セントラルアミューズ24時間耐久レース開幕
どのチームもこの日合わせ最高の状態でレースに
挑んできている、ピット内は元よりその熱気は、
サーキット全体をいつにも増して、包み込んでいる
ふと、あるチームのピットを見ると、見た事がある
顔が、モータースポーツ部の主任顧問の率いる
レーシングチームのピットだった
アレジ先生の元に歩み寄り
「Jean et un est mau vais(ジャン、人が悪いぞ)」
「Il ne fait pas et fin(すまん、すまん)」
お互いに胸を軽く叩き合い
「何か、試したいのか?」
「どれくらい出来るか、見てみたいんだよ」
「飲み込んでやるよ」
「容赦無しで行くぞ」
「喜んで、受けて立とう」
互いに握手してその場を離れた
午後12時レーススタート
1/3のショートコースでパレードラップを行い
各車牽制し合いながらローリングスタートが切られた
500台のマシンが獰猛な唸りを上げ、1コーナー
に向かい一斉に走り出す
互いに牽制し合っているため、1コーナーで数十台
のマシンが、ど突き合い弾き飛ばされる
弾き飛ばされたとしても、修理出来るのであれば
ピットに戻し、修理を施した後にレースに参加できる
もしくは修理不能の場合、スペアカーで参加出来る
ものの、エンジン、タイヤ、シャシーの3分割の状態
から組み立てなければでならない
スタート直後の混乱を、免れたもののコースを塞がれ
足止め食らった
コース自体がやたらとデカいため、フルコースコーション
になる事が殆ど有り得ない
「セブン・ストレート」は全長7キロの直線コース
という訳ではなく、コース幅も120mとやたらと広く
「セブン・ストレート」上では、400キロオーバーの幾つも
の抜きつ抜かれつの接近戦バトルが、各所で繰り返され
ている
このストレートでは毎年のごとく、ブローしてオイル煙を
引くマシンが続出している
「相武、今は抑えて走れ、エンジンが幾つもある
訳じゃねぇぞ」
各チームに許されるエンジン数は予備6基+搭載1基の
7基までと決められ、パワーと耐久性を両立させなければ
完走すらままならい過酷なレースでもある
ただし、修理すれば完走も可能だが、その分差も付けられる
スタート6時間経過、500台中103台リタイア、119台
修理中、コース上は278台が凌ぎ合っていた
チーム・セントラ257位残りエンジン数5基
「エンジン音がおかしい?」
「ギアが無い?」
次から次に不具合が出てくる
完走も出来るのかままならい状態が続くも
何とか走り続けている
ドライバーは相武、筑紫野、高橋の3人体制だが
相武の体力の消耗が著しい
それもそのはずで、昨夜相武と分かれた後
朝までCMの撮影があり、スタート直前にサーキ
ットに戻ってきたのだ
しかし、ここは勝負の世界、そのような事は関係は無い
世界だ
「辛いだろうが、頑張れ」
と心の中で叫ぶ・・・
その7に続く