Der König Hat Eselsohren

植田正治のつくりかた@東京ステーションギャラリー



今日は、写真っぽい絵に続いて、作り込んだ写真(笑)
それこそ、偶然写り込んだ、なんてものが一切ない、画面の隅々まで意識して写された写真。
ある意味、絵画的。
だからなんですかね。
妙に好きなんですよ。植田調。

もう一つ理由があるとしたら、おそらく、「砂丘モード」の時代にどこかで見ている。
この雰囲気、もの凄く好きな上に、あぁ!80年代っぽい!!と思う。
あの無機質な明るさみたいなものに対する指向が強く出てきた時代に、まさにそれを写真の形で表して見せた、みたいな。
それがどこか記憶に残っている。
しかもなんとなくマグリッドやダリの絵の世界みたい。
あぁ、やっぱ絵画的だな。

その2つの時代に挟まれた「童暦」の世界は、私にとってはそれこそ異質な、伝統的な日本を舞台に繰り広げられる、土着的な世界なのだが、写っている人物がほとんど無表情なのが良い。
特に、学校の遠足の集合写真のような感じのものですら、誰一人笑っておらず、それどころか、ほとんど泣きそうな表情の子供すらいる。
ただひたすら、みんなじっとこちらをみている。
でもそこに冷たさは全くない。


「○○はこうあるべき」なんて風潮はろくなことにならない。

写真は現実を写すべし?

いやいやいや。

むしろ、写真を使って、あんなことも、こんなことも表現できます!
そんな世界の方が良いじゃないか。
そして現に、こうして、「物事をあるがままに写した」のではない写真が、長い時を経てもちゃんと生きている。
むしろ国境も時代も超える力を持っている。
かえってモダン。

砂丘という舞台は、なおさらそれを強調してるんだろうなぁ。
砂と海と空、それしかないところに、自由に人物やモノを並べる。
究極に自由な空間に、何を作り出すか。
それは恐ろしく難しいことだ。

そのうち、植田正治写真美術館にも行ってみなければ。
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