あおいこころ

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ボンボン星/空想遊び🙃

2023-05-11 22:03:20 | 空想遊び


ここはボンボン星という星。
火星くらいの大きさで、白い砂浜と遠浅の海、豊かな森が広がる美しい星だ。
気候は一年を通して24度前後で季節がなく、天候が荒れることもない。
やさしい雨がときおり降って湿度を安定させてくれる。
空は水色やオレンジ色、黄緑色がぼんやりと淡く広がっている。
30時間で自転していて地球よりのんびりした1日だ。

この星に住む人類は狩猟採集生活で、服装は森から採集した植物の繊維から紡いだ白い布で簡素な衣服を着ている。
豊かな自然のお陰で人間同士が争う理由がなく、日々穏やかに暮らしている。

そんなボンボン星の空を5台の飛行体が音もなく飛んでいる。
このタマムシ色で楕円型の飛行体は5メートルほどの大きさで、ボンボン星をAIによって監視している。
監視の他に役割があって、ボンボン星を外側からの侵略者や衝突物体の脅威を回避している。
飛行体の操作によって外側からはボンボン星が見えないし、もし近づいたとしても時空が曲げられ接触することは決してない。

このボンボン星人は、6万年前に移住した地球人の子孫達だ。
6万年前の地球上に存在した人類は、無毒で半永久的な核エネルギーや次元を操作して空間を自在に創り出したり、重力の影響を受けない飛行技術など想像もつかないくらいな高度な文明を発達させていた。
ただ高度な技術を人間の精神性が有効に利用することができなかった。
6万年前の人類は愚かな欲により破壊を選び滅亡した。
人類滅亡を察したひとりの科学者が最期の破壊の直前に、人間の卵子と精子と最高科学技術を乗せた宇宙船で秘密裏にボンボン星に旅立ったのだった。
不毛の地であったボンボン星を科学者は長い歳月をかけて今の状態に創り上げた。
そして人工授精させた受精卵を人工子宮で育て、ボンボン星で初めての人類が産まれた。
人類が滅亡の道を選ばぬよう科学者は人間の遺伝子情報を書きかえた。
そのため、ボンボン星の人類は障害を持って産まれることがなく、病気になることもない。寿命は地球人の3倍ほどで、10歳に見えても精神年齢は30歳だ。
人口は狩猟採集生活が保たれるようにボンボン星と人が作用しあって制御される。
ボンボン星人には言語も文字もない。
テレパシーで意識を伝え合うため、嘘やごまかしが存在しない。
間違って理解することも都合よく置きかえられることもない。
すべての意思の疎通は一瞬だ。
高度な知能と記憶力を持つため記録する文字も必要ないのだ。

科学者は死後、自分の意志を継ぐAIをタマムシ色の5台の飛行体に託した。
この飛行体は地上に降りてくるとボンボン星人に教育をしたり、問題解決の助言を行う。
その教育の中にはボンボン星人の生い立ちも包み隠さず含まれ、もちろん地球のことも学んでいる。

ボンボン星人の死生観とは、死は宇宙エネルギーに戻るときとされる。宇宙エネルギーによりすべては産まれ出て、宇宙エネルギーによって生きている。すべては宇宙エネルギーの一部にすぎず、一匹の虫も木の葉の一枚も砂粒の1つも無数の1つはすべてにつながり1つなのだという考えだ。
そして彼らは地球で言う神の概念は持っていない。

考えようによれば、ボンボン星は科学者の一方的なエゴで存在しているようにも思えてくるが、科学者の死後も崩壊することなく、穏やかな日々が続いているのだ。

ボンボン星人は自分たちの始まりの星、地球を定期的に訪れているのだ。
宇宙船に乗り、何万年も前から地球を見てきた。
宇宙船はタマムシ色の飛行体の作用と一緒で、外側から見ることも接触することもできない。
ボンボン星人は地球人とコンタクトをとることはない、ただ観察してきただけだ。
ボンボン星人から見た地球人とは、外側は同じ人間に見えても思想も価値観も振る舞いも多様で、まるで違う生き物のように思えるという。

6万年前滅亡した人類のあとに、何度も人類の発生と滅亡が繰り返されていることをボンボン星人は知っている。
おそらく6万年よりも前から繰り返されているという。
そして今、また地球人類の滅亡が近づいているという。
滅亡のパターンは決まっていて、それは人口の急激な増加、戦争、疫病の流行、気候変動が重なり合い、そして最後に5つ目の要因が重なると決まって滅亡するという。
その5つ目の要因とは何か。。。
ボンボン星人は知っている。






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