NHK大河(大河ネタばっかだなー;)「花の乱」に登場する盲目の尼、森女(しんじょ)とも言う。
演じたのは壇ふみ、一休宗純亡き後寺を守ったと言われる女性で一休の言葉によると天下一の美女だとか。
この信心深い盲目の美女は実在の女性だそうです、といってもこのドラマの中では脚色し過ぎてどう見ても創作キャラクター;
設定にリアリティが無い為ウチの両親にはえらく不評でしたが例によって私はこういう幻想的なキャラが大好きなもので、、、(笑)
えーと、、またうろ覚えで紹介をば、、、(間違ってる所があったら指摘してやて下さいませ)
「花の乱」は足利義政の奥方日野富子のお話で主演は三田佳子。
日野家の奥方が「酒天童子」と名乗る鬼の扮装をした謎の男に強姦され(客観的には女が鬼に魅せられて嬉々として受け入れていたように見えた、とある)女の子を産む、彼女は椿の庄という土地に捨てるようにして預けられ椿と名付けられる、幼馴染の「兄さま」と慕う男と結婚の約束もする(してた気がする;自信ない)
一方日野家では先程の奥方が今度は旦那との間に姫を生む、姫は富子と名付けられ、生まれてまもなく足利将軍との婚約が決まる。
しかし富子姫は高熱の病にかかり失明してしまう、これでは将軍との縁戚がおじゃんになってしまうと考えた日野家は富子姫を椿の庄に捨て酒天童子の娘椿をかっさらう、椿と富子姫をすり替える事にしたのだった。
(ところでこの盲目になった少女、3~5歳くらいの子役でほんの数カットしか登場しないがものすごく美しい子だったvv)
盲目の姫は森女と名乗り尼になった。
彼女等を生んだ母は一対の扇を娘たちに渡した、一本は「火の橋」地獄を思わせる炎の中に橋が描かれている図柄、これは富子(椿)が所有している、もう一本は「水の橋」清らかで静かな河の上に橋が描かれている図柄で盲目の森女が所有する、この扇はその後のそれぞれの人生を暗示する。
少女時代の富子(椿)役は松たか子、当時18歳で多分この役で知名度が上がったんだと思う、着物映えする古風で品のある顔の子だなと思った記憶がある。
この森女、壇ふみの盲目の演技がやたら上手くて(その頃松たか子がNHKドラマ「蔵」で盲目の女性を演じたんだけどやたら下手だった;新人女優とベテランを比べるのは酷かな?でも壇ふみの上手さが印象に残りすぎてて辛かったナリ)
とても好きでした、誰かと会話していてもいつも優しく遠くを見ていて、周りが火事や戦乱のパニック状態でも彼女の周りだけ静かな蒼い世界に包まれているようで。
彼女は登場人物達のドロドロした場面に突然清らかな笛の音と共に現れ菩薩のようにうっとりと微笑んで憎しみを穏やかな悲しみと悟りに変える、一休は彼女に(僧としては)許されぬ恋心を抱くが他の人物達は菩薩か何かのように扱う、不思議な立ち位置のキャラクターで大変好みでした。
(彼女自身は柔らかく静かなだけで何一つ説教めいた事は言わない人だったんですが、、)
特に印象的なシーンを上げると。
確か「逢魔が刻」とかいう回だったと思う、将軍義政(富子の旦那、性格や考え方の違いからギクシャクしていた、配役は市川団十郎)がある夕刻見慣れた庭で突然霧に巻かれ迷い、同じく霧の向こうから現れた森女にめぐり合う。
何時とも何処とも言えぬ場所である筈もない出会い、二人は静かに幾つかの言葉を交わす、妻富子とは分かり合えないのに多くを語らなくても自分の内面の世界、風流を理解する女に義政は初めての安らぎを覚える。
戻って来た義政は富子に声を掛けられ上の空のまま盲目の女にめぐり合った事を漏らす、富子はもしやと思う(富子は自分が森女と取り替えられた存在だと最近聞かされた)そして夫に
「その女とめぐり合ってかつてない安らぎを覚えられましたか、心に同じ景色を感じこの者こそがわが妻であったならとお感じになられましたか」
と言う、義政は答える「そうだ、と言ったら、、、?」
すると富子ははらはらと涙を流し「運命は変えられぬものなのですね」と嘆き彼女こそが貴方の妻となる筈だった日野富子だと打ち明ける。お気に入りのシーンです。
すごく好みのキャラクターでしたvv
やんごとない身分、盲目、などの設定からして早死にすると思い彼女が出てる間だけ見ようと思っていたらしっかり最終回の一回前まで出ていて結局終わりまで見ちゃった(笑)
ただ個人的には富子(三田佳子)も森女(壇ふみ)も優しい外見と演技なので対比がイマイチだったかなーとも、、、。
もっと富子を怖い女にして欲しかったかも、配役も岩下志麻みたいな人だったら怖くて良かったんじゃないかな;
でもそれだとドラマのカラーが変わっちゃうか;
市川森一の脚本って本人が年とればとるほど女(っつーか主に少女)への妙なドリームが気持ち悪くてはっきり言えばキライなんだけどこの頃はまだそうでもなかったみたいです;
壇ふみが結構いい年の女優でしかも上手かったからたまたまぱしっとツボにはまってしまったのかな(苦笑)
彼の脚本で「こりゃとんでもねェ;」と思ったのが同じくNHKでやってた「鏡は眠らない」とかいう当時人気のチャイドル(まだ小学生位の美少女)が意味もなく(本当にストーリー上意味がないどころか寧ろ矛盾してる)オールヌードになる所を目玉シーンとして予告編で何度も流してた、、いやそんなのはともかくストーリーも人物像も滅茶苦茶に破綻しててロリコン爺の少女幻想にテレビぶっ壊したくなるクソドラマでした;
(このお話は別の機会に改めて;)
記事拝見しました。
ただ今DVD観ていますが、同感です。
大河のDVDをご覧になってるのですか?
この頃の壇ふみさんはとてもお美しかったですよね。
そうです。「花の乱」のDVDです。
壇ふみさん!確かにきれいですね。
その子役の子も、青丸さんご指摘のように美少女でした。
キャスティングは、脚本の市川氏の好みだったんでしょうか(笑)!
この森女が、将軍の許嫁者となるべき真の日野富子だという設定、だれが考えたんでしょうね!市川氏か!?
それだけ、制作者の思い入れのある特別な役どころなんでしょうね。
最後の所、市川氏ボロクソですね(笑)!
昨今の女性脚本だと女性像がリアルというか別方向にゆくので、こういう萌キャラというかファンタジックなキャラにはなりにくい気がします。
あー;はい、ここで「好きな脚本」として取り上げておきながら何ですが市川氏の他の脚本はぶっちゃけ嫌いだったりします;;女性像が支離滅裂なんですよ、ちゃんとした原作があってもラストで訳の分からない行動とらせたりとか。
「鏡は眠らない」を取り上げた記事ではボロクソに書いてますし↓
http://blog.goo.ne.jp/aomaru05/e/e0832ae1453001fbddd907bb098389f7
http://blog.goo.ne.jp/aomaru05/e/390263119f3f649ead0456718c833b9a
女性を理想化する、と言えば聞こえは良いですが、自分の歪んだ願望を押しつける、ような描き方が多いんですね(花の乱はもともとファンタジー色が強いのと時代劇なのとでそのロマンも調和が取れてるんでしょうか、或いはその後の作家の衰えで変なカラーが入ったとか?)
市川氏がお好きだったら申し訳ありません(汗)
ごていねいなお返事ありがとうございます。
「花の乱」を37話中15話まで観た段階で、
このドラマについて感想を書いた記事を読んでみようかな!と思いまして”森女”で検索したところ、青丸さんのブログにヒットした次第です。
この森女「壇ふみさん」(男性視点から!?)美しくもあり(清楚な美しさというか)印象に残ったので、他のかたの感想も参考にしてみようと思いまして、検索してみました。
青丸さんの女性視点からの感想、いちいちごもっともと納得しながら拝読させてもらいました。
案外自分の感想に似ていたので、先に”同感”と書かせてもらいました。
視聴者に同じ感想をいだかせるということは、制作者側の意図が成功したともいえるのでしょうか(特に市川氏の意図が!?)!
リンクの方もご提示前に読ませてもらいました。
確かに「ボロクソ」ですね(笑)!
ご指摘の点は、市川氏の個人的な思い入れなんでしょうか! 詳しくないのでわかりません。
市川氏は、この「花の乱」以前はいい脚本を書いていたすごい脚本家だったと理解していますが、それ以上のことは詳しくないのでわかりません。
自分は、歴史好き&NHK大河ファンで、歴史の勉強・回想を兼ねて、ただ今DVDを観ている次第です。
また、コメ入れますので、よろしくお願いします。
市川氏の脚本は名作が多いと絶賛するドラマファンは多いようですので良い作品を書いた時期はあったのでしょうね。
大河の神秘的なヒロインはやはり男性脚本ならではなのだと思います。
この記事にて↓も取り上げましたが
http://blog.goo.ne.jp/aomaru05/e/5a2f301d1a64f1670c8c9486bba5f687
「武田信玄」の湖衣姫や「独眼竜正宗」の愛姫に駒姫など二年続けて好みのヒロインが出ても次の年の「春日局」(凄まじくつまらないドラマでしたが)は橋田寿賀子先生だったせいか「死んだ想い人と瓜二つの女性」という設定のキャラの魅力を全ーく生かせていなかった訳で…
男性にとっての「夢の女神」は転びようによってはマズいのでしょうが成功すればいいキャラになるのでしょうね。
感想記事、楽しみにしています^^
では。
男性脚本家と女性脚本家では、ヒロインの描き方や手法が違うとは!、今まで意識していませんでした。
感想が書ける記事がありましたら、訪問いたします。
最後に、市川氏の「お手柔らかにお願いします」の声が聞こえて来そうです(笑)。