
「やだ、やだ、いやだ~!!」
甲冑の中で泣きじゃくるでんマイに、想いを解ってほしくて
言葉を紡ぐ。
「ぼくのダイジな でんマイ、キミには生きていて欲しいんだ。
生きている限りぼくはキミを忘れない、忘れたりしないよ。
約束する、キミがずっと幸せでいられるよう ぼくはいつだって
キミの幸せを祈り続けているからね。」

しぶしぶと甲冑から出てきたでんマイを、ぼくはぎゅっと抱きしめた。
ちいさいけど温かく柔らかなでんマイ。あの感触は今でもカラダが
憶えてる。
ココで別れたら、おそらくもう二度と逢えることは叶わないだろう。
後先無しにこのまま連れて行ってしまいたい衝動をぐっと閉じ込め
ぼくは、でんマイを木片のすきまから外へ押しやった。

ポロンのでんでんマイマイ (連載18日目)

2013年03月29日 09時40分40秒 | 童話『ポロンのでんでんマイマイ』
悲鳴にも似たその声を包み込むように、ぼくは殊更ゆっくりと
語りかける。
 「分かるだろ でんマイ、ぼくはこの箱からは出られない。
だけど小さなキミなら出られるよ。
       棲家へ帰るんだ、森はキミを守ってくれる。」
 「ポロンのいない森なんて意味がないよ。
               ポロンと一緒が良い!」
でんマイにとっても譲れない選択になることは、解っている。
だけど今のぼくにとって、でんマイを守れる方法はこれしか
思いつかない。
 「あの森にはタンタンの葉がある、それにアルマジロが棲む
森だ、あそこにいればいつか気の合うアルマジロに出会える
チャンスもあるさ。
ココはまだ森の匂いがする、きっと帰ることができるから。
だけどこれ以上一緒にいることにこだわって、もしもトモダオレ
なんてことになったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれないよ。」

 「ぴゅ~~~~~ぅ ぴぷぴぷぴぷ」
聞き覚えのある声がした。
シシが近くにいるらしい、ぼくらが捕まったのを聞きつけて
追って来てくれたんだ。
 「今ならシシが外にいる、確実に森へ帰れるチャンスだよ。」