ポロンアルマジロ

フェアリーサイズのポロンアルマジロが見つける幸せのカタチ!?

ポロンのでんでんマイマイ (連載18日目)

2013年03月29日 09時40分40秒 | 童話『ポロンのでんでんマイマイ』
悲鳴にも似たその声を包み込むように、ぼくは殊更ゆっくりと
語りかける。
 「分かるだろ でんマイ、ぼくはこの箱からは出られない。
だけど小さなキミなら出られるよ。
       棲家へ帰るんだ、森はキミを守ってくれる。」
 「ポロンのいない森なんて意味がないよ。
               ポロンと一緒が良い!」
でんマイにとっても譲れない選択になることは、解っている。
だけど今のぼくにとって、でんマイを守れる方法はこれしか
思いつかない。
 「あの森にはタンタンの葉がある、それにアルマジロが棲む
森だ、あそこにいればいつか気の合うアルマジロに出会える
チャンスもあるさ。
ココはまだ森の匂いがする、きっと帰ることができるから。
だけどこれ以上一緒にいることにこだわって、もしもトモダオレ
なんてことになったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれないよ。」

 「ぴゅ~~~~~ぅ ぴぷぴぷぴぷ」
聞き覚えのある声がした。
シシが近くにいるらしい、ぼくらが捕まったのを聞きつけて
追って来てくれたんだ。
 「今ならシシが外にいる、確実に森へ帰れるチャンスだよ。」



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