
普段、「ドコソコ美術館展」みたいなものは、「や、そのうち現地に行きゃいいじゃん」と思ってしまって、二の次三の次なのですが、今回ばかりはね。
何しろ、コレクションのほとんどは、現在展示されずにいて、展示されている分についても予約しないと見られないって言うし。
ウフィツィには行ったことあるけど、そりゃ、知らないわけだ。
しかも、実際に見てみると、知ってる画家よりも知らない人の方が多い。
あぁ、自分もまだまだだ、と思う。
知っているのの代表と言ったら、今回のポスターにも使われているヴィジェ=ル・ブランでしょうか。
ル・ブランの肖像と言ったらこれだよね、ってくらい有名な絵ですが。
実際に見てみると、ホントに可憐で綺麗。
まさに才色兼備。
まぁ、「あの」美人とは言い難いアントワネットをそこそこの美人に仕立て上げて、お気に入りの画家になったくらいだから、自画像もそれなりに美化が入ってるんじゃないか、とは思うけどね(笑)
それにしても綺麗だ、この人。
と、感心しつつ、横の説明を読むと。
当時35歳。
え~っと、15の小娘にしか見えないんですが…f(^_^;
もし実物が、実際、歳よりも若くて綺麗だったとしても、さすがにこれはやり過ぎなんじゃないですかねぇ、ル・ブランねーさん。
一方で、あまりにも意外だったのが、ベルニーニ。
まさか自画像を残していようとは!!Σ( ̄□ ̄;)
そのことだけで、十分に驚愕しましたよ。
だって、私個人の見解としては、ミケランジェロを超えるほどの天才彫刻家。
そりゃ、ミケランジェロは絵画でも素晴らしい傑作を残してはいるけれど、まさかベルニーニも絵を描いていたとは。
しかもこれがうまいんだ。
普通の自画像でありながら、まるで今そこのイスに座った一瞬であるかのような、生き生きとした表現。
制作時期からすると、傑作を連発する少し前で、まさに才能があふれ出ているかのような、はつらつとした印象。
つーか、かっこいいよ!!惚れそうだよ!!(笑)
も、しばし、見入っちゃったよf(^_^;
そのほかも、自画像って、こんなに色々な描き方があるんだ、と感心。
画中画として描いているものはいくつかあったけれど、他にも、「自画像を描いている自分と描きかけの自画像」だとか、キャンバスを破って顔を覗かせているトロンプルイユになっている自画像だとか。
そんな変わり種ばかりでなくとも、自画像って、その画家の人となりと画風とが如実に出ていて、これがある程度年代順に並んでいることで、とてもわかりやすい絵画史になっていたり。
いやぁ、それにしても、予想以上に面白かったです。
結構人はいるけれど、大混雑になるような気配は全くないし、オススメです。