「それで、麻也さんは…」
麻也がベランダから飛び降りようとしたこと、その後に薬をシャンパンで流し込んだことを
諒は社長に話さないわけにはいかなかった。
「…俺、麻也さんが追い詰められているのに…こんな飛び降りなんて狂言やったって信じられないって言ったんです」
「諒…」
社長がどうしたものか困っていると、さっきの看護師が様子を見にやってきた。
すると諒は噛みつくように、
「あの、遠藤麻也は、麻也の容体は?!」
「大丈夫ですよ。後から先生から説明がありますから」
「大丈夫ってどういう大丈夫なんですか?」
「症状が軽そうだということですよ…もう少し休んでいて下さいね」
看護師が出ていってもまだ諒の話は続く。
「俺が狂言なんて言ったから…」